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チップについて思うこと &アメリカの大麻事情〜みんなの広場

チップについて思うこと

​​チップは、レストランなどでサービスへの感謝の気持ちを伝えるオプショナルなもの。しかし、最近は半強制的になりつつあると感じる。払う側ならチップにあまり乗り気でない人もいるだろう。私もそんなひとりであったが、レストランでサーバーとして働き始め、もらう側の立場にもなった。いくつか印象に残ったエピソードを紹介したい。

●チップの金額はチェックしている?​
「どうせサーバーはいくらチップを払ったかなんて確認しないだろう」と思うかもしれない。もちろん店にもよるが、シフト後の会計精算時にチップ額は自然とわかってしまうものだ。大半は10〜25%の範囲に収まり、あまり印象は残らないが、いつも20%以上をくれる常連さんには自然と好印象を抱く。だからと言って「普段チップが少ないからサービスは適当に」なんてことはない。ただ、過去に1度だけ会計100%のチップをもらった時のことはよく覚えている。

男女ふたり組で50ドルほど食べた客だった。女性からチップを50ドル、つまり合計100ドルと書いた領収書を手渡しされ、ふと金額が目に入った。「チップの額を間違えていないですか?」と思わずその場で確認すると、その女性は笑顔で「あなたのサービスが良かったからよ」と言って帰っていった。その時間帯をひとりで回していたこともあり、心がほっこりした。

●チップがゼロのクレーマー
ある夜、レストランが忙しい時間帯に4人で来店した家族がいた。あまり待たせずにドリンクを聞いて注文も取った。しかし、キッチンはフル稼働だったため、メインディッシュをひとりずつ出すという形になってしまった。温かいものはなるべく早めにと思い、全員分そろうのを待たずにサーブすると、1人目と4人目で10分ほどの時差ができた。サーバーを1年してきて、このようなケースは毎日のようにあるが、面と向かって文句を言う人は見かけない。だが、このテーブルの客は違った。

最後のメインディッシュを届けると「こんなに時間がずれるのはあり得ない」と言われたので、素直に謝った。こちらにも申し訳ない気持ちがあった。ただ食事の途中で呼ばれ、「おいしくない」、「スープが出された時間にも納得がいかない」などとまくし立てられ理不尽に思ってしまった。サーバーであっても、キッチンに対するクレームに対応しなければならない。ただ、自分ではどうすることもできないのに責められ続けては悲しくなるばかりだ。チップはゼロ。このクレームのせいで翌日まで気分が沈んでいた。

個人的には、もらう側を経験してみた現在でもチップ制度は必要ないと思っている。店側がしっかりと従業員に給料を払えば解決する問題であり、このシステムでは良い人だけが損をしてしまう。実際、こちらのサービスが良くても悪くても、寛大なお客さんは常にチップを多く払うものだ。良識のある人間としてチップを払うことをマナーだと考えているからだ。逆にクレーマーは基本的にチップをほとんど払わず、サービス側には負担をかける。もらう側としては、文句を言わない人のチップ額はあまり気にならないが、逆にクレーマーに対応するには労力を使うため、サービス料としてよりチップが欲しい。しかし、現実は真逆だ。何か納得がいかない。

(JJ/ボセル)

アメリカの大麻事情

ワシントン州では嗜好品としての大麻所持、使用が合法化されており、ディスペンサリー(大麻ショップ)が至るところにある。一方、日本では違法であり重く罰せられる。警視庁の調べによると、2021年の大麻関連での摘発者は年間5,000人を超え、芸能人の大麻関連の事件も後を絶たない。両国の違いは何なのだろうか。

まずアメリカでは、コロナ禍での外出自粛で生活必需品以外のビジネスが休業せざるを得ない中、ディスペンサリーは営業していたという事実がある。ほとんどのショッピングモールや映画館、ネイルサロンなどが営業休止となったにもかかわらずだ。つまり、アメリカで大麻は「人間が生きていくうえで必要不可欠」と見なされていることがわかる。

知り合いに、日常的に大麻を使用するアメリカ人女性がいる。彼女は、ストレスがたまるとお酒に逃げてしまう癖があったが、そのせいで身体を壊したため大麻に切り替えたそう。大麻を取り入れてからはお酒がほとんど必要なくなり、ストレスの緩和にも大きくつながったと言う。彼女が持っていたのは「ベープペン(大麻リキッド)」という大麻の成分を気化させて吸うもので、大麻特有の匂いが少なく手軽なため長く愛用しているらしい。アメリカでは、ただ楽しむという目的だけでなく、実際に大麻によって救われる人がいることから必要不可欠という認識もあるのだと思う。

日本では「違法ドラッグ」扱いをされている大麻でも、国が違うと「薬」として使われることがある。だが、日本人の大麻使用は違法。外務省のホームページにも【大麻(マリファナ)が合法の国であっても、日本で罪に問われることがあります】とはっきり記載されている。この現状を踏まえ、大麻への価値観についてもう一度考えてみたいところだ。

(中台涼葉/シアトル)


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