Home 美容・健康 栄養学で若返り!スローエイジング 良質な油の種類と正しい使い...

良質な油の種類と正しい使い方〜栄養学で若返り!スローエイジング

栄養学で若返り!スローエイジング

ゆっくりときれいに年を重ねることを目指す「スローエイジング」という考え方。更年期が気になる大人の女性に向けて栄養学の発展したアメリカ在住だからこそ実践したい、元気で若い体づくりを提案します。

良質な油の種類と正しい使い方

エストロゲンなどのホルモンや細胞膜は主に脂肪でできています。エイジングを遅らせ、ホルモンバランスを整えるには、抗炎症作用のある良質な脂肪や油を食事から摂取することがとても重要です。脂肪や油にはさまざまな種類があり、どれが良いのかわからないという方も多いでしょう。今回は、選び方のコツと正しい使い方について紹介します。

不飽和脂肪酸の役割

脂肪の中でも必須脂肪酸と呼ばれるのが、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸です。これらは体が自然に生成することはないため食事やサプリで補う必要があります。また、不飽和脂肪なので、バターなどの飽和脂肪に比べると加熱や光に弱く、常温では液状であることが特徴です。

オメガ3脂肪酸はEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)などの種類があり、抗炎症作用をもたらします。心臓や精神疾患、糖尿病、がんなどの炎症による疾患予防に効果があるという研究結果も出ています。

一方、オメガ6脂肪酸は、動物性脂肪に多いARA(アラキドン酸)などがあり、炎症を引き起こす物質を作って、免疫細胞の活性化や血栓の生成を促します。

どちらも体の機能にとって欠かせない役割を果たしますが、不飽和化酵素という酵素を取り合って代謝されるので、摂取バランスが崩れると体内での抗炎症作用または炎症作用の割合も変わってしまいます。つまり、体にとってベストな効果を得られるように2種類の脂肪酸をバランス良く摂取することが大切です。

オメガ3脂肪酸は主に魚やアボカド、ナッツに豊富。オメガ6脂肪酸は主に大豆やコーンなどの植物性油や動物性脂肪に含まれます。ARAの多い加工食品やファストフードの普及により、現代人はオメガ3脂肪酸よりもオメガ6脂肪酸を過剰に摂取する傾向にあり、慢性疾患の増加につながっています。大豆やコーン、キャノーラなどの油は安価ですが、化学溶剤などを用いて精製されるため、抗炎症作用のあるオメガ3脂肪酸を含む食べ物も意識して取るようにしましょう。

体に良い油の選び方と使い方

レストランやファストフード店では、大量の料理を多くの客に短時間で提供するため、大きなフライヤーで同じ油を長時間繰り返し使用します。酸化した油で揚げた食べ物が原因で、体に炎症を起こすことも。外食の際は揚げ物を避けるか少量を注文し、抗酸化作用のある果物や野菜、魚と一緒に食べるなど工夫しましょう。また家庭でも、加熱した油は再利用せずに廃棄を。油を鍋に入れたまま放置するのも、酸化を加速させるので避けましょう。

全ての油には煙点(スモーク・ポイント)があります。加熱により油が煙点を超えた場合、活性酸素が発生します。調理の最中に煙や悪臭が出るのは、油が酸化しているサイン。長時間の調理には、華氏400度以上の熱に耐えられる、加工されていない油を使用しましょう。アボカドオイルやピーナツオイル、ゴマ油などがおすすめです。サラダにかけるドレッシングは火を通さないので、煙点が低く、抗炎症効果のあるオリーブオイルやフラックスシードオイルをおすすめします。

油の保存にもひと工夫を。光や熱を直接受けない黒いボトルに入れ替える、室温の低い場所で保管する、オーブンの近くに放置しないなどを心がけましょう。また、できるだけ製造日が新しいものを選んで買いたいもの。シアトルにはオイル専門店がたくさんあるので、小容量の新鮮な油を購入するのも良いですね。

飽和脂肪とトランス脂肪は避けるべき?

バターや赤肉などに多く含まれる飽和脂肪酸は、悪玉コレステロール値や心臓疾患に影響するため、1日の総摂取カロリーの10%以下に抑えましょう。赤肉は脂の少ない部位を選び、週に1、2回までとするのが理想です。

トランス脂肪酸は食物に入っているもの以外に、人工的に作られたものも。食品加工の際、賞味期限の延長、味や食感の向上を目的に水素化という工程があり、体に良い不飽和脂肪を飽和脂肪酸に変えてしまいます。この脂肪は、体に炎症を起こさせ、悪玉コレステロール値を上げると同時に善玉コレステロール値を下げてしまうので、できる限り摂取しないほうが良いでしょう。例としては賞味期限の長いペイストリー、ポップコーン、冷凍食品、チップスなどが挙げられます。FDA(米食品医薬品局)により、製造会社は製品にトランス脂肪酸が0.5グラムまで含まれていても、ラベルに0グラムと表示することが許可されているので要注意です。

できるだけパッケージ食品を避け、加工されていない自然のままの食材から栄養素を摂取したいものですね。必要な油・脂肪だけを取り入れた食生活を目指しましょう。


https://directorsblog.health.azdhs.gov/what-zero-grams-0g-of-trans-fat-really-means/

佐賀県出身。19歳の時に留学のため渡米。2015年に自然医療で知られるワシントン州のバスティア大学で栄養学を学んだ後、アイオワ州立大学での管理栄養士研修を経て米国管理栄養士の資格を取得。現在、フォーティー・ラブ・ニュートリションを個人で設立し、栄養カウンセリング、ワークショップ、ホルモン検査を通して30代以降の女性の美容、栄養管理、スローエイジング、ホルモンバランスの調整、デトックスをサポートする。 フォーティー・ラブ・ニュートリション ☎️206-234-4246、info@fortylovenutrition.com www.fortylovenutrition.com