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継承のタイミング

今回のテーマ

令和を迎え、お世継ぎ問題を考える

若い人は新しい発想を持つ。人生が長くなれば、地に足が着くようになる。お互いの状況を踏まえるなら、先人は心身共に元気なうちに物事を継承するほうが、何かとスムーズだと思いませんか?

シアトルの皆さん、こんにちは。日本は新しい元号を迎えました。私は伊勢在住の頃、伊勢神宮の朝5時開宮と同時に朝いちばんで厳かな神宮参拝をするということを何度か経験しました。朝5時になると、門番の方が小さな垣根を取り払うのですが、その前から待っているのはせいぜい3人で、多くても5人程度でした。それがなんと、新元号の初日には、その時間、すでに2万人が参拝のために並んでいたと聞きます。この情報には驚きました。

日本人はこんなにも信心深かったのか?伊勢神宮という自分たちのルーツを、こんなに知る人がいたのかと、うれしくも感じました。日本では現在、あちこちで「令和」の2文字を目にします。このにぎやかな雰囲気は、前回に元号が変わった時とは、かなり違う気がしています。それは「平成」になる時、現在の上皇陛下にとって、昭和天皇が崩御されての天皇継承であったからでしょう。しかし、今回の場合は、天皇はご健在で上皇になられました。いわゆる世間一般に置き換えると「引退」をされたわけです。ここにかなりの違いがあると私は思いました。

崩御されると、悲しみがあったり、喪に伏したりで、今回のようなにぎやかさは存在しません。ご退位と新元号に際し、私の頭をよぎったのは、会社経営などでの継承問題です。自分の会社をつくり、売却するという手もありますが、老舗や家元筋など歴史に重きを置く場合、お世継ぎ問題というのが発生します。そこで揉めるのが、継承のタイミング。今回の元号の切り替わりでにぎやかさを肌身で感じた私は、できるだけ元気なうちに継承するというのは、やはり望ましいことなのだなと思いました。

実際、お付き合いのある会社でも、継承のタイミングを外しているように感じるところは多々あります。心身共に健在であるうちに継承を済ませるほうが、何事もスムーズに行くのでは? 日頃から「実社会の中にメッセージがある」とお伝えしている者としては、 国の象徴である皇室で起きた今回の出来事もまた、われわれ日本人に向けられたメッセージだと思います。

日本には「老いては子に従え」という言葉があります。老いると人は孤独を味わい、心は幼くなる。孤独に抗い、自分の価値や評価を求めるようになり、支配にもつながりかねない。これは社会でも家庭でも、同じように起こる現象です。私も、もう中年を過ぎてしまいましたので、老いては子に従いながら、人生経験をもって、よきアドバイザーや心の支えになれるように努めています。

なるべく若者には、成長を妨げるようなアドバイスは控えるよう常々心しておりますが、今回のことで再確認できました。そして、「そろそろ、子どもを信用してやったらどうです?」なんて言葉をかけたい方もいるな〜と、心でつぶやいたりしています(笑)。

 

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通称みやこ。1967年生まれ。三重県出身、九鬼水軍の子孫。『13の性格』著者。オリジナルの人間学「13導」を用いて、「みんな違ってみんないい」をモットーに資質、才能を伝える。現在は名古屋にオフィスを構え、自称「御用聞き」としてお悩み解決に国内外を飛び回り、若いスポーツ選手や経営者をもチャンスへと導く。最近では、良き日本文化を海外へ広める社会貢献としての活動も行う。自身のお役割は8番の「交流」。リモートによる社員研修や個人セッションをインスタグラム(@miwa_micco)で受け付ける。