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高齢の親をアメリカに呼び寄せるには? グリーンカード申請の流れと注意点〜知っておきたい身近な移民法

米国移民法を専門とする琴河・五十畑法律事務所 (K&I Lawyers) 五十畑諭弁護士が、アメリカに滞在するで知っておくべき移民法について解説します。

本コラムで提供される情報は一般的かつ教育的なものであり、個別の解決策や法的アドバイスではありません。また、情報は掲載時点のものです。具体的な状況については、米国移民法の弁護士にご相談ください。

高齢の親をアメリカに呼び寄せるには? グリーンカード申請の流れと注意点

結婚や雇用を通じてグリーンカード(永住権)を取得した方の中には、日本にいる親が高齢になるにつれて、「日本に一時帰国して親の介護をすべきか、それとも親をアメリカに呼び寄せて一緒に暮らすべきか」という人生の重要な選択を迫られることがあります。中には、再入国許可証を取得し、一時的ではあるものの、長期間にわたって日本に滞在する方法を選ぶ方がいます。また、親をアメリカに呼び寄せ、共にアメリカで生活することを選択する方もいます。

今回は、「親をアメリカに呼び寄せて一緒に暮らす」という選択をした場合、どのようなステップを経ることになるのか、申請の流れや注意すべきポイントを含めて解説します。

親のグリーンカードを申請できるのは誰か

移民法では、グリーンカードを申請できる家族関係が厳密に定められています。特に注意すべき点は、グリーンカード保持者は自身の親のグリーンカード申請のスポンサーにはなれないということです。「アメリカ人と結婚している場合、アメリカ人の配偶者が義理の親のスポンサーになれないか?」という質問が寄せられることがありますが、法律上、アメリカ市民である配偶者が義理の親のスポンサーになることは認められていません。したがって、親をアメリカに呼び寄せたい方がグリーンカード保持者である場合は、まず自身が帰化してアメリカ市民となった後で、親のグリーンカードを申請する必要があります。さらに、親のグリーンカード申請においては、スポンサーとなるアメリカ市民が 21歳以上であることが必須条件となっています。

家族関係に基づくグリーンカード申請の種類

家族関係に基づくグリーンカード申請は、主に年間発給数に制限のない「直近親族カテゴリー (Immediate Relative Category)」と年発給数に制限のある「家族優先カテゴリー(Family PreferenceCategory)」の2種類に分類されます。アメリカ市民が親のためにグリーンカードを申請する場合は、「直近親族カテゴリー」に該当するため、グリーンカードの年間発給枠の制限対象になりません。つまり、審査期間はあるものの、割り当て数の順番待ちによる追加の待機期間は発生せず、グリーンカードを取得することが可能です。

家族関係に基づくグリーンカード申請のプロセス

家族関係に基づくグリーンカード申請のプロセスは、主に「移民局・家族ベース移民ビザ申請」と「米国大使館・移民ビザ申請」の2段階で進行します。

•移民局・家族ベース移民ビザ申請

アメリカ市民であるスポンサーは、家族ベース移民ビザ申請(I-130)を移民局に提出します。この申請の目的は、申請者であるアメリカ市民と受益者である親との親子関係を証明することです。提出時には、戸籍謄本などの親子関係を裏付ける公的書類の提出が必要です。

•米国大使館・移民ビザ申請

家族ベース移民ビザ申請(I-130)が認可されると、ケースがナショナル・ビザ・センター(NVC)に移行します。 ナショナル・ビザ・センターは、アメリカ大使館で面接が行われる前に、申請に必要な料金の徴収、必要書類の確認、さらに書類が全てそろい面接の準備が整った時点で、大使館での面接日を設定するなど、事務的な手続きを管理しています。

移民ビザ申請の目的は、外国籍申請者の永住資格について、本人およびスポンサーのバックグラウンドを総合的に審査することです。申請者の健康状態や犯罪歴はもちろん、スポンサーであるアメリカ市民の経済力や生活基盤なども審査対象となります。スポンサーが申請者を経済的に支援できることを証明するために、 扶養宣誓供述書(Affidavit of Support)や納税証明書などの財務書類を提出する必要があります。また、申請者自身は健康診断の受診や無犯罪証明書の取得などが求められます。

申請手続きの最終段階では、米国大使館で移民ビザの面接を受けます。アメリカ市民である子どもは同行する義務はなく、親のみが面接に臨みます。これらの手続きを経て申請が認可されると、パスポートに移民ビザが貼付され、アメリカへの移住が許可されます。このビザの有効期間内に渡米し、グリーンカードを取得します。

審査や手続きに要する期間は、アメリカの移民局や大使館の諸事情、個人の状況によって変動しますが、現在、申請開始からグリーンカード取得まで、一般的に2年前後を要するケースが多くなっています。

五十畑 諭
神戸市出身。明治大学卒業。大手外資系コンピュータ会社でのシステム・エンジニア職経験後渡米。 アメリカのハートランド、カンザス州のワシュバーン大学ロースクール(法科大学院)を卒業、ジュリス・