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サッカー W 杯の概要と魅力

各国と地域の代表チームがナンバーワンを目指し、熱い戦いを繰り広げるW杯。11月20日(日)サッカー W 杯の概要と魅力から12 月 18 日 ( 日 ) まで開催されるカタール大会に備え、基本知識を頭に入れておきましょう。

普段、プロサッカー選手はクラブチームに所属し、強豪ぞろいのヨーロッパ各国を始め、さまざまなプロリーグでしのぎを削る。そうした一流の選手が、それぞれ国と地域の代表として戦うのがW杯だ。代表チームは練習機会が限られるため、戦術や連携など、クラブチームに比べるとレベルが落ちると言われるものの、国や地域を背負ってプレーする選手のモチベーションは高く、W杯が盛り上がる大きな理由となっている。

予選は1年以上も前から各大陸で行われ、この長丁場を制した32の国と地域の代表チームが本選に挑む。各代表チームはまず4チームずつ、8つのグループに分けられ、グループごとに総当たりで各3試合をこなす。そして各グループ上位2チーム、計16チームが決勝トーナメントに進出し、負けたら終わりの一発勝負の対戦を勝ち抜いていく。

ここまでトップクラスのプロが世界中から集まる大会が面白くないわけがない。クラブレベルの大会は毎年あるが、4年に1度のW杯では、今回が最初で最後の出場という選手も当然出てくる。夢の大舞台に立つ選手の気合いは相当なもの。また、それに呼応するかのように、各国と地域のサッカーファンが一丸となって代表チームの勝利、優勝に向けて声援を飛ばすのだ。にわかファンでも十分、雰囲気を楽しめるだろう。


▶︎グループごとの展望

本大会のグループ分けは以下の通り。各代表チームの特色、見逃せない対戦カードは?


Group A オランダは若さにあふれ、セネガルの主力は全盛期

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<span style=font size 12pt><strong>カタール<strong><span>
<strong><span style=font size 12pt>エクアドル<span><strong>
<span style=font size 12pt><strong>セネガル<strong><span>
<span style=font size 12pt><strong>オランダ<strong><span>

このグループで注目すべきはオランダだ。過去 3 度決勝に進出し、2010 年大会準優勝、2014 年大会 3 位と実績を積んできた。前大会では予選敗退の苦渋を味わい、2 大会ぶりの本選出場となる。今回はメンバーも一新。スペインの名門、バルセロナに所属する25 歳のフレンキー・デヨング選手や、ドイツ王者のバイエルン・ミュンヘン所属の23 歳、マテウス・デ・リフト選手ら、主力を担う若手がどこまで貢献できるかが、オランダ躍進のカギを握りそう。

アフリカ予選を勝ち抜いたセネガルも、前大会ではグループリーグ突破を逃したが、今回はさらに強力なメンバーがそろう。前述のバイエルン所属の新エース、サディオ・マネ選手や、イングランドの巨頭、チェルシーで正ゴールキーパーとして活躍するエデュワード・メンディ選手は今まさに脂が乗っている。ヨーロッパのトップクラブでキャリアの全盛期にプレーする中堅が、どこまでチームを牽引できるか見届けたい。

また、エクアドル代表には、シアトル・サウンダース所属のディフェンダー、ハビエ・アレアガ選手が選ばれる可能性あり

Group B イングランドの面目躍如なるか、アメリカの勝利に期待

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<span style=font size 12pt><strong>イングランド<strong><span>
<span style=font size 12pt><strong>イラン<strong><span>
<strong><span style=font size 12pt>アメリカ<span><strong>
<span style=font size 12pt><strong>ウェールズ<strong><span>

Bグループで実力が抜きん出ているのは、サッカー誕生の地であるイングランド。前大会 4 位、昨年行われた欧州大会ではイタリアに次ぐ準優勝と、近年は国際舞台で結果を残しているが、W 杯優勝は 1966 年大会のみだ。前大会で得点王に輝いたトッテナム所属の点取り屋、ハリー・ケイン選手や、中盤を支配するチェルシーの司令塔、メイソン・マウント選手など、世界トップと言われるイングランド・プレミアリーグのタレントぞろいの今回は、悲願の2 度目の優勝も視野に入る。

アメリカは前大会で本選出場を逃しているが、今大会のダークホースと言えるかもしれない。チェルシー所属の24歳、クリスティアン・プリシッチ選手や、イタリアのユヴェントス所属の 24 歳、ウェストン・マッケニー選手など、オランダ同様に若手の奮闘が目立つ。サウンダース所属のジョーダン・モリス選手も出場が見込まれる。次大会の開催地のひとつでもあるアメリカ。今大会でどこまで進むことができるか、目が離せない。

