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第15回 日本の家族とコミュニケーションが取れない〜日本の親は大丈夫? アメリカからの遠隔介護

アメリカ在住者に向けて日本の介護・お役立ち情報をお届け!

日本の家族とコミュニケーションが取れない

サロンドハースは2021年2月にスタート以来、海外からたくさんの介護相談を受けています。時差があり、国境をまたぎ、親に何かあってもすぐに駆け付けることはできない、遠距離介護ならではの切実な思い。どうすればいい? 不安を抱えて暮らす方々の心痛はいかばかりか。今回は「日本の家族とコミュニケーションが取りにくい」という多くの声に応え、解決の糸口を探っていけたらと思います。

海外在住日本人は思考、コミュニケーション方法が違う

20年、30年とアメリカに長く住む人々は、普段はアメリカの慣習の中にいます。すっかり「英語脳」となり、日本語を話すにも、その英語脳を使うことに。英語のように、まずは結論から言い、次に理由を説明します。日本語は先に理由、最後に結論なので、逆ですね。

また、アメリカでは自分の意見をハッキリ伝えることが基本。私はこうしたい、これはやりたくありません、このように考えます、など。厳しい言い方をすれば、自分の意見を言わない人は存在しないのと同じ、YESかNOを伝えないと相手は自分の意見に同意したと捉えます。一方、日本では周りの空気を読んで行動します。雰囲気が悪くなるかなぁ、先輩より先に言えないよなぁ、などと考え、自ら進んで意見を述べる人は少ないのです。

さらに、英語は腹式呼吸。お腹の底から発声します。アメリカ在住者は日本語でも声が大きくなります。日本在住者は腹式呼吸を使わないので、声も小さくなりがちです。

日本在住者との間で起こるすれ違い

アメリカでの生活が長くなると、本人も気付かないうちに思考回路や行動が変わってきます。ここに海外在住日本人と日本在住者とのコミュニケーションギャップが生まれる原因があります。

家族間に限らず、日本の企業からも「海外在住のお客さまとスムーズに話が進みません」と、よく聞きます。それは、前述のコミュニケーション方法の違いからと言えるでしょう。

たとえば、日本の高齢の親について家族で話し合っていると、「たまに日本に帰って来た人間がズバズバ言うな」、「話が堂々めぐりじゃないか、そろそろ結論を出そうよ」と、お互いにイライラしてしまうことも。日本の企業にしても、アメリカから問い合わせのメールをすると、「あまりにも長文でどこに結論があるのかわからない。時候の挨拶なんて要らないんだけど」、「結果だけを書いてくれればいいのに」などと感じるかもしれません。

日本にいる家族と上手に話すには

日本の家族とは、お互いにコミュニケーション方法が違うことを認識したうえで、物事を進めていくようにしましょう。離れて暮らすならなおさら、日本の家族と良好な関係を築き、円滑なコミュニケーションを取ることは重要です。

それにはまず、「家族はチーム」と捉えましょう。そして、それぞれの家族の役割分担を決めること。リーダーを設定すると、情報共有がよりスムーズになります。困ったことがあれば、サロンドハースのプロフェッショナル・チームに連絡を。バックヤードからいつも、頑張るあなたを応援しています。

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■一般社団法人Hearth(ハース)代表理事。国際介護アナリスト。ベネッセスタイルケアにて高齢者住宅の立ち上げや広告宣伝等に携わった後、41歳で退社し、夫婦で7カ月かけて世界各国の高齢者施設200カ所以上を訪問。これまでに取材した高齢者やその家族は2,000人を超える。「介護を通じて日本と世界を幸せに」をモットーに活動中。 サロンドハース salon_de_hearth