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第8回 日本の親元に帰省中、やっておきたいことは?〜日本の親は大丈夫? アメリカからの遠隔介護

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日本の親元に帰省中、やっておきたいことは?

コロナ禍の規制もなくなり、夏休みに日本へ一時帰国する人が増えています。日本にいる高齢の親に会うのは久しぶりという人も多いでしょう。高齢になると心身が衰え、日々の暮らしの中でけがや事故も起こりやすいもの。親がこの先、安全、安心な生活を続けていくためにも、早めに生活環境を整えることが大切です。今回は、日本に帰省するならこれだけはやっておきたい、という要点をまとめてみました。
親の身体の状態、認知症状、暮らしぶりを把握する
久々の帰省となれば、親はなかなか普段の様子を見せないものです。それは親子の心理が働くから。親は子どもに会えるうれしさや心配をかけたくないという思いから、自分の老いや衰えを見せようとしません。また、子ども側は若い頃の元気な親の姿が脳裏に刻まれていて、親の老いた姿を認めたくないという気持ちが根底にあります。
まずは、こういう心理になるものと覚えておいてください。そのうえで、親の現状、特に細かい部分をチェックしておきましょう。たとえば、段差が見えづらくなり下りの階段をゆっくり歩いている、電球の取り換えなど高所での作業ができない、冷蔵庫の中に同じ食材がたくさん入っている、書類が整理されずに山積み状態、など。今までできていたことが、少しずつできなくなっているはずです。これらは身体能力の低下や認知症の初期症状を見極めるための大切なポイントです。
一時帰国で老人ホームを見学したAさん
アメリカ在住のAさんの母親は東京でひとり暮らし。今はまだ元気だけれど、転倒骨折など、急に介護が必要になることはよくあります。ただ、アメリカに住んでいるAさんは何か起こっても急には対応できないため、一時帰国中、母親のために将来検討すべく、日本の老人ホーム数カ所を見学することにしました。
日本の老人ホーム(高齢者向け施設・住宅)は日本全国に4万以上あり、しかも多種多様です。一時帰国前、Aさんの希望を元にこちらでリストアップした候補から3カ所を選んでもらい、見学に訪れました。
入居者やスタッフの様子、料金体制、入居するまでのステップなどを確認し、食事を試食するなどして比較。Aさんは、実際に自分の目で見て確かめたことで母親に合う老人ホームを選べたと、安心してアメリカに戻っていきました。「まだ早い?」と思っている今こそ、そのタイミングかもしれません。先を見越して老人ホームを見学しておくことをおすすめします。
「介護がある暮らし」について、親の希望を聞く
親と子どもは気持ちが通じ合っている? 現実はなかなか、そうはいきませんよね。親のことを子どもは意外と知らないものです。親が子どもの頃はどんな遊びをしていたのか、好きな色、好きな音楽など、この機会にぜひゆっくりと話してみてください。そして将来、介護が必要になったら、どこで、どういうサービスを受けたいのか、他界後はどうして欲しいのか、親本人の希望を聞きましょう。
話を切り出すには少し勇気がいるかもしれません。けれども、これから起こる親の介護について今から準備しておくことで、家族の精神的負担が少なくなります。また、それぞれの家族には事情があるので、誰が何をするのかを事前に決めておくことでもめごとを防ぎ、いざというときのコミュニケーションがスムーズに進みます。ぜひ、家族で話し合ってみてください。

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■一般社団法人Hearth(ハース)代表理事。国際介護アナリスト。ベネッセスタイルケアにて高齢者住宅の立ち上げや広告宣伝等に携わった後、41歳で退社し、夫婦で7カ月かけて世界各国の高齢者施設200カ所以上を訪問。これまでに取材した高齢者やその家族は2,000人を超える。「介護を通じて日本と世界を幸せに」をモットーに活動中。 サロンドハース salon_de_hearth