Home 美容・健康 美ボディーをつくるトレーニング 睡眠習慣改善で免疫力アップ...

睡眠習慣改善で免疫力アップ〜美ボディーをつくるトレーニング

シアトル地域レドモンドを拠点に活躍するプライベート・トレーナーの島田耕太さんが、自宅でできるトレーニング法を解説します。

美ボディーをつくるトレーニング

睡眠習慣改善で免疫力アップ

皆さんは毎日、何時間の睡眠を取っていますか? コーヒーやカフェインに頼らずに活動ができますか? 昨今、睡眠不足は世界的に問題となっています。厚生労働省によると、日本人の平均睡眠時間は6時間以上、7時間未満とも。研究上では6時間以下の睡眠習慣は免疫力を低下させ、アルツハイマー認知症、血糖値の上昇、心肺機能低下などにもつながるというデータが出ています。学習能力も、睡眠を8時間取った人と全く取っていない人では40%もの差が開くようです。

睡眠不足は食習慣にも影響してきます。疲れたとき、なぜかいつもより食欲が増しているように感じませんか? 睡眠不足が続くとグレリンという空腹を告げるホルモンが多く分泌され、満腹を告げるレプチンというホルモンを抑制します。そのため、食べても食べても食欲が止まらないという状態に陥ります。また、食事とエクササイズに気を付けていても、睡眠が7時間を切ると脂肪燃焼率は低下し、筋肉量が減少してしまいます。

睡眠が軽視されがちなのはなぜでしょう。睡眠中は無防備となりますし、食事、仕事などの行動が一切できず達成感はとぼしいかもしれません。ほかにやりたいことがある場合、どうしても睡眠が後回しになります。しかし前述のように、睡眠不足による代償は決して小さくないのです。新型コロナウイルス感染拡大で、免疫力の低下がどれだけのリスクにつながるのか、誰もが理解したことでしょう。パンデミックが続く中で、睡眠の改善は必須と言えます。

睡眠のパターン、概日リズム(体内時計)を正常に戻すには、まず7、8時間の睡眠を習慣付けることです。改善までに時間がかかることもありますが、毎日同じ時間に寝て同じ時間に起きることから始めましょう。室温が高いと眠りにくくなるというデータもあります。摂氏15〜20度(華氏60〜67度)が理想。暖房の設定温度を下げることで、睡眠に最適な体温にできるので、寝苦しいと感じた場合は確認してみましょう。糖質、カフェイン、アルコールなどの過剰摂取も概日リズムを狂わせるようです。そして、運動も大事。仕事で疲れたはずなのにうまく寝付けないことはありませんか? 1日30分でもエクササイズやウォーキングで体を動かすことで、正常な睡眠のパターンに戻すことができます。忙しい中でも時間を作って体を動かしてみましょう。

今回紹介するのは有酸素系のエクササイズです。有酸素運動では、呼吸によってストレスの素となる二酸化炭素濃度を下げるメリットもあります。ぜひ呼吸にも気を配ってみてください。

今月のトレーニング

STEP 1
スクワット&リーチ
30秒

写真クレジットKota Shimada

足は肩幅に開き、つま先を外に向け、腕は体の前に構えましょう。スクワットを行い、伸び上がると同時に片腕で拳を突き上げるようにします。スクワットをするごとに、突き上げる腕は左右交互に。最初のうちはゆっくり行い、慣れてきたらペースを上げていきましょう。スクワットは深くしゃがめなくても問題ありません。

STEP 2
ショルダータップ
30秒

写真クレジットKota Shimada

腕立ての体勢から若干お尻を上げます。そのまま右肩を左手で、左肩を右手でタップする動作を繰り返します。タップする際は体が左右に振れないように心掛けましょう。足は若干広めに開くとバランスが安定します。肩や腕の筋力に不安のある方は、椅子や壁などに手を置いて行うことで負荷が軽減されます。

STEP 3
カウチマーチ
30秒

写真クレジットKota Shimada

カウチ、ベンチまたは椅子などに前腕を置き、プランクの体勢になります。そのまま右膝を右肘に、左膝を左肘に触れるように交互に足踏みをします。背中を丸め、できるだけ膝が肘に触れるようにしましょう。無理のない範囲で行ってください。難しいと感じる場合は、前腕の下に来るように本などを置いて高さを調整するのも良いでしょう。

※健康上の不安がある場合は、必ず医師に相談のうえ行うようにしてください。

※同記事は、インディアナ州立大学でエクササイズ・サイエンス修士を取得し、フィットネスおよび栄養コーチングの指導を行う島田耕太さんが、資料や経験を元に執筆したものです。

Mastering Body Institute

9123 151st Ave. NE., Redmond, WA 98052 ☎571-235-8580 lifecultivation@gmail.com www.masteringbodyinstitute.com


(参考)

  1. Silva ESME, Ono BHVS, Souza JC. Sleep and immunity in times of COVID-19. Rev Assoc Med Bras (1992). 2020 Sep 21;66Suppl 2(Suppl 2):143-147. doi: 10.1590/1806-9282.66.S2.143. PMID: 32965373.
  2. Twedt R, Bradley M, Deiseroth D, Althouse A, Facco F. Sleep Duration and Blood Glucose Control in Women With Gestational Diabetes Mellitus. Obstet Gynecol. 2015 Aug;126(2):326-331. doi: 10.1097/AOG.0000000000000959. PMID: 26241422; PMCID: PMC4526115.
  3. Narang I, Manlhiot C, Davies-Shaw J, Gibson D, Chahal N, Stearne K, Fisher A, Dobbin S, McCrindle BW. Sleep disturbance and cardiovascular risk in adolescents. CMAJ. 2012 Nov 20;184(17):E913-20. doi: 10.1503/cmaj.111589. Epub 2012 Oct 1. PMID: 23027917; PMCID: PMC3503924.
  4. Obradovich N, Migliorini R, Mednick SC, Fowler JH. Nighttime temperature and human sleep loss in a changing climate. Sci Adv. 2017 May 26;3(5):e1601555. doi: 10.1126/sciadv.1601555. PMID: 28560320; PMCID: PMC5446217.
シアトル地域レドモンドを拠点とするプライベート・トレーナー。インディアナ州立大学でエクササイズ・サイエンス修士を取得し、1998年より個人、グループ、企業に向けてフィットネスおよび栄養コーチングの指導を行う。