Group C 安定感抜群のアルゼンチン、メキシコはジンクス突破なるか

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<span style=font size 12pt><strong>アルゼンチン<strong><span>
<span style=font size 12pt><strong>サウジアラビア<strong><span>
<strong><span style=font size 12pt>メキシコ<span><strong>
<strong><span style=font size 12pt>ポーランド<span><strong>

アルゼンチンは8月時点では国際大会でここ33 試合負けなしと、参加国の中で最長の無敗記録を誇る。チームを引っ張るのはサッカー界のアイコン、リオネル・メッシ選手だ。現在はフランス王者、パリ・サンジェルマンに所属し、ボールを操る異次元の超絶技巧は今も健在。ほかにも前線、中盤と選手層が厚く、優勝候補の一角に入る。前回はベスト16で惜しくも優勝国のフランスに3 対 4で負けてしまったが、リベンジに期待だ。

面白い存在と言えばメキシコだろう。前大会まで7 大会連続でグループリーグを勝ち抜け、決勝トーナメントに進んでいるものの、全て初戦で敗退している。今回こそジンクスを破ってベスト8 以上を目指したい。メキシコ代表はロサンゼルスでキャプテンを務めるカルロス・ベラ選手など、アメリカでプレーする選手が多いのも特徴だ。

Group D フランス連覇に死角、隠れた実力が光るデンマーク

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<span style=font size 12pt><strong>フランス<strong><span>
<span style=font size 12pt><strong>オーストラリア<strong><span>
<span style=font size 12pt><strong>デンマーク<strong><span>
<span style=font size 12pt><strong>チュニジア<strong><span>

前大会優勝国のフランスはどのポジションにも一流選手を配し、穴がない。しかし、弱みがないわけではない。昨年の欧州大会ではベスト16でスイスを相手に試合残り15分で追い付かれ、PK戦でまさかの敗退を喫した。最後のPKキッカーで決め切れず敗因となったのは、現代表のエース、パリ・サンジェルマン所属のキリアン・エムバペ選手。同様にコロッと負けてしまうのか、失敗を教訓にできるのか、王者の振る舞いを見守りたい。

優勝候補としてあまり名を挙げられないものの、確かな実力で虎視眈々とアップセットを狙っているのがデンマーク。昨年の欧州大会では準決勝に進み、W杯予選では9勝1敗、30得点3失点という圧巻の戦績で本選進出を決めた。トッテナム所属のピエール・エミール・ホイビエ選手や、イタリアのACミラン所属のシモン・ケアー選手が、闘志あふれるプレーで観客を魅了。うまくかみ合えば、もしかするかもしれないポテンシャルを秘める。

Group E 日本は切り込めるか?スペイン、ドイツの世代交代はいかに

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<span style=font size 12pt><strong>スペイン<strong><span>
<span style=font size 12pt><strong>コスタリカ<strong><span>
<span style=font size 12pt><strong>ドイツ<strong><span>
<span style=font size 12pt><strong>日本<strong><span>

上位2チームのみが決勝トーナメントに進出できる中、日本が対戦するのはスペイン、ドイツというサッカー大国。早くも難題が立ちふさがる。スペインは3大会前に、ドイツは2大会前に優勝を経験しているが、日本も恐れ過ぎる必要はないかもしれない。前大会ではスペインがベスト16 敗退、ドイツがグループリーグ最下位と、両国とも結果は残せなかった。世代交代に苦戦中のここ数年は、格下に金星を提供するなど不安定さも見られる。それでも自国に名門チームを抱え、スター選手たちがチームの核となる両チームの実力は確かだ。

日本はタレント力では劣る部分はあるが、確実にレベルアップを遂げている。イングランドのアーセナルに所属するディフェンダー、冨安健洋選手や、スペインのレアル・ソシエダ所属の久保建英選手など、ビッグクラブで活躍するメンバーも多い。日本のグループ突破には、初戦でドイツに引き分け以上、そして2 戦目でコスタリカを確実に下すことが必須。スペイン、ドイツ相手に乱打戦に持ち込むのは分が悪いため、いかに守ってワンチャンスをものにできるかが勝負の分かれ目だ。

