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続、地球に優しいは体と心にも優しい。草木染めを知る〜ゆる〜くSDGsな消費者生活

SDGsとは「持続可能な開発目標」。環境対策や貧困撲滅、ジェンダー平等などなど、大きな目標はたくさんあるけれど、私にもできることって? サステナブルで豊かなおうち時間を目指すべく「地球に、人に、そして自分に優しく」をテーマに、今気になるモノやコトを紹介!

大阪府和泉市で植物による「Re:染め」のサービスを提供する山里歩美さん、章悟さん。古びた衣類を染め直し、新たな品として生まれ変わらせる取り組みは、和泉市の「いずみ印」に認定されている。もともとも専業主婦とサラリーマンだったという山里さん夫妻が、草木染めユニットWUYとして事業を興すに至った経緯とは?

心地良い生活を描いていたら、今に至ったという歩美さん。「ストレスコントロールが自由にできる世の中になったら良いなって」

大学では幼児教育を学んでいた歩美さん。南大阪のニュータウンで子育てをするなか、子どもと緑地公園を散歩し、拾った木の実で工作をしたり、摘んだ草花で色遊びをしたりが日常だった。スマホやSNSが広まる前のこと。図書館で借りた染色の本を読み込み知識を深めたという。今でこそ伝統工芸のように思われがちな草木染めだが、実は古来から優れた知恵として人々の生活に溶け込んでいたものだ。「たとえば藍って、薬草にもなるし、防虫効果もあって万能の植物。私も敷居が高いように感じていたんですが、やってみるとプランターでも育てられる。『私でもできるやん』って思ったんです」。知れば知るほど魅せられていった。知人から依頼され、放課後デイサービスで草木染めを紹介したことをきっかけに、ワークショップを行うように。それが話題を呼び、染め直しのサービスを始めた。

廃棄植物と廃棄衣類を組み合わせて。捨てられる服を少しでも救い、ずっと使っていく、そんな形を提案したい

「やりたいことを、やりたい時にやりたいだけ」。それをみんなができているようにというブランド理念を語るのは章悟さん。「10代の頃は世の中のことなんて全然考えていなかった」と言う。しかし、結婚・出産を機に自分軸の生き方から社会へと意識が向くようになった。「子どもが生きる時代が、息苦しい環境になっていたら嫌だな」。そんな思いが歩美さんの草木染めとリンクした。伝えたいのは、伝統工芸の染めではなく、循環する暮らしのあり方であり社会モデルだ。「台所で誰でも簡単にできる」草木染め技術を発信したいという思いは、収益を得るためのビジネスと相反してしまう難しさも感じている。

大量生産・大量消費の世の中で、一枚一枚時間と手間をかけて染める「Re:染め」は一見時代と逆行しているようにもみえる。しかし、SDGsへの関心の高まりとともに依頼は増え続けているそう。地元生産者との藍の生産プロジェクトや、植物染料といった素材を販売するなど事業も拡大しつつある。「これからは、植物のトレードという形で海外ともつながっていきたいと思っています。その土地ならではの植物があり、それぞれの地域の染めの技術や色があるんです」。WUYの提案する豊かな暮らしが、シアトルで実現する日も近いかも!?

▪️WUY
https://wuy7.comhttps://wuy.stores.jp

染め師の山里歩美さん、章悟さん夫妻による、草木染め染色ユニット。「Re:染め」と呼ぶ衣類の染め直しは、大阪府和泉市が認定する特産・技術ブランド、「いずみ印」に認定されているアップサイクルな取り組み。通常の草木染めとは一線を画す鮮やかで力強い色彩が特徴。ワークショップや自宅でできる染色キットの販売を通して、気軽にチャレンジできるものとして草木染めを広めている。

▪️いずみ印
大阪府和泉市独自のブランド。和泉市商工会議所が地域の優れた素材や技術などを生かした特産品やサービスを認定し、同市の魅力発信と価値の向上を目指すプロジェクト。WUYの「Re:染め」のほか、地元金属加工会社による廃材を利用した家具や、和泉産の食品を使ったグルメなど認定内容は多岐にわたる。水仙と勾玉まがたまをモチーフにしたロゴが目印。

▪️「【注目研究】ジャパンブルー「藍」が新型コロナウイルスを不活化? 藍が秘める本当の魅力に迫る」
https://macrobiotic-daisuki.jp/indigo-dye-264884.html#index_id13

近年再注目されている藍染の歴史や背景、藍が持つ特性について、オーガニックな生活を提案するという視点から分かりやすく解説している。記事内では、2021年に奈良県立医科大学と株式会社寿スピリッツが行った、藍由来成分に関する研究にも触れられており、特定の条件下で新型コロナウィルスの不活性化が確認されたことが紹介されている。インフルエンザにも効果があるらしい。藍染には抗菌性や消臭性があるとされ、頻繁に洗わなくてもよいと言うのだから、インディゴ染めのジーンズを洗わずに育てるのは理にかなっているのだと納

加藤 瞳
東京都出身。早稲田大学第一文学部卒。ニューヨーク市立大学シネマ&メディア・スタディーズ修士。2011年、元バリスタの経歴が縁でシアトルへ。北米報知社編集部員を経て、現在はフリーランスライターとして活動中。シアトルからフェリー圏内に在住。特技は編み物と社交ダンス。服と写真、コーヒー、本が好き。