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スノーバード

ジェームズと私

雨が多く寒いシアトルの冬はよく南方に行ってビタミンDの補給をしていたが、バンクーバーに移ってから新たな冬の過ごし方を発見した。今や我が第一趣味となったピックルボールをしに来る多くのシニアが「スノーバード」、つまり寒さを避ける鳥となって10月末頃から数カ月間アメリカ南西部に渡ってしまうのだ。

私の紹介でピックルボールにすっかりハマったジェームズと「冬は天気の良いところに行ってプレーしたい」と兼ねがね言っていた。すると年末にシアトルの旧友アドリアンヌからメールが届き「カリフォルニア州パーム・デザート近くのサン・シティーに宿を取ったから遊びに来ない?」とのお誘い。屋外ピックルボールも盛んとのこと。「隣に倣え」には抵抗を感じる自分だが、これぞシニアの特権とばかりに早速ジェームズとホテルを予約。1月末に8日間「スノーバード」体験をすることになった。

パームスプリングス空港に着くと、空がまぶしいほど青い。気温は7~18℃と多少寒いが、気持ちのいい快晴が連日続いた。やがて最高気温24℃の理想的な気候となった日にはジェームズと顔を見合わせ、成る程とうなずいた。

空港から東に約14マイルにあるパーム・デザート市は、コーアチェラ・バレーと称して米国西部で冬に最も温かいリゾート地。同バレー全域を通して毎冬10万人のスノーバードがやって来る。200以上のゴルフコースがあるが、最近ではリゾート内外にテニスコートを改造したピックルボールコートがどんどん増え、アクティブシニアの需要トレンドに応じている。

旧友アドリアンヌが選んだ「サンシティー・パームデザート(SCPD)」は55歳以上のみが入居できるゲーティッド・コミュニティで、カリフォルニアやアリゾナにある大手リゾートチェーンの一つ。約9,000人の住民の3分の1がスノーバードだと言う。リゾート内にはクラブハウスやレストラン、カラオケ、ゴルフ場などのスポーツ施設が整い、ハイキングや読書会など趣味のクラブが80以上。アクティブシニア用巨大リタイアメント・ホームだ。

ピックルボール狂の我々は、BC州からきている知り合いのスノーバードを連日訪ねてプレーしたり、コミュニティセンターや公園の公共コートを訪ね回って道場あらしを決行し、あっという間に8日間が過ぎた。来冬は最低2週間、できれば1~2カ月滞在したいものだとジェームズとうなずき合った。

[カナダで再出発]

滋賀県生まれの団塊世代。京都産業大学卒業後日本を脱出。ヨーロッパで半年間過ごした後シアトルに。在シアトル日本国総領事館に現地職員として39年間勤務。政治経済や広報文化などの分野で活躍。ワシントン大学で英語文学士号、シアトル大学でESL教師の資格を取得。2013年10月定年退職。趣味はピックルボールと社交ダンス。