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ハッピージョイント ―「関節トレーニング」という新習慣〜私たちの命を守るヘルスケア

がん患者だけでなく、悩める人たちの心身の健康をサポート。現在のアメリカの医療環境で今、私たちができることを探ります。

ハッピージョイント ―
「関節トレーニング」という新習慣

筋トレだけでは不十分

みなさんの中にも筋トレを習慣にしている人は多いと思います。筋肉量を増やすことは、基礎代謝の向上によるダイエット効果や、引き締まったボディーラインづくり、生活習慣病の予防など、心身にさまざまな健康効果をもたらします。その一方で、関節そのものを意識してトレーニングしている人は決して多くありません。筋肉ばかりを鍛え、関節の可動性や安定性をおろそかにすると、かえって不調やけがの原因になることがあります。若い人にも、そしてシニア世代にも、関節トレーニングは欠かせない要素です。

関節とは、骨と骨をつなぎ、体を動かす要となる部分です。そこには軟骨、靭帯じんたい、腱、滑液などがあり、体のスムーズな動きを助けます。膝や肘は曲げ伸ばしを主とする関節ですが、股関節や肩関節は多方向に動かせるため、体のさまざまな動きを支える反面、負担もかかりやすい部位です。筋肉が強くても、関節が硬く不安定であれば、本来のパフォーマンスは十分に発揮できません。

けがを予防し、自立した生活を

若い世代にとって、関節トレーニングの大きなメリットは、けがの予防とパフォーマンスの向上です。スポーツやジムで高負荷のトレーニングを行う際、関節の可動域が狭いと特定の部位に負担が集中し、捻挫や靭帯損傷を招きやすくなります。たとえば、股関節や足首の可動性が低いと膝に過剰なストレスがかかりやすくなり、肩関節の安定性が不足すると、肩の痛みや不調につながることがあります。関節トレーニングはこうしたリスクを下げる助けになります。

一方、シニア世代にとっての関節トレーニングは「自立した生活の維持」に直結します。多くの高齢者が経験するのが、加齢に伴う滑液分泌の減少や関節軟骨の摩耗によって生じる関節の痛みや炎症です。動かさない時間が長いほど関節は硬くなり、可動域も狭くなります。その結果、歩幅が小さくなって運動量が減り、筋力も低下し、転倒リスクが高まるという悪循環に陥ります。関節を優しく動かし続けることは、日々の活動量を保つうえでも大切です。

では、関節トレーニングを行わないとどのような影響があるのでしょうか。第一に可動域が狭まり関節が不安定になることで、慢性的な痛みにつながる可能性があります。本来動くべき関節が十分に動かないと、別の部位に負荷がかかり、腰痛や肩こり、膝の痛みを招きます。第二に姿勢の崩れです。胸椎や股関節が硬くなると猫背や反り腰につながり、呼吸機能や内臓にも負担をかけることがあります。第三に転倒や大きなけがのリスクです。バランス能力が低下すると、瞬時に体を支えられなくなります。特に高齢者では、骨折が寝たきりの一因になることもあります。

一方、現役世代の多くも長時間のデスクワークやスマートフォンの操作など、座りっぱなしの生活を送りがちです。特にキーボードやマウスの使用時間が長いと、手首や指、肩関節はほとんど同じ姿勢のままになりやすくなります。また、座位姿勢では股関節が常に曲がった状態となり、胸椎の動きも制限されやすくなります。

90分に1度は動こう

このような「動かさない習慣」は、関節の滑らかな動きを奪い、知らないうちに可動域を狭めてしまいます。だからこそ、日常生活の中で、固まりやすい関節を意識して動かす時間が必要です。90分に1回程度は椅子から立ち上がり、簡単なストレッチや関節をほぐす動きを5分から10分ほど行うだけでも効果があります。気分をリフレッシュすることで、集中力の向上も期待できます。

関節トレーニングは、決して難しいものではありません。たとえば、つま先から首までの関節を呼吸に合わせてゆっくり動かす「ジョイント・フリーイング」があります。これは関節の可動域を広げるだけでなく、呼吸を意識することで深いリラックス効果をもたらします。

また、陰ヨガは一つのポーズを数分間保つことで関節に適度な負荷をかけ、筋膜をストレッチして腰痛などの痛みを緩和します。大切なのは、単に筋力を鍛えることだけでなく、関節をスムーズに動かし、骨格を正しく支える力を養うことです。筋トレに加えて関節トレーニングを日々の習慣に取り入れることで、けがの予防や運動能力の維持・向上が期待でき、高齢期においても動ける体を保ち、自立した生活を支えます。

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高森英治■1989年よりニューヨーク在住。日米の金融機関での勤務を経て、現在はヨガセラピスト、ヨガ講師、ストレス軽減スペシャリスト、ストレッチおよびマインドボディ・ウェルネスコーチとして日米で活動中。心身のバランスを整え、健康寿命の延伸をサポートするプログラムを対面およびオンラインにて提供している。個々の状態や目的に合わせ、安全で無理のないアプローチを大切にする。www.inhalenyc.com
問い合わせ: iamyouryogateacher@gmail.com

FLAT・ふらっと
2013年から続く乳がん・婦人科がん患者サポート団体のJapanese SHAREが、2023年4月1日より、ニューヨークを拠点とした非営利団体、FLAT・ふらっとに活動の場を移行。乳がん・婦人科がんのほか全てのがん患者、高齢者、スペシャルニーズのある子どもの保護者を対象とし、在米日本人コミュニティーを健康と医療の面から支える。問い合わせ:info@flatjp.org