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ワシントン州日米協会主催 「Japan Currents 2026」〜特別レポート

ワシントン州日米協会主催
「Japan Currents 2026」

取材・文:山本拓実

日本のゲームは、いかに米国市場へ広がり、異なる文化圏で受け止められてきたのでしょうか。ワシントン州日米協会(JASSW)が開催した「Japan Currents 2026」では、制作者や研究者、法務の専門家が集い、その背景と現在地を多角的に語りました。

3月4日、ワシントン州日米協会(JASSW)は、ワシントン大学と共催で、「Japan Currents 2026: Japanese Video Game Culture Crossing the Pacific」をケーン・ホールで開催した。

基調講演を行う橋本真司氏

基調講演には、ソニー・ミュージックエンタテインメントシニア・アドバイザー兼アニプレックスフォワードワークスルーム代表の橋本真司氏と、ベルビュー拠点のゲームスタジオCamouflaj創設者ライアン・ペイトン氏が登壇した。中でも、ゲーム業界で「橋本名人」としても知られる橋本氏の講演は圧巻だった。スクウェア・エニックス(以下、スクエニ)で約30年、プロデューサーとして『ファイナルファンタジー』(FF)シリーズに携わってきた橋本氏は、ディレクターとプロデューサーの違いを語った。ディレクターとは、宮崎駿氏のように年を重ねても作り続ける存在であり、スクエニ退職の挨拶に赴いた際にはその宮崎氏ら先輩ディレクターから「若いのに辞めるなんて」と叱られたという。一方、プロデューサーは資金調達などを通じ、ディレクターがものづくりに打ち込める環境を整える役割だと述べた。筆者は中学時代にFFシリーズをプレイした世代で、その制作者本人の肉声を聞けたことに感慨を覚えた。質疑応答ではFFのパッケージが日米で異なる理由を問う声が上がり、アメリカならではの視点が光った。

開発費やAI、マネタイズなどをめぐって議論が交わされたパネルディスカッション

パネルディスカッションには橋本氏とペイトン氏に加え、ワシントン大学フォスター・スクール・オブ・ビジネスのステファニー・リー氏、法律事務所デービス・ライト・トレメインのマヤ・ヤマザキ氏が登壇し、開発費やAI、マネタイズなどさまざまな話題について議論が交わされた。

レセプションでは登壇者も参加者とことばを交わし、会場は終始にぎわった。筆者も橋本氏に直接お話を伺う機会を得て、バンダイ退社後に起業した経験がスクエニでどう生きたかを尋ねると、「どちらも資金調達が重要で、大いに役立った」と語った。起業でもプロデューサーでも、結局は人が作り続けられる環境を整えること——講演で語られたプロデューサー論がここでも裏付けられたように感じた。アイラブ寿司などのおいしいビュッフェが並ぶ会場には、テック企業関係者をはじめ多様な参加者が集った。講演会を超えたシアトルらしいネットワーキングの場は、ビジネスフォーラムのような熱気に包まれていた。

レセプション会場に並んだビュッフェ。多くの参加者が集い、交流の輪が広がった

 

Japan Currents 2026
https://jassw.org/japancurrents2026-game-seminar