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F-1 ビザ(学生ビザ)申請最新情報〜知っておきたい身近な移民法

米国移民法を専門とする琴河・五十畑法律事務所 (K&I Lawyers) 五十畑諭弁護士が、アメリカに滞在するで知っておくべき移民法について解説します。

本コラムで提供される情報は一般的かつ教育的なものであり、個別の解決策や法的アドバイスではありません。また、情報は掲載時点のものです。具体的な状況については、米国移民法の弁護士にご相談ください。

F-1 ビザ(学生ビザ)
申請最新情報

アメリカ留学に必要な学生ビザには、Fビザ、Mビザ、およびJビザの3種類があります。どのビザが適しているかは、進学先の学校の種類やプログラムの内容によって異なりますが、最も一般的なのはF-1ビザです。F-1ビザは、アメリカ政府から認定を受けた教育機関で、一定期間学ぶことを目的とする外国人に発行されるビザです。

申請の手順は、まず希望するプログラムや教育機関に願書を提出します。入学が認められると、I-20と呼ばれる入学許可証が発行されます。I-20取得後、I-901交流訪問者情報システム(SEVIS)費をオンラインで支払い、後日行う米国大使館・領事館でのビザ申請面接に備えて、支払い済みであることを証明する領収証を印刷しておきます。次に、オンラインで申請書DS-160を作成・提出し、ビザ申請料を支払って面接を予約、予約レターを印刷します。DS-160を作成すると、AAで始まる申請番号が発行されますが、この番号が面接予約時に使用した番号と一致していなければ、面接を受けることができません。もし申請番号が変更された場合は、予約情報の更新が必要です。DS-160は、面接日の少なくとも2営業日前までにオンラインで提出します。また、DS-160にはソーシャルメディアに関する質問も含まれており、SNSアカウントのユーザー名を入力します。アカウントの設定については、審査官が確認できるよう面接前に非公開(Private)から公開(Public)に変えておく必要があります。これは、ソーシャルメディア情報が申請者の身元確認や入国資格の審査の対象となっているためです。

通常、F-1ビザの申請には以下の書類が必要です。

1. オンライン申請書DS-160確認ページ(面接の際に必要なのは確認ページのみで、申請書のコピーは必要ありません)

2. パスポート(現在有効なパスポートと過去10年間に発行された旧パスポート)

3. 証明写真(過去6カ月以内に撮影された5センチ四方、背景白のカラー写真が1枚)

4. I-20 入学許可証(クラス開始日1カ月前になってもI-20が届いていない場合は、先に面接を受け、後日提出することも可能です)

5. I-901 SEVIS費支払い確認書

6. 面接予約レター

7. 日本との強いつながりがあり、アメリカでの学業終了後に帰国する意思を示す書類

8. アメリカでの学業に必要な資金があることを証明する財務書類

ケースによっては補足書類があります。たとえば、日本に居住している外国籍の留学生は、在留カードのコピーが求められます。

F-1ビザは、クラス開始日の365日前から大使館・領事館にて申請することができますが、たとえビザが発行されたとしても、クラス開始の30日以上前にアメリカに入国することはできません。

アメリカ入国後、F-1ビザ保持者のステータスはSEVISによって管理されます。教育機関のオリエンテーションで留学生担当オフィス(International Student Office)のスタッフから説明を受けることになりますが、連絡先の更新やパスポート、I-20の有効期限、フルタイム履修に必要な単位数の修得状況などについて、ステータス維持に問題が生じないよう自分自身でしっかりと管理することが重要です。

F-1ビザ保持者に扶養家族が同行する場合、帯同者はF-2ビザを取得することができます。扶養家族に該当するのは、配偶者と21歳未満で未婚の子どもに限られます。F-2ビザ保持者は、F-1ビザ保持者より前にアメリカに入国することはできません。F-1ビザを取得して渡米する子どもの付き添いのために、親がF-2ビザを取得することはできません。

アメリカ入国後にF-1ビザの有効期限が切れたとしても、学生としてのステータスを合法的に維持している限り、ビザの更新のために出国する必要はありません。ただし一度出国した場合は、再入国前にF-1ビザを更新する必要があります。

F-1ビザ保持者は、OPT(実務研修)を含めプログラム終了後、60日間の猶予期間が設けられています。この猶予期間は、基本的には帰国準備のためのものですが、ビザのステータスを変更したり、別のプログラム(修士号など)に進学する準備を行うことも可能です。また、この期間であれば、アメリカ国内を旅行することもできます。ただし、一度出国した場合は、残りの猶予期間を放棄したとみなされますので注意が必要です。プログラムを正規に修了しなかった場合には、この猶予期間は与えられません。

五十畑 諭
神戸市出身。明治大学卒業。大手外資系コンピュータ会社でのシステム・エンジニア職経験後渡米。 アメリカのハートランド、カンザス州のワシュバーン大学ロースクール(法科大学院)を卒業、ジュリス・ドクター(J.D.)取得。 カンザス・ワシントン両州において弁護士資格を持つ。K&I Lawyers設立以前は、 ロサンジェルスおよびシアトルにある移民法を中心とする法律事務所での勤務を通じて、多様な移民法関連のケースの経験を積む。 カンザス州およびワシントン州弁護士協会会員、米国移民法弁護士協会会員。 6100 219th St., SW, Suite 480, Mountlake Terrace, WA 98043 ☎ 206-430-5108 FAX 206-430-5118