Group F 攻撃力のベルギー、再び世界を驚かせるかクロアチア

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<span style=font size 12pt><strong>ベルギー<strong><span>
<span style=font size 12pt><strong>カナダ<strong><span>
<span style=font size 12pt><strong>モロッコ<strong><span>
<span style=font size 12pt><strong>クロアチア<strong><span>

前回 3 位のベルギーは、イングランド王者のマンチェスター・シティーに所属するケビン・デ・ブライネ選手が試合を操るキーパーソンに。どの代表チームのディフェンスを相手にしても決定機を演出できるため、「世界一の攻撃的ミッドフィルダー」との呼び声も高い。前大会で、ベルギーが日本を相手に0 対 2と劣勢を強いられながら終盤で3 点を奪い、逆転勝利を収めたのも記憶に新しいことだろう。準決勝ではフランスの塩試合に持ち前の攻撃陣が抑え込まれたが、今回はどんな策でディフェンスをこじ開けてくるのか。

そして、前大会のサプライズ枠だったクロアチア。ベスト4まで行ければ上出来という世間の予想を覆して、見事準優勝に輝いた。レアル・マドリード所属のルカ・モドリッチ選手や、トッテナム所属のイバン・ペリシッチ選手など、4 年前の主力は今大会でも準備万端。優勝国のフランスに大敗したのが響いたか、結果を残した割に今回もあまり優勝候補には挙がってこない。しかし、今大会でも上位進出の可能性は十分にある。

Group G 最有力のブラジル、爆発に期待のセルビアとスイス

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<span style=font size 12pt><strong>ブラジル<strong><span>
<span style=font size 12pt><strong>セルビア<strong><span>
<span style=font size 12pt><strong>スイス<strong><span>
<span style=font size 12pt><strong>カメルーン<strong><span>

今大会優勝の最有力と目されているのが、歴代最多5度の優勝を誇るブラジルだ。南米予選では17戦無敗と、順調に仕上げてきた。タレント力も群を抜くスター集団。パリ・サンジェルマン所属のエース、ネイマール・ジュニア選手を始め、レアル・マドリード所属のフォワード、ヴィニシウス・ジュニア選手、イングランドのリバプール守護神、アリソン・ベッカー選手など挙げれば切りがない。ここ4大会は敗退が続いているため、6度目の優勝へとやる気がみなぎっているはずだ。

セルビアとスイスはどちらもヨーロッパ中堅国と位置付けられるが、調子が良い時の爆発力は侮れない。W杯欧州最終予選では、合計55の国と地域が全10グループ、各5、6チームに分けられ、グループ1位の10チームのみがストレートで本選出場、そして2位チームのうちいくつかはプレーオフに進み、残り3枠を争った。その予選で、セルビアはポルトガルを差し置きグループ1位通過。スイスは欧州大会で昨年王者であるイタリアを抑えて1位通過で本選出場し、その欧州大会ではフランスを破る快進撃も見せた。今大会でも強豪チームを破る好機が訪れるかもしれない。なお、カメルーン代表にはサウンダース所属のサイドバック、ヌウハウ・トロ選手が入る見通しだ。

Group H スーパースターのプレーは必見、韓国の意外性も!?

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<span style=font size 12pt><strong>ポルトガル<strong><span>
<span style=font size 12pt><strong>ガーナ<strong><span>
<span style=font size 12pt><strong>ウルグアイ<strong><span>
<span style=font size 12pt><strong>韓国<strong><span>

優位と言われるのはポルトガル。欧州予選ではグループ首位をセルビアに譲る形となったが、プレーオフで見事に本選出場を決めた。メッシ選手と並び世界的なスター、クリスティアーノ・ロナウド選手がこのチームの主役だ。マンチェスター・シティー所属のベルナルド・シルバ選手やルベン・ディアス選手、マンチェスター・ユナイテッド所属のブルーノ・フェルナンデス選手なども脇を固める。サッカー界で全てを勝ち取ってきたロナウド選手もメッシ選手も、W 杯優勝は未経験。トロフィー獲得に向け躍動するスーパースターたちの軌跡を、リアルタイムで目に焼き付けよう。

韓国は、世界的に知られるトッテナム所属のソン・フンミン選手が代表入りを果たした。チームの時々見せる意外性は見逃せない。前大会ではグループリーグ最終戦で見事にドイツを撃破し、大会最高の下剋上と話題に。今回もポルトガル、ウルグアイの強豪を倒せるのか、日本と同じアジア代表国の熱戦の行方を追っていきたい。