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MAVNI プログラム・アップデート

MAVNIプログラムとは、正式名称を「Military Accessions Vital to National Interest」といいます。軍が必要とするスキルを持った国益に不可欠な外国籍の人材を軍が受け入れるためのプログラムであり、一定期間の軍務を全うすることが必要ですが、米市民権が短期間で取得できる特別なプログラムです。
2008年にパイロット・プログラムとして始まり、最初は年間の受け入れ上限が1,000人でしたが、現在は年間5,000人までとなっています。
一般的な募集要件は、以下となります。

難民、亡命者、一時的被保護資格(Temporary Protected Status)、またはDACA 資格(Deferred Action for Childhood Arrivals)を保持するもの、もしくは、E, F, H, I, J, K, L, M, O, P, Q, R, S, T, TC, TD,TN, U, Vの非移民ビザを持つ者;入隊前の2年間、これらのうちのどれかの資格で合法的に米国に滞在していて、90日以上の米国外滞在がないこと(DACA資格者以外);高卒の資格およびAQFT (Armed ForcesQualification Test)での必要なスコア。

このプログラムで必要とされるのは、医療関係と言語・カルチャーのスキルとなっています。軍隊内の医療関係の任務と、通訳関係の任務を遂行することができる人材を、軍が求めているのがわかります。
医療関係では具体的に、総合歯科医、口腔外科医、予防医学、麻酔医、小児科医、精神科医、内科、家庭医、一般外科医、救急医、原子力医学オフィサー、昆虫学者、精神科ナースプラクティショナー、ナース麻酔医の資格が、現役勤務として必要とされています。予備役での場合はこれらと重複するものもありますが、若干違うスキルが必要とされています。医療関係の場合は、現役勤務では3年間、予備役勤務では6年間の任務に就く必要があります。
言語・カルチャーは、その時々によって変更がありますが、現時点では日本語が含まれています。言語・カルチャーのスキルでは、4年間の現役勤務に就く必要があります。
医療関係および言語・カルチャーのスキルとも、所定の任務期間を全うするのが条件ですが、市民権は初期訓練が終了し任務に着く時点で取得可能であり、任務終了を待たずに短期間で市民権取得の道が開けます。
今年8月3日に移民局がMAVNIプログラムに関する指針をアップデートしました。基本的な内容は大きく変わりませんが、不透明であった以下の点がより明確に規定されました。
入隊の日から起算して過去2年間に上記の資格で合法的に米国に滞在していて、その間、90日以上の米国外滞在がないこと;
入隊前2年間の合法的な米国滞在は、必ずしもその2年間を通じて同じ資格である必要はないこと;
Jビザ保有者は、Jビザプログラムによっては2年間の本国居住義務が課せられるが、MAVNIプログラム参加者には、その義務が免除されること;
永住権申請中でも、MAVNIプログラムの参加資格があれば応募可能であること。

[知っておきたい移民法]

神戸市出身。明治大学卒業。大手外資系コンピュータ会社でのシステム・エンジニア職経験後渡米。 アメリカのハートランド、カンザス州のワシュバーン大学ロースクール(法科大学院)を卒業、ジュリス・ドクター(J.D.)取得。 カンザス・ワシントン両州において弁護士資格を持つ。K&I Lawyers設立以前は、 ロサンジェルスおよびシアトルにある移民法を中心とする法律事務所での勤務を通じて、多様な移民法関連のケースの経験を積む。 また、移民法以外の分野、特に家族法、遺言・検認・遺言状執行、会社設立、その他民事訴訟にも精通する。カンザス州およびワシントン州弁護士会会員、 米国移民法弁護士協会会員。移民法関連のトピックにおいて、たびたびセミナーを開催。 6100 219th St., SW, Suite 480, Mountlake Terrace, WA 98043 ☎ 206-430-5108 FAX 206-430-5118