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第13回 事実を見えなくする親子の心理とは〜日本の親は大丈夫? アメリカからの遠隔介護

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事実を見えなくする親子の心理とは

介護業界で「介護は突然やって来る」という言葉をよく耳にします。ですが、それは間違い! 介護は親が高齢になれば経験することで、誰もが通る道。高齢者は皆、心身が衰え、日々の生活に手助けが必要になるのです。では、なぜ「介護は突然やって来る」のでしょう。今回は、その心理や家族の役割などについて考えていきたいと思います。

「子どもの成長」と「老いていく親」への感情の違い

子どもが七五三、幼稚園、小学校と成長していくのを見るのは、家族にとって喜ばしいことです。次は何を準備すれば良いのか、困ったときには子育ての経験者である親戚やママ友にも相談しやすいもの。それに比べて、親が老いていく姿を目の当たりにするのは切なく、認めたくないことでもあります。

お正月までの休暇中、日本に帰省したという方も多いことでしょう。しかし、短期間の帰省では、「親の老い」になかなか気付きません。なぜなら、それはハレの日であり「子どもたちが帰ってくる!」と親も張り切っているから。普段の生活の様子が見えづらいのです。

さらに、子どもは親の老いを認めたくない、親は子どもに心配をかけたくないと、親も子もお互いを思い合うので、現実から目を背けがち。「あれ? なんかちょっとヘン」という小さなサインを見逃してしまうケースが多く見られます。そして、事が起こってからあわてて対応するので、「介護は突然やって来る」と感じるわけです。

親の介護で次に起こることは予測できる

日本で介護が必要になると、心身の状態によって、介護保険の要介護認定で「要支援1→要支援2→要介護1~5」と区分されます。要介護の数字が高ければ高いほど、重い状態だということがわかります。その区分によって、介護保険の申請、介護サービスの手配、施設探し、延命治療の有無など、介護者(介護をする人)が行うことも変わってきます。

こうした介護にまつわる知識を得て、これから何が起こるのか、予測して備えておきましょう。事前にわかっていれば早めに対応できるので、選択肢が増えます。家族にとって、最善の方法を選ぶことも可能です。そして、この時に大事な家族の役割があります。それは「親のことを知り、親の意思を尊重する」ことです。

その時々に家族にしかできない役割がある

子どもは意外と親のことを知らないもの。預金通帳や保険証の保管場所、親の経済状態、介護が必要になったらどのような介護サービスを望むのか、親が好きな色や音楽、子どもの頃から大切にしているものなど、一度、親とじっくり話してみると良いでしょう。今後、親の介護を考えるとき、それが選択の判断基準となります。

それぞれの家族には事情があり、意思があります。当然、親も意思を持ちます。親と子どもは別人格で別の人生を歩んでいると認識することは、家族間のいざこざを防ぐために欠かせません。

コミュニケーションを円滑にして良好な関係を築き、家族も親もお互いに納得できる選択をしていきたいですね。

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■一般社団法人Hearth(ハース)代表理事。国際介護アナリスト。ベネッセスタイルケアにて高齢者住宅の立ち上げや広告宣伝等に携わった後、41歳で退社し、夫婦で7カ月かけて世界各国の高齢者施設200カ所以上を訪問。これまでに取材した高齢者やその家族は2,000人を超える。「介護を通じて日本と世界を幸せに」をモットーに活動中。 サロンドハース salon_de_hearth