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第34回 日本にいる父は自宅から緊急搬送。 母は在宅介護で認知症 ①初期対応編〜日本の親は大丈夫?アメリカからの遠隔介護

アメリカ在住者に向けて日本の介護・お役立ち情報をお届け!

第34回 日本にいる父は自宅から緊急搬送。
母は在宅介護で認知症 ①初期対応編

今年に入り、海外在住者から日本で暮らす親の緊急対応についての相談が増えています。日本在住者と異なり、海外在住者は日本の銀行や行政、病院など、さまざまな場面で次々と壁が立ちはだかります。それはどのような壁なのか、また、そのような時にどう対応すればよいのか。実例を交えて3回シリーズで紹介します。

日本で暮らす両親。父が緊急搬送、母は認知症。
娘がアメリカから急きょ帰国

アメリカで30年以上暮らしているAさん。日本の親族とは疎遠になり、姉はすでに他界しているため、一人っ子のような状況です。日本で暮らす両親は、父96歳、母84歳。母は認知症のため日中はデイサービスを利用し、在宅時には父が介護をしていました。金銭管理から日々の食事、洗濯、掃除、ゴミ出し、買い物まで、家事全般も父が担っていました。Aさんが今年の春に一時帰国した際には、父はまだまだ元気で、サロンドハースのウェビナーを観ても「うちの親は、まだ大丈夫」と思っていたそうです。ところがその暮らしがある日一変しました。Aさんのもとに日本の救急隊から「父が自宅で倒れているので救急搬送する」と電話が入ったのです。Aさんは急きょ飛行機を予約し、2日後には日本に到着。父は意識を取り戻していたものの、言葉が出ず、会話による意思疎通ができない状態でした。そして、そこには日本独特のルールが待ち受けていました。

これができていないと、
日本ではスタートラインに立つことさえできない

Aさんが病院で説明されたのは「身元保証人・身元引受人がいなければ入院できない」ということでした。「身元保証人」とは、本人を信用できると保証し、損害を担う役割を持つ人です。要は本人に代わり金銭的な保証をする人。「身元引受人」とは、本人が病院や施設を退所するときの引き受けや、亡くなった後の手続きなどを行う人です。日常的なサポートを求められることもあります。Aさんの場合、母は認知症のため、母が安心して暮らせる生活の場を見つけることも必須条件でした。それらを解決するには、次のような要件が必要になります。

• 身元保証人、身元引受人
• 日本の銀行口座
• 行政関連の各種書類(戸籍抄本など)
• 印鑑証明など

しかし実際には、日本の親族とは疎遠なため身元保証人や身元引受人になってくれる人はいない。両親の銀行口座はあるが、通帳の届出印が分からない。行政関連の書類を取得するための両親のマイナンバーカードはあるが暗証番号が分からない。と、多くの問題がありました。そこで、私たちは3つの分野の専門家でチームを組み、対応をスタート。①身元保証会社、②士業(行政書士)、③介護(老人ホーム紹介の専門相談員)。Aさんの一時帰国期間は10日間。この限られた期間で迅速に動き、通常2カ月から3カ月かかる手続きを10日間で完了することができました。これはまさに神業。まるで100メートル走を1,000本走るような感覚だったと振り返ります(笑)。

時代は変わりました。「家族だけで介護を抱える時代ではありません。自分だけで悩まず、専門家のチカラを借りてチームを組んで前に進んでいきましょう。私たちはあなたの応援団です。いつも全力で応援しています。

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横畠 文美
一般社団法人Hearth(ハース)代表理事。国際介護アナリスト。ベネッセスタイルケアにて高齢者住宅の立ち上げや広告宣伝等に携わった後、41歳で退社し、夫婦で7カ月かけて世界各国の高齢者施設200カ所以上を訪問。これまでに取材した高齢者やその家族は2,000人を超える。「介護を通じて日本と世界を幸せに」をモットーに活動中。 サロンドハース @salon_de_hearth