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米国移民法 2026年4月 最新情報〜知っておきたい身近な移民法

米国移民法を専門とする琴河・五十畑法律事務所 (K&I Lawyers) 五十畑諭弁護士が、アメリカに滞在するで知っておくべき移民法について解説します。

本コラムで提供される情報は一般的かつ教育的なものであり、個別の解決策や法的アドバイスではありません。また、情報は掲載時点のものです。具体的な状況については、米国移民法の弁護士にご相談ください。

米国移民法 2026年4月 最新情報

今回のコラムでは、最近発表された2つの米国移民法の最新情報について詳しくお話しします。

移民多様化ビザ抽選プログラム(DVプログラム)

DVプログラムは移民多様化ビザ抽選プログラム(Diversity Visa Program)のことです。日本語では通称「抽選永住権」、あるいは「永住権宝くじ」と呼ばれています。このプログラムは、米国務省が実施するグリーンカード(永住権)の抽選制度です。家族関係や雇用関係とは別に、アメリカへの移民数が少ない国の外国人を対象に、グリーンカードを取得する機会を与える制度であり、アメリカ社会の多様化を促進することを目的としています。応募者の中から無作為に選ばれた外国人に、毎年5万5,000件のグリーンカードが割り当てられます。ただし、当選したからといって自動的にグリーンカードを取得できるわけではありません。当選者は、出生国や学歴・就労経験などプログラムの基本条件に加え、永住資格の要件を満たしているかなどの審査を経てグリーンカードの取得に進むことになります。

このプログラムの登録期間は例年秋ごろに設けられてきましたが、昨年は通常の時期になっても詳細が発表されず、プログラムが継続されるのかどうかも不透明な状態でした。その後、新たな変更を導入するため、登録期間が遅れることが発表されました。

そして先日、米国務省から主な変更点が公表されました。

1 一部の例外を除き、登録時に有効なパスポートが必要になります。これまでは登録時にはパスポートは不要で、当選後に実際に申請を行う段階で必要とされていましたが、今後は登録時に有効なパスポートの顔写真・プロフィールページをアップロードしなければなりません。

2 登録料金として1ドルかかります。これまで登録は無料でした。

3 申請書に記載されている「Gender」が「Sex」に、「Age」が「Date of Birth」に変更されます。

最終的な規則は2026年4月10日に施行され、次回のDVプログラム登録から適用される予定です。ただし、本稿執筆時点では、次回の登録期間はまだ発表されていません。

ビザ・ブリテン(Visa Bulletin)

ビザ・ブリテンは、グリーンカード(永住権・移民ビザ)の発行待ち状況を示す米国務省の公式なビザ速報です。

アメリカでは毎年発給できるグリーンカードの数に制限があるため、申請するカテゴリーによっては待ち時間が生じます。米国市民の直近家族(近親者)はこの制限の対象外です。待ち時間を判断する上で重要なのが申請者の順番を示す日付、優先日(Priority Date)です。通常、優先日は申請(Petition)が最初に提出された日になります。家族ベース申請であれば、Form I-130、雇用ベース申請であれば、労働認定証申請(PERM)またはForm I-140を提出した日です。この優先日をビザ・ブリテンと照らし合わせることで、おおよその待ち時間を確認することができます。ビザ・ブリテンは毎月米国務省によって更新されますが、記載される日付は前進することもあれば、据え置かれることもあり、場合によっては後退することもあります。そのため、家族ベースまたは雇用ベースのグリーンカード申請を待っている人にとって重要な情報です。

ビザ・ブリテンには2つのチャートが掲載されています。
・Dates for Filing グリーンカード申請書を提出できる時期を示すもの
・Final Action Dates グリーンカードが実際に承認される時期を示すもの

家族ベースのグリーンカード申請にはいくつかのカテゴリーがありますが、そのうちF2Aは、申請のスポンサーがグリーンカード保持者で、受益者(Beneficiary)が その配偶者や子どもであるカテゴリーです。2026年4月のビザ・ブリテンによると、F2AはDates for Filingのチャートで「C」と記載されています。「C」は「現在(Current)」を意味し、待ち時間なく申請書を提出できる状態であることを示します。ただし、これは申請がすぐに承認されることを意味するものではありません。申請提出後、面接を含め、申請内容の審査および処理には引き続き時間がかかります。

 

五十畑 諭
神戸市出身。明治大学卒業。大手外資系コンピュータ会社でのシステム・エンジニア職経験後渡米。 アメリカのハートランド、カンザス州のワシュバーン大学ロースクール(法科大学院)を卒業、ジュリス・ドクター(J.D.)取得。 カンザス・ワシントン両州において弁護士資格を持つ。K&I Lawyers設立以前は、 ロサンジェルスおよびシアトルにある移民法を中心とする法律事務所での勤務を通じて、多様な移民法関連のケースの経験を積む。 カンザス州およびワシントン州弁護士協会会員、米国移民法弁護士協会会員。 6100 219th St., SW, Suite 480, Mountlake Terrace, WA 98043 ☎ 206-430-5108 FAX 206-430-5118