リターンズ
四半世紀の沈黙を破り、連載復活!
Vol.1 まだまだいじるぞいじり放題、復活!
「ねえ、バイアグラってなあに?」
朝、娘がテレビでバーニーを見てご満悦のすきに、のんびりカフェオレなんぞを飲んでいたら母からの突然の国際電話。それも開口一番に、バイアグラ。自分の子に「ねえ、セックスってなあに?」って聞かれてドギマギするって話はよくあるけれど、ティーンエイジャーを持つ親ならそのXデーに備え、心の準備ってものをしてるでしょうが、わたしの最近の下半身ネタは娘のおむつかぶれ話が限度。おったまげて鼻からコーヒー流出しそうになりました……。
—これは「いじり放題」第1回のオープニングだ。
あれからもうすぐ30年。母はもう国際電話をかけてこない。もっぱらLINEで無料ビデオコールをしかけてくる。ドラえもんのポケットの中だけかと思っていた夢のテクノロジーが世界を凌駕する時代になった。
おむつかぶれのムチムチ赤ん坊は、とっくにティーンエイジャーを卒業。セックスどころではないドギマギやハラハラ、ヒヤヒヤやガクガクブルブルを、思う存分体験させてくれた。彼女が成人したときには、「親の義務、終了! ひゃっほー!」と喜んだものである。
「いじり放題」を始めたころ、「1年間限定」のつもりで来ていたシアトル生活が「無期限」続行しそうであがいていた。
東京で結婚し、一生日本に住み、いじり家の「いじりジョン」になるはずだったアメリカ人の夫が「もうガイジンでいるのイヤですー」とシアトルの企業に転職。わたしは仕事を辞めずにシアトルへ来る方法を考え、「妊娠して育児休暇とってシアトルに行けばいいんじゃねえ?」という恐ろしく安直な結論を出し、安直に妊娠し、臨月まで東京で働き、シアトルにやってきた。
ああ、あの頃にChatGPTがあったなら。「股を開く前にキャリアプランを立てなさい! 育休終わったらどうすんじゃい!」って説教してくれたかもしれない。
育児休暇のつもりが、気づけばグリーンカードをもう3回も更新している。
東京の仕事に未練を抱えながらも、わたしはシアトルで根っこを生やそうと頑張ってきた。勝手に持ち込んだ「いじり放題」はシアトルの日本語コミュニティーでプチブームになった。「下品だ!」との苦情も多々あったが、編集者はよく耐えてくれた。感謝! この連載をきかっけに、ベンチャー企業に雇われたり、本を出版したり、新たなキャリアも生まれた。ありがとう! 元祖「いじり放題」!
当時の著者紹介にはこうある。
「東京の広告代理店で、飲んだくれCMプランナーとして大暴れ。恵比寿のバーのマイボトルの安否を気にしつつも国際結婚の因果、永住覚悟でシアトルに移住。笑いと酒を人生の伴侶に、超尻にしいている夫(アメリカン)と、1歳半の娘(怪獣)と同居中。毎回、刺激的なコラムを提供してまいります。」
現在、怪獣娘は29歳と24歳。酒量変わらず、体重大増量。そんなわたしが、また昔と変わらぬ刺激的なコラムを提供してまいります。
いじり放題リターンズ!












