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【新連載】日本の親は大丈夫? アメリカからの遠隔介護 〜第1回 高齢者の住環境 【賃貸編】〜

アメリカ在住者に向けて日本の介護・お役立ち情報をお届け!

高齢者の住環境 【賃貸編】

超・超高齢化社会となった日本。2年後の2025年には日本の全人口の4人に1人が75歳以上との予測もあります。高齢者のひとり暮らしの増加に伴い、社会との接点が減少する「閉じこもり」や「緊急時の対応」などが社会問題に。今回は高齢者を取り巻く日本の住環境について、賃貸住宅を中心に紹介します。
高齢を理由にアパート退去を迫られる?
日本で60歳以上の人が新たに賃貸住宅に入居するのはとても困難です。高齢者は健康リスクが高く、貸し主(以下オーナー)が契約を避けるケースが多いのです。また、ずっと住み続けていた賃貸住宅でも更新を断られるケースが見られます。法的には「高齢」という理由だけで契約解除をすることはできません。契約解除をするには「法的に定められる正当な理由」が必要となります。万一、オーナーから更新を拒否されても、借り主が拒否することで、契約は継続(法定更新)できます。ただ、中にはオーナーと友人関係にあり、法的な対応はしたくないなどと、住み替えを選ぶ人もいます。
「娘家族の近くで暮らす」選択をしたA子さん
A子さんも、高齢を理由に退去を迫られ、住み替えを選んだひとりです。夜間や緊急時など、ひとり暮らしに不安を感じるようになっていたことも決断を後押ししました。当時78歳で、生まれ育った三重県を初めて離れ、娘家族が暮らす東京へ。しかし、入居先はなかなか見つからず、2,000以上探しても希望物件は出てこないという状況でした。
ようやく信頼できる不動産会社の営業担当者に対応してもらえることになり、200以上の物件から入居可能な3件を発見。入居条件はどこも「家族が近くに住んでいること」、「何かあった時に家族がすぐに駆け付けられること」でした。A子さんはなんとか希望の物件に入居することができましたが、日本で高齢者が新たに賃貸住宅に入居するのはとてもハードルが高いことが、このケースからも見て取れます。
サービス付き高齢者向け住宅の活用
誰もがA子さんのように一般の賃貸住宅への入居がかなうとは限りません。そこで活用したいのが、日本に4万以上ある高齢者向け住宅・施設です。特に、サービス付き高齢者向け住宅、いわゆる「サ付き」「サ高住」と呼ばれているものが狙い目。安否確認やさまざまな生活支援サービスを受けられるバリアフリー型の賃貸住宅で、主に以下のような特徴があります。
① 入居対象:自立の方、介護度が比較的軽い方、自宅での暮らしに不安を感じている方
② 仕様:各居室にトイレ、キッチン、浴室などが付き、自由度の高い暮らしが実現
③ 契約形態:賃貸契約
サ高住は「一般型」と「介護型(特定施設)」の2種類に分かれます。多くの場合は「一般型」となり、外部の介護サービスを個別に契約します。「介護型」は、介護度が重い人にも対応できるよう、国が定めた基準で介護スタッフによるサービスを提供しています。
高齢になると、住環境によっては生活に支障が出てくることも。転倒・骨折などの事故にもつながりかねません。親の「ちょっとした変化」に早めに気付けるかどうかが、今後を左右します。大事が起こる前に、プロの力を借りて早期対応ができるといいですね。

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■ 野村不動産ソリューションズとのコラボ企画 今のうちに知りたい!親の介護×不動産セミナー 第7回 「施設入居」
1月18日(水)6pm~6:40pm
料金:無料 ※定員500名
問い合わせ:☎03-5324-3553(日本)
詳細:www.nomu.com/sp/seminar/2023/detail230119_2.html
■ 毎月第4木曜日サロンドハース・ウェビナー 第24回 「高齢の親に老人ホームに入居してほしい。どう話を切り出せばいい?」
1月26日(木)6pm~7:30pm
料金:$10 ※経費を除き子ども&シニア支援団体に寄付される
問い合わせ:hearth777@gmail.com
詳細:www.facebook.com/hearth.world

文美 横畠
■一般社団法人Hearth(ハース)代表理事。国際介護アナリスト。ベネッセスタイルケアにて高齢者住宅の立ち上げや広告宣伝等に携わった後、41歳で退社し、夫婦で7カ月かけて世界各国の高齢者施設200カ所以上を訪問。これまでに取材した高齢者やその家族は2,000人を超える。「介護を通じて日本と世界を幸せに」をモットーに活動中。 サロンドハース salon_de_hearth