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コロナの影響で増えるDV被害者へエールを~みんなの広場

みんなの広場
コロナの影響で増えるDV被害者へエールを

このコロナ禍で日本やアメリカだけでなく全世界でDV(家庭内暴力)が増加している。昨年6月、困難を乗り越えた被害者たちが今なお苦しむ人にエールを送るオンライン・イベント「Call for Courage」が開催された。

イベントではDVや性暴力などの被害に遭ったサバイバーたちが、音楽や絵本、メッセージを通して実体験を共有。また、被害者を支援する組織で働いている職員らの声も伝えられた。中には俳優やアーティストの姿も。同じ被害者だからこそ今苦しんでいる人に歩み寄れると、それぞれの状況に応じた解決策・希望の兆しを見つけて欲しいという願いを込めて多くの賛同者が声を上げた。

実際、人によって状況が異なるため、解決策は1つではない。国籍も、立場や年齢も違う、さまざまな人たちが自分なりのやり方でトラウマを克服した姿は力強く、きれい事ではない真っすぐな思いが伝わる。また、トランスジェンダーや人種差別、警察の暴力などにも焦点を置き、昨今の社会問題について彼らなりの意見を発信している。イベントの模様はYouTube配信されており、公式サイトからアクセスできる(www.futureswithoutviolence.org/call-for-courage)。終わりの見えないパンデミック下で、ふさぎ込んだり、やる気が出なかったりすることはないだろうか。そんな人も元気やパワーをもらえるイベントなので、ぜひチェックしてみて欲しい。

私が特に注目したのは、体験をシェアしたゲストのひとり、作家のシャネル・ミラーさんだ。2015年に起きたスタンフォード大学生暴行事件の被害者である。意識がない状態で性的暴行を加えられ、ゴミ置き場に放置された。悲惨な事件であったにもかかわらず、裁判官の偏見により、量刑は3年の保護観察付き禁錮6カ月というあまりにも軽過ぎるものだった。ミラーさんが裁判所で読み上げたメッセージがBuzzFeedを通して世間に広まり、裁判のやり直しが叫ばれたが、求刑は変わらなかった。ただ、ミラーさんのメッセージは政界にも影響を与え、カリフォルニア州の性暴力に関する法律が強化された。ミラーさんは実名を公表し、『Know My Name』を出版。著書を通して、多くの被害者にエールを送っている。

ミラーさんはアジア系アメリカ人だ。被害者が白人女性なら、判決は変わっていただろうという声がある。この事件は自分に無関係とは思えなかった。日本人女性も同じ状況になる可能性があるからこそ、彼女の勇気に感銘を受けた。イベントでの力強いメッセージは、背景を知っているからこそグッとくるものがある。(S.N/日本)


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