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実践編:外部施策~被リンクについて~、やってみたプロのSEO対策

ウェブサイトのアクセス数を上げるテクニックとして欠かせないのが、SEO(サーチ・エンジン・オプティマイゼーション)。本誌ウェブサイト「SoySource.net」 が受けている UJ シンクタンクによるSEOコンサルティングの一部を、誌上公開!事業者やサイト運営者が知っておきたいSEOの基本をカバーします。

実践編:外部施策~被リンクについて~

オーソリティーの高いサイトから被リンクを受けよう

ソイソース編集部(以下ソ):前回でのページ読み込み速度の改善やユーザー体験の向上など、これまではウェブサイト制作側の内部で対処できるテクニカルSEOについて学びました。今回は外部施策と呼ばれる、外部ウェブサイトから受けるリンク(被リンク)について考えていきます。

UJ シンクタンクの関さん(以下UJ):かつては、とにかく多くの被リンクを受けていれば評価が上がると言われ、SEO対策業者などが「大量の被リンクをあなたのウェブサイトに向けて張りますので、Googleの検索結果に良い影響がありますよ!」などと声をかけてきて、全く内容のないウェブサイトからの大量の被リンクを販売するような不正行為が横行していた時期がありました。これらの手法はブラックハットSEOとも言われます。しかし、Googleではペンギンアップデート(低品質なコンテンツに対する大規模な検索アルゴリズムの変更)を2012年に行い、低品質なウェブサイトからのリンクを評価しない方向にシフトしました。以降、低品質な被リンクを故意に使って検索でのパフォーマンスを上げるようなブラックハットSEOを行っているウェブサイトは、検索順位が下がる、場合によっては、Googleの検索インデックスから削除されるなどのペナルティーが課されるようになったのです。

一方で、権威(オーソリティー)の高いウェブサイトからの被リンクを得ることは、検索エンジンでのパフォーマンスが上がる要素となったのも事実です。オーソリティーの高いウェブサイトとは、たとえば、大学、大手メディア、政府機関など挙げられます。この権威性について、GoogleはガイドラインでE.A.T(Expertise, Authoritativeness, Trustworthiness)という言葉を使い、その重要性をうたっていますが、各ウェブサイトの権威性の指標については公表していません。しかし、前々回に紹介した「Ubersuggest(ウーバーサジェスト)」などのSEOツールで目安の指標・スコアを確認することができます(https://neilpatel.com/ubersuggest)。自社サイトよりもオーソリティーが高い外部サイトからリンクを受けることが、自社サイトのオーソリティーを上げることにつながり、検索エンジンからの評価も高まります。

ソ:被リンクを多く受けるために、どのようなことができますか?

UJ:店舗やサービス業のウェブサイトであれば、メディアに記事や広告としてウェブサイトへのリンクを張ってもらうのも手です。リンクにはリンク元からリンク先へオーソリティーを継承する形態の「Do follow Link」と、オーソリティーを与えずにリンクをする「No follow Link」の2種類があり、Do follow Linkを受けなければオーソリティーの向上にはつながらないと考えられています。たとえば、調べ物をするときなどにウィキペディアを利用する方は多いと思いますが、ウィキペディア上に記載された外部リンクは自動的にNo followとなってしまうため、オーソリティーの継承は行われないと言われています。ウィキペディア自体は非常にオーソリティーの高いウェブサイトなのですが、自社サイトを紹介する目的でウィキペディアに情報を投稿し、そこで自社サイトへのリンクを張ったとしても、オーソリティーが上がることはありません。

被リンクを定期的にチェックする

ソ:すぐにできる作業はありますか?

サーチコンソールの被リンク否認申請ページ

UJ:はい。先に述べたようなオーソリティーのないチート・サイトからリンクを受けることは、評価を低下させることになりますので、対策として、チート・サイトなどから被リンクを受けていないか常に確認すると良いでしょう。UJ シンクタンクのクライアントの中には、競合他社から悪意を持って、チート・サイトからのリンクをいくつも張られてしまうというスパム・アタックを受けていたケースがあり、そのために検索エンジン(Google)のペナルティーを受け、検索順位が下がってしまっていました。自社サイトへの被リンクは、定期的にチェックしておきましょう。

ソ:そのようなスパム・アタックは、どのように発見して、どう対処したら良いのでしょうか?

UJ:ウーバーサジェストやGoogleサーチコンソール(以下サーチコンソール)で、被リンクを受けているページのリストを見ることができます。そこに、オーソリティーが低いチート・サイトのようなものがあれば、対処する必要があります。具体的には、サーチコンソールの「サイトへのリンクを否認する(www.google.com/webmasters/tools/disavow-links-main)」の機能から直接Googleに被リンクの否認申請をすることができます。UJ シンクタンクのSEO対策サービスでも、毎月のSEO報告の中で外部からの被リンクについてお知らせするようにしています。

ソ:次の最終回ではまとめとして、SEO対策を専門業者へ委託するメリットについて紹介してもらいます。

参考リンク:

2012年のGoogleのペンギンアップデート(大規模な検索アルゴリズムの変更https://developers.google.com/search/blog/2016/09/penguin-is-now-part-of-our-core

Googleガイドライン(https://static.googleusercontent.com/media/guidelines.raterhub.com/en//searchqualityevaluatorguidelines.pdf

取材協力:UJ シンクタンク 関 良太郎さん


UJ シンクタンク 関 良太郎さん
UJ シンクタンク(https://ujthinktank.com)のデジタル・マーケティング・コンサルタント。日本の大手システムインテグレーション企業で営業を務めた後、MBA取得のために2008年に渡米。食品メーカーや飲食店のマーケティングなどの勤務を経て、ロサンゼルス地域で日系ビジネス向けに印刷サービスを行うGoshiki LLCと共に2020年、UJ シンクタンクの立ち上げに参加。ウェブサイト構築・運営ほか、SEOコンサルティング、オンライン・ビジネス支援、オンライン広告、SNS運営サポートなど幅広いサービスを提供。レストラン向けPOSレジシステム「Clover」の販売代理店でもあり、米国のレストラン向けに様々なソリューション提供を行っている。

ハイテク関連企業の国際マーケティング職を経て2005年からシアトル在住。2016年にワシントン大学都市計画修士を取得し、2017年から2022年まで北米報知社ゼネラル・マネジャー兼北米報知編集長を務めた。シアトルの都市問題や日系・アジア系アメリカ人コミュニティーの話題を中心に執筆。