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シアトルで日本酒を広める挑戦者たち Vol. 2 般若湯

近年、アメリカ都市部で続々と登場している「日本酒バー」。高品質な日本酒を飲み比べでき、日本酒ファンを引き付けています。シアトルで行ってみたいのはこの2軒!その情熱とこだわりを取材しました。

全米規模で名を馳せるシェフの新店

般若湯

Hannyatou
1060 N. 39th St., Seattle, WA 98103
営業時間:4pm ~ 10pm(金土~ 11pm) 定休:日月
☎︎206-632-0185
www.hannyatou.com

右から相馬シェフラッセルキング共同オーナー常駐スタッフのブルースミヤハラさん元カフェのレイアウトを生かしたスタッフ手作りの内装でパティオ席もある

2017年10月、シアトルで手打ちそば専門店のかもねぎをオープンして以来、つい先日も2019年のフード&ワイン・ベスト・ニュー・シェフに選ばれるなど躍進が止まらない相馬睦子オーナー・シェフ。そんな中での新規開店とあって、早くも各メディアやグルメ通が注目している。

「かもねぎが人気となればなるほど、やりたいことにチャレンジできなくなって……。ちょうど同じ通りの並びにあったカフェが閉店となり、ここで新しいコンセプトの店を開こうとひらめきました」。相馬シェフのやりたいこと、それは近年アメリカで一大ブームとなっている「発酵」にフォーカスした日本の食文化の紹介。

5月初旬のオープンを予定している般若湯(はんにゃとう)は、味噌、酢、麹、納豆など、自家製の発酵食品を使った料理をつまみに、発酵ドリ ンクである日本酒を楽しめる店だ。気に入った日本酒を家でも飲めるように販売も行う。「日本酒がアメリカに広まるきっかけになるようお手伝いできたらと思っています」。そして、新しいフード・ペアリングの可能性にも言及する。「鉄分の入るワインより、日本酒のほうがシーフードに合うんです。シアトルのシーフード・ペアリングの常識を変えてみたい」

春は搾りたての新酒あらばしりの季節こちらも各種取りそろえていますと相馬シェフほかにも酵母無添加無濾過など日本人も飲んだことのないような種類の日本酒がずらり

相馬シェフは自分の店を持つ夢に向かって、シアトルや日本で修行する傍ら、ソムリエなどあらゆるレストラン関連資格を取得してきた。利き酒師の資格もそのひとつ。般若湯ではほかにもWSETレベル3などの有資格者がそろい踏みだ。「知識豊富なスタッフが実際に日本に足を運んで見つけてきた、レアな日本酒がたくさん。日本酒の勉強になるようなサンプラーを充実させ、マニアックなもの、プレミアムなもの、とにかくいろんな種類を、幅広く試してもらえるようなメニューを考案中です」

5月9日(木)には早くも、日本から3人の蔵元をゲストに呼んで特別イベントを開催。また、福島県双葉町からシアトルへ移り、酒蔵を準備中の冨沢酒造による日本酒入門講座も予定している。ハッピー・アワーは、かもねぎと同じ時間帯(4pm~6pm、金土9pm~11pm)に実施。相馬シェフならではの創意工夫あふれる料理とのペアリングにも期待したい。「原料に大豆ではなくハラペーニョ・チーズ・ベーグルを使うなど、変わり味噌をいろいろ作っています。肉や魚と組み合わせて、いろいろ遊んでみたいですね」

Vol. 1はシアトル日本酒界の老舗、「酒のみ」です。「シアトルで日本酒を広める挑戦者たち」続きを読む…