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第14回 老人ホーム入居、親にどうやって切り出せば?〜日本の親は大丈夫? アメリカからの遠隔介護

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老人ホーム入居、親にどうやって切り出せば?

日本に離れて暮らす高齢の親。「最近、階段や坂道がつらいと言い始めた」、「認知症の症状が出ていて、生活が心配」などの理由で、老人ホームに入居して欲しいと思っても、どうやって話を切り出したら良いかわからない。そんな声が多く聞かれます。今回は、高齢の親と具体的な話をする際のコツをご紹介します。

気を付けたい3つのポイント
「説得しない」「直球を投げない」「押し付けない」

誰でも高齢になればなるほど身体能力が衰え、日常生活に支障が出てくるもの。親の今後を考えれば、生活のサポートがある老人ホーム入居は、家族にとって当然の選択肢のひとつです。では、どのように親に話せばいいのか? スムーズに事を進めるためにも、次の3つは避けるようにしましょう。

① 親を説得しようとする
② ストレートに結論から話す
③ 家族の希望を親に押し付ける

高齢者は長年生きてきた経験から、自分の考えと尊厳を持っています。家族が説得したり、先に結論を出して押し付けたりすると、話を受け入れるどころか、頑なになってしまいがち。そして、一度拒絶したが最後、話すら聞いてくれないケースも。困った事態に陥らないよう、くれぐれも注意してください。そのうえで、普段の親子の日常会話で折に触れて「老後」の話を挟んでいくのが正解。お互いに気持ちが重くならず、老人ホーム入居についても話しやすくなってきます。

老後の話はタブーではなく、親を思うからこそ必要。早めに話し合いをすることで、情報収集や検討のための時間もでき、余裕が生まれます。この機会に、ぜひ試してみてください。

ゴールを設定して家族の役割分担を決めておく

親と家族で話し合っていると、話が横道にそれてしまうことが多々あります。「親が安心して暮らせること」を目指していたはずが、感情のもつれでケンカになっては台無し。これを防ぐには、事前に「ゴール設定」をしておくことが大事。また、家族をチームと捉え、それぞれ役割分担をしましょう。

医療や介護のサポートなどはプロに任せたとしても、家族の役割は意外と多いものです。たとえば、介護保険の申請準備、ケアマネジャーやかかりつけ医への対応、入院時の医療機関とのやり取り、自宅介護か施設入居かの決断といったことを、各分野の専門家と相談しながら進めていくことが求められます。

高齢の親の暮らしを支えていく日々は短期に終わらず、長く続きます。親本人の希望を聞きつつ、家族でいくつもの事柄を決定していかなければなりません。一部の家族にだけ負担が偏らないように、誰が何をするのか、各自の役割をしっかりと確認しておきましょう。

親には親の、家族には家族の生活と人生があります。家族間でもめることなく、みんなが納得できるのがベスト。最良の選択を心がけたいものですね。

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■一般社団法人Hearth(ハース)代表理事。国際介護アナリスト。ベネッセスタイルケアにて高齢者住宅の立ち上げや広告宣伝等に携わった後、41歳で退社し、夫婦で7カ月かけて世界各国の高齢者施設200カ所以上を訪問。これまでに取材した高齢者やその家族は2,000人を超える。「介護を通じて日本と世界を幸せに」をモットーに活動中。 サロンドハース salon_de_hearth