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正月花

年初めの生けばなは、おめでたいブッシュカンと松を使います。 ブッシュカンは、レモンやライムの先祖種と考えられているシトロンの変種です。指をすぼめた手のような形の果実が成り、それが仏手の和名の由来となったと言われ、果肉はなく観賞用のみ栽培されています。独特の形や色を生かし、先端の分れた部分の向きを見定めて行けます。ノースウエストでは枝つきのブッシュカンは手に入らないので、ワイヤーを使って別の太い枝にブッシュカンを留めていきます。 今回は松という個性の強いもの同士の取り合わせで、正月花にしていきましょう。柑橘類は、清々しい香りも美しさのうちです。姿形だけでなく、香りの良いものを用いることが大切です。形を愛で、香りを愛でる、まことにおめでたい初春の生けばなです。花材:ブッシュカン2個(大、小)、海藻、コケ枝2本(着色ゴールド)、松5本、添え木1本(ブッシュカン用)、花器:黒四角、二股割れ投げ入れ DSC06968-min 生け方: 1.コケ枝にワイヤーを使って、ブッシュカン(大)をつける。添え木にワイヤーを使って、もう一個のブッシュカンもつける。 2.ブッシュカン(小)をつけたコケ枝を右前15度に傾けて、二股割れの器のところから、じか止めで挿す。その時ブッシュカンが器の角にくる。 3.添え木につけたブッシュカン(小)を二股割れ口のところから出し、先に挿したブッシュカン(大)の真下に入る。 4.海藻を、コケ枝の後ろに立てて器より左側に出るように置き、前15度に傾ける。 5.短いコケ枝を、ブッシュカン、小が出たところから45度、傾けて出す。 6.松3本を短いコケ枝が出たところから挿し、口元を締める。残りの2本の松を器の後ろ側の二股割れ口から出して完成。 [花ごよみ]