シカゴで生まれ育ち、現在はシアトルで活動する桑山さん
日本とインド、二つの文化をつなぐものとして桑山さんが選んだのは「布」だった。
幼い頃から両親とともに両国を訪れ、伝統文化に触れる機会に恵まれた経験は、彼女にとってかけがえのない記憶として残っている。社会人になってからは以前のように頻繁に旅行ができなくなり、代わりに料理を通して二つの文化を感じるように。両国の味を組み合わせた料理も試みたが、思うような味にはならず断念したこともあった。そんな折に思いついたのが、両国の衣服に用いられる独特で美しいテキスタイル模様を融合させることだった。日本の祖父母から見せてもらった伝統的な着物を手にしたとき、一枚の布の中に家族の物語や歴史が織り込まれていることに気づいた。継承していくことの尊さを改めて実感という。
日本で愛されているスナック菓子と伝統的なテキスタイルを融合した作品
「着物」は日本の衣装、「サリー」はインドの衣装。どちらも長い歴史の中で大切に受け継がれてきたものだ。その二つの伝統を結びつけた布のアート作品は桑山さんにとって理想的な継承の形だった。
アート制作を始めてまだ3年ほどだが、家族や友人をはじめ、作品に触れた人たちからの反響は大きい。なかでも日本のスナック菓子をモチーフにした版画シリーズは懐かしさとユーモアが混ざり合う独自の世界観で、多くの人から愛されている。版画技法を用いて、一つのテーマを少しずつ形にしながら発展させていけることも、彼女がこの手法にひかれる理由のひとつだ。
織物と影絵を掛け合わせ、動物を表現した限定シリーズより
シアトルのアマチュアアーティスト・コミュニティーはいつも温かく、アーティストとして活動するには理想的な環境だという。作品を通してアジアの文化や記憶を思い起こす観客も多く、アートが生む「つながり」こそが桑山さんにとっての創作の原動力となっている。
「日本とインドの美しい芸術の伝統に深く感銘を受けており、出合えたことに心から感謝しています。私の作品を通して、喜びやつながりを感じていただければ幸いです。」と桑山さん。
文化の記憶を布に込めた彼女の作品は、12月4日(木)からギャラリーB612で展示される。繊細な模様に込められたストーリーを、ぜひ会場で感じてみてほしい
☎️206-476-7385、 info@galleryb612.com
https://www.galleryb612.com
桑山幸/Saachi Kuwayama
ウェブサイト https://saachicreates.wordpress.com
instagram: @saachi_creates


















