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シアトルの日系団体紹介 ー シアトルと日本を繋ぐ非営利団体

シアトルの日本人コミュニティー

さまざまな日本人のグループやサークル、日系団体が集まるシアトルでは、日本人/日系人コミュニティーの中で、異国にいながらも日本を身近に感じることができます。同じルーツを持つ者同士、新しい出会いや体験を一緒に楽しんでみませんか?

※2019年6月1日現在の情報を記載。内容は変更される場合があります。

取材・文:磯野 愛、室橋美佐、小川祐理子、加藤 瞳、田中美和、ハントシンガー典子 写真提供:各団体/グループ

日系団体 日本とシアトルをつないで

シアトル日本商工会(春秋会)

シアトル最大の日系企業コミュニティーであるシアトル日本商工会(以下春秋会)は1960年に設立され、来年60周年を迎える。前身となる「木曜会」が発足した1922年から数えると、その歴史はおよそ100年にも及ぶ。現在の会員企業数は約135社、個人会員を入れると総勢360名もの大所帯だ。

名誉顧問の黒沢さん右と新事務局長の鶴田さんベルビューのオフィスにて

春秋会のミッションには大きく3つの柱がある。第一には、子女教育の充実。毎週土曜日、ベルビューにあるサマミッシュ高校を借用して開校されるシアトル日本語補習学校は、この春秋会が運営母体となっている。第二に地域社会との交流。サマー・ソーシャル開催のほか、桜祭りなどの日本文化の祭典、あるいは各種地域イベントにも積極的に参画、協賛している。第三に会員相互の親睦を深めること。

専門家による経済、ITを含むビジネス関連、あるいは安全・医療セミナーといった勉強会、そして新年会、マリナーズ観戦といったイベントなども開催している。3本柱それぞれに、教育部会、交流部会、経済文化部会があり、毎年選任される約30名の部会理事メンバーが中心となって活動を牽引している。

8年にわたって事務局長を務めた黒澤良春さんが今年4月に名誉顧問となり、新事務局長に鶴田朝美さんが就任した。黒澤さんは「春秋会はビジネス・アソシエーション。文化面のみならず、ビジネス面でも地元コミュニティーとつながり、日本企業をアピールできるよう尽力してきました。今後も何か目に見える形で、日本企業による地域への経済貢献を後押ししていきたい。また、日本への理解をいっそう深めてもらうよう引き続き努力していく」と語る。

そして鶴田さんは、「先代事務局長にならい、地域との円滑なコミュニケーションを心がけると共に、会員の皆さんが楽しめるように努めます」と、意気込みを話す。「会員企業は数年ごとに入れ替わります。これまで日系コミュニティー、そして地域の皆さんに日系企業が支えられてきた歴史を伝えていくことも事務局としての大切な役割。日本を代表する企業が集まる商工会を支える事務方として、会長や常任委員をしっかり支えていけるように頑張ります」

企業ほか、個人での入会も大歓迎とのこと。入会に興味があれば、事務局までぜひ問い合わせを。

参加条件:企業(入会審査のうえ、個人会員も受け付ける)
会費:会員種別による
問い合わせ: shunju@jbaseattle.org

知っておきたい、
シアトル日系コミュニティー史

シアトルの日系コミュニティーの歴史はとても古く、シアトルが林業の町として栄え始めた1880年代までさかのぼる。日本人パイオニア第1号とされるのは、愛媛県出身の西井久八(ひさはち)氏。1881年にシアトルへ上陸し、周辺地での短期労働を経て1883年からシアトルに居住。1887年にはパイオニアスクエアに洋食店を開業し、シアトル日系コミュニティーの礎を築いた。

1896年に日本郵船による横浜―シアトル間の運航が始まると、日本人の人口は急増。1920年代には8,500人以上の日系人が現在のインターナショナルディストリクトにあった日本町で暮らし、シアトルのマイノリティー人口としては最多グループに。周辺のベルビューやベインブリッジ・アイランドでも多くの日系人が農業で成功を収め、日米開戦前にはパイクプレース・マーケットで農作物を販売する農家の約3分の2が日系移民だったとされる。

日米開戦で日系人は強制収容所での生活を余儀なくされ、戦後は各地に分散。しかし、シアトルへ戻った人々の手で日系コミュニティーは少しずつ再生され、現在の私たちの生活に大きくつながっている。

ワシントン州日本文化会館

ワシントン州日本文化会館(以下JCCCW)は日系文化継承を目的に、集会スペースとして2003年に創立された。その建物は、もともと1902年創立のシアトル国語学校校舎で、最盛期の1930年代には1,300人以上の日系2世が学んだという。戦後、1950年代後半までは、強制収容から帰還した日系人約30世帯の臨時宿泊所にもなった。

日本語サマーキャンプの様子現在はさまざまなバックグラウンドの子どもたちが日本語を学ぶ

「校舎はシアトル国語学校時代にも、庭師協会などの商業団体や県人会が集会場所として使っていたと聞きます。100年以上経つ現在も全く同じように機能しています」と話すのは、カレン・ヨシトミ事務局長。JCCCWでは日本語学校や日本の物品再販ショップを運営するほか、こどもの日、文化の日といった季節のイベントも開催。武道館道場を始めとするテナントも入る。平日午前10時から午後5時まで、ノースウェスト日系博物館として一般開放され、事前に連絡すれば無料ツアーも可。JCCCWメンバーになると、年2回発行のニュースレターや日系文庫の日本語書籍貸し出しの利用、プログラム割引などの特典が受けられる。

 

参加条件:なし
会費:会員種別による年間$35(学生・家族・シニア割引あり)
問い合わせ: admin@jcccw.org

 


その他の日系団体

ワシントン州日米協会

1923年創立。ワシントン州におけるビジネス・教育・文化の多岐にわたる方面で日米友好を推進してきた。勉強会や交流イベントを定期的に開催する。現地校に赴き、日本文化を紹介するプログラムも展開。
問い合わせ:☎︎206-374-0180
詳細:https://jassw.org

シアトル日系人会

戦前にいくつかあった日系団体を受け継いで1949年に創立。シアトル初の日本貿易博覧会の開催、日本への救済援助活動、日本語学校再開などシアトル日系コミュニティーの再生を担った。

問い合わせ・詳細:ワシントン州日本文化会館

(情報更新*2020年にシアトル日系人会は、ワシントン州日本文化会館と併合されました)

全米日系市民協会シアトル支部

1929年に日系2世によって創立された日系アメリカ市民団体。外国人土地法の撤廃や、日系人強制収容への謝罪と補償を求める運動などを行い、現在は広くアジア系市民の権利保護のために活動。

問い合わせ:info@seattlejacl.org