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第10回 介護している人への声かけは「共感」がポイントに〜日本の親は大丈夫? アメリカからの遠隔介護

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介護している人への声かけは「共感」がポイントに

厚生労働省のデータ(2019年)によると、介護期間は約10年間と出ています。これは、平均寿命から健康寿命(介護が必要なく生活できる状態)を引いたものです。介護は長期にわたって続きます。介護されている親本人はもとより、介護をしている家族も疲れが出てきて、心身の変化が見られます。今回は「介護をしている人」への声のかけ方について考えていきましょう。
主介護者に「大丈夫?」はNGワード
家族の中でも主介護者(リーダー的存在)は、親本人への対応や外部との交渉など、さまざまな選択や決断をしながら介護をしています。肉体的にも精神的にも、かなりの負担となっているはず。そして、主介護者はしっかり者と言われている人が多く、周りの人に迷惑をかけないようにと頑張り過ぎてしまいがちです。「自分がなんとかしなければ!」と、全てを抱え込み、本人も気付かぬうちに肩に力が入って疲労困憊こんぱい していることも。
家族や友人のそんな様子を見かねて「大丈夫?」、「無理してない?」と声をかけたところで、「私は大丈夫!」と答えるしかなく、かえって追い込む結果に。弱音が吐けなくなって、ますます負担が増えていく無限ループに陥ってしまいます。
周囲の人は聞き役になり、気分転換を促す
主介護者は頑張り屋さん。周囲の人に心配をかけないよう、自分だけで重荷を引き受けます。そうした人への声かけで求められるのは「共感」です。 「介護ってキツイよね」、「高齢の親は頑固だもんね」、「本当に疲れるね」などと、まずは主介護者が気持ちを吐き出せる環境を整えましょう。自分の話を聞いてもらえる、自分のことをわかってくれている、そう思えるだけで、精神的に楽になるもの。初めは、ただ話を聞いてあげるだけで良いのです。
聞き役に徹することで、親本人や主介護者の現状も把握できるでしょう。それを踏まえて外部のサービスや相談先などを伝え、介護の負担を減らせるように提案していきます。
もちろん、サービスを使ったとして、家族にしかできないことはたくさんあります。常に頭の中が親の介護のことでいっぱいという状況で大切なのは「息抜き」です。近場の温泉に行く、レストランで食事を楽しむ、そうした非日常を味わうことでリフレッシュできます。
親の介護から離れる時間を作ることはとても大事。地域によっては、介護を受けている親を短期で預かってもらえるショートステイ(短期滞在)を実施している場合も。まずは親が暮らすエリアの地域包括支援センターに、利用できるかどうか問い合わせてみましょう。
介護は長期戦。家族だけでなんとかしようとしても、それは無理な話です。疲れ果ててしまう前に、確かな情報をつかみ、ひとつずつ解決していくしかありません。それには、プロの力を借りるのが早道。
不安な時には思い出してください。私たちプロフェッショナル集団はバックヤードからいつも応援しています。

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■一般社団法人Hearth(ハース)代表理事。国際介護アナリスト。ベネッセスタイルケアにて高齢者住宅の立ち上げや広告宣伝等に携わった後、41歳で退社し、夫婦で7カ月かけて世界各国の高齢者施設200カ所以上を訪問。これまでに取材した高齢者やその家族は2,000人を超える。「介護を通じて日本と世界を幸せに」をモットーに活動中。 サロンドハース salon_de_hearth