桃の節句には欠かすことのできない花材、ハナモモ(桃)を主役に生けましょう。 ハナモモは、春に新葉が出るのとほぼ同時に、愛らしいピンクの花が咲き連なります。ふっくらと開いたかわいらしい花の姿を生かしますが、つぼみも生命力を思わせる独特の美しさがあります。開いた花は落ちやすいので、丁寧に扱います。枝の先端部分はためが効きますが、太いところは必要に応じて折りだめをします。水揚げがよく花持ちもいいのですが、固いつぼみは開かないことがあります。白色のハナモモもあるので、ピンク色と組み合わせて一種生けにしても味わいがありますね。 今回合わせるのは強烈な個性をもつツバキです。一花、二花だけでもその作品が締まります。枝をねじったり、半分に折って折りだめをして角度を出して、仕上げていきましょう。 花材:ハナモモの枝5、6本(70 ㎝、60 ㎝、30 ㎝、など)、椿 3、4 本 花器:変形二口水盤、剣山 2 つ 生け方: 1. 水盤の右側の挿し口から、60 ㎝の桃を前 15 度に傾けて剣山に挿す。その右側周辺を囲むように、短いハナモモの枝を、前、脇、後ろに挿す。 2. 水盤の左側の挿し口から、70 ㎝のハナモモを、左前 45 度に傾けて剣山に挿す。その時①の長い枝と平行に見えないように生ける。 3. 40 ㎝ぐらいのツバキを 1 本用意し、①と②のハナモモに挟まれるように、右挿し口から挿す。 4. 右挿し口の前の口元を短いツバキ 1 本で隠し、脇 1 本で締める。 5. 30 ㎝のツバキを 1 本、左挿し口から後ろへ 45 度に傾けて挿す。 6. 同じ挿し口から、開いたツバキ 1 本を前に出し、足元を隠して完成。 [花ごよみ]