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実践編:テクニカルSEOとは?〜やってみたプロのSEO対策

ウェブサイトのアクセス数を上げるテクニックとして欠かせないのが、SEO(サーチ・エンジン・オプティマイゼーション)。本誌ウェブサイト「SoySource.net」 が受けている UJ シンクタンクによるSEOコンサルティングの一部を、誌上公開!事業者やサイト運営者が知っておきたいSEOの基本をカバーします。

実践編:テクニカルSEOとは?

ページの読み込み速度

ソイソース編集部(以下ソ)前回は「Ubersuggest(ウーバーサジェスト)」を活用したSEOキーワードの絞り込み方と、そのキーワードをサーチエンジンへいかに効率的に伝えるかを学びました。今回も実践編として、テクニカルSEOについての説明を受けます。

UJ シンクタンクの関さん(以下UJ)サーチエンジンとして大きなシェアを占めているGoogle検索エンジンは「ユーザーがより効率的に求めている情報を見つけられる」ことを目的に、各ウェブサイトを巧妙なアルゴリズムで評価しています。ページの読み込みの速さ、サイト構造のわかりやすさ、情報の見つけやすさ、サイトを訪れたユーザーの行動までを、Googleのクローラーがサイト内を巡回して判断します。本コラム第2回、現状把握の説明の際に使用したGoogleサーチコンソール(以下サーチコンソール)にある「ウェブに関する主な指標」メニューを使って、Google検索エンジンからの技術的な評価を確認することができます。自社ウェブサイトに技術的な問題点がないか、常に指標をチェックしていくテクニカル面でのSEO対策も、ウェブサイトを運営するうえでとても重要です。

サーチコンソールから見るSoysourcenetのLCP

具体的に何をチェックすれば良いでしょうか?

UJ大きなポイントのひとつとして、ページの読み込み速度が挙げられます。サーチコンソールの「ウェブに関する主な指標」として読み込み速度を示すLCP (Largest Contentful Paint)やFID(First Input Delay)が一定数を超えるページは、「不良」としてとしてリストされます。Soysource.netをチェックすると、現在は問題ありませんが、1月上旬にLCPに問題のあるページがあったようです。

なるほど、一時的にサーバーの不具合があった頃です。

UJページの読み込み速度は、グーグル社が提供する「ページ・スピードインサイト」を使って個別にチェックすることもできます。速度を速めるためにできる対策も「改善できる項目」として表示されます。ウェブサイトを作る際には、デザイン性を重視するあまりに画像を挿入し過ぎるなどしてサイトの読み込みが遅くなってしまうことがないように考慮していく必要があります。なお、ページ・スピードインサイトはスマートフォン、パソコンの両方でページの読み込み速度を確認できます。グーグル社は2021年3月から、検索結果の表示はモバイルに対応するページから優先して行うと公表しています。モバイル対応ページを作り、モバイル機器からの読み込み速度が落ちないように十分な対策をしておくことが重要です。

内部リンクとサイトマップでユーザー体験の向上を

UJサイト内でユーザーが必要な情報を得るためにわかりやすい構造にすることも大切です。まずできることは、ページの位置をツリー構造で表示する「パンくずリスト」や、サイトマップの作成があります。これが入ることによって、Google検索エンジンのクローラーが効率的にウェブサイト内を巡回しやすくなります。また、サイト内の関連記事に相互リンクを張ることで、サイトを訪れたユーザーを他ページへ誘導できるだけでなく、クローラーにサイト内を効率的に巡回させる効果もあります。URLアドレスはなるべく短く設定し、「サイト名/カテゴリー/記事名」というようなわかりやすい構造にしておくと良いでしょう。WordPressでページを作成している場合には、「Yoast SEO」や「All In One SEO」などのプラグインを利用することにより、このサイトマップやパンくずリストなどを自動で設定してくれるのでおすすめです。

ユーザーにとってわかりやすく、使いやすいウェブサイトを作ることが、SEO対策につながるということですね。

UJその通りです。サイトを訪れた人のユーザー体験をより快適なものにすることが重要で、それが検索エンジンからの評価にもつながります。サーチコンソールの「ウェブに関する主な指標」では、ページの読み込み速度のほか、CLS(Cumulative Layout Shift)という読み込み時のページレイアウトの移動量を示す指標もあります。ページを読み込んだ際にレイアウトがずれることがないかをチェックするものです。

レイアウト上の見やすさまでチェックされているんですね。

UJその他、いろいろな要素がテクニカルSEOに関連してきます。UJ シンクタンクのコンサルティングでは、テクニカルSEOの定期的な監視により、問題発生時にすぐ対応できるようにしています。

ありがとうございました。次回は、外部からのリンクについて話を聞きます。

取材協力:UJ シンクタンク 関 良太郎さん


UJ シンクタンク 関 良太郎さん
UJ シンクタンク(https://ujthinktank.com)のデジタル・マーケティング・コンサルタント。日本の大手システムインテグレーション企業で営業を務めた後、MBA取得のために2008年に渡米。食品メーカーや飲食店のマーケティングなどの勤務を経て、ロサンゼルス地域で日系ビジネス向けに印刷サービスを行うGoshiki LLCと共に2020年、UJ シンクタンクの立ち上げに参加。ウェブサイト構築・運営ほか、SEOコンサルティング、オンライン・ビジネス支援、オンライン広告、SNS運営サポートなど幅広いサービスを提供。レストラン向けPOSレジシステム「Clover」の販売代理店でもあり、米国のレストラン向けに様々なソリューション提供を行っている。

ハイテク関連企業の国際マーケティング職を経て2005年からシアトル在住。2016年にワシントン大学都市計画修士を取得し、2017年から2022年まで北米報知社ゼネラル・マネジャー兼北米報知編集長を務めた。シアトルの都市問題や日系・アジア系アメリカ人コミュニティーの話題を中心に執筆。