Home 美容・健康 美ボディーをつくるトレーニング 睡眠不足は美容の敵〜美ボデ...

睡眠不足は美容の敵〜美ボディーをつくるトレーニング

シアトル地域レドモンドを拠点に活躍するプライベート・トレーナーの島田耕太さんが、自宅でできるトレーニング法を解説します。

🏋️睡眠不足は美容の敵🏃

皆さんは十分な睡眠を取っていますか? 睡眠不足は世界的な大問題。2021年の経済協力開発機構(OECD)の調査によると、日本人の平均睡眠時間は7時間22分で、世界33カ国のうち最下位でした。6時間を下回る睡眠習慣は免疫力を低下させ、アルツハイマー型認知症、血糖値上昇、心肺機能低下などにつながるという研究データが出ています。学習能力も、睡眠8時間の人と全く取っていない人では40%もの差が開くようです。

睡眠不足は食習慣にも影響してきます。疲れた時は食欲が増すように感じますが、偶然ではありません。睡眠不足が続くとグレリンという空腹を告げるホルモンが多く分泌され、満腹を告げるレプチンというホルモンを抑制するため、食べたばかりでもお腹が空くことに。また、ダイエット中、エクササイズをしていても、睡眠が7時間取れないと脂肪燃焼の低下を招き、筋肉量が減少してしまいます。

では、なぜ睡眠は軽視されがちなのでしょう? その原因は睡眠自体にあります。睡眠中は全く無防備の状態。食事、仕事などの行動が一切できず、達成感を全く得られません。ほかにやりたいことがあれば、睡眠はつい後回しに。ただ、睡眠不足による代償は大きいようです。新型コロナのパンデミックで免疫力の重要性を理解した今、睡眠の改善は必須と言って良いでしょう。

概日リズムと呼ばれる睡眠のパターンを正常に戻すには、7、8時間の睡眠を習慣付けることです。同じ時間に寝て同じ時間に起きるのがコツ。室温が高いと眠りにつきにくいので、摂氏15~20度(華氏59~68度)に設定するのが理想です。室温を下げることで睡眠に最適な体温になります。寝苦しいと感じたら、温度設定の確認を。

糖質、カフェイン、アルコールなどの過剰摂取も概日リズムを狂わせます。運動も大切。仕事で疲れたはずなのに、ちゃんと睡眠が取れない。そんな経験はありませんか?

1日30分でもエクササイズやウォーキングで体を動かすと、睡眠リズムを戻せますので、ぜひ運動の時間を確保しましょう。

以下のエクササイズは上半身のシェイプアップに有効。3セットずつ、順番にゆっくりと行い、筋肉に刺激を与えていきます。1セット目10回、2セット目8回、3セット目6回などと、回数を変更しても問題ありません。

今月のトレーニング

STEP 1
腕立て伏せ 6~ 10回を3セット

上半身の定番エクササイズです。床にうつ伏せになり、手を胸の横に置いた状態から、腕の力で体を押し上げます。足を伸ばすのが難しい場合は膝を曲げて行い、テーブルやカウンターなどに手をついて負荷を軽減してもOK。押し上げは素早く、戻しは5秒くらいかけて。無理せず、できる範囲で繰り返しましょう。

STEP 2
アップライトロー 6~10回を3セット

ダンベルを写真のように体の前で持ち、姿勢を正します。肘を曲げ、そのままダンベルを肩辺りまで持ち上げます。この際、肘はダンベルよりも高い位置に。そして、ゆっくりと元の位置に戻します。エクササイズ中は背中が丸まらないように注意。ダンベルは水を入れたペットボトルなどで代用できます。

STEP 3
ショルダープレス 6~ 10回を3セット

ダンベルを頭上に持ち上げる、シンプルな肩のエクササイズ。普通は肩の位置から始めるのですが、より刺激を与えるため、頭上に肘を伸ばした状態からスタートし、ゆっくりと肘を曲げてダンベルを下ろします。肘が肩よりも若干下がったら元の位置に戻してください。鏡を見ながらだとやりやすいでしょう。ダンベルはペットボトルなどで代用可。肩に違和感のある方はダンベルなしで始め、徐々に動かしていきましょう。

※健康上の不安がある場合は、必ず医師に相談のうえ行うようにしてください。

写真クレジット:Kota Shimada

※同記事は、インディアナ州立大学でエクササイズ・サイエンス修士を取得し、フィットネスおよび栄養コーチングの指導を行う島田耕太さんが、資料や経験を元に執筆したものです。

Mastering Body Institute

9123 151st Ave. NE., Redmond, WA 98052
☎571-235-8580、 lifecultivation@gmail.com
www.masteringbodyinstitute.com


参考文献


1. Silva ESME, Ono BHVS, Souza JC. Sleep and immunity in times of COVID-19. Rev Assoc Med Bras (1992). 2020 Sep 21;66Suppl 2(Suppl 2):143-147. doi: 10.1590/1806-9282.66.S2.143. PMID: 32965373.

2. Twedt R, Bradley M, Deiseroth D, Althouse A, Facco F. Sleep Duration and Blood Glucose Control in Women With Gestational Diabetes Mellitus. Obstet Gynecol. 2015 Aug;126(2):326-331. doi: 10.1097/AOG.0000000000000959. PMID: 26241422; PMCID: PMC4526115.

3. Narang I, Manlhiot C, Davies-Shaw J, Gibson D, Chahal N, Stearne K, Fisher A, Dobbin S, McCrindle BW. Sleep disturbance and cardiovascular risk in adolescents. CMAJ. 2012 Nov 20;184(17):E913-20. doi: 10.1503/cmaj.111589. Epub 2012 Oct 1. PMID: 23027917; PMCID: PMC3503924.

4. Obradovich N, Migliorini R, Mednick SC, Fowler JH. Nighttime temperature and human sleep loss in a changing climate. Sci Adv. 2017 May 26;3(5):e1601555. doi: 10.1126/sciadv.1601555. PMID: 28560320; PMCID: PMC5446217.

シアトル地域レドモンドを拠点とするプライベート・トレーナー。インディアナ州立大学でエクササイズ・サイエンス修士を取得し、1998年より個人、グループ、企業に向けてフィットネスおよび栄養コーチングの指導を行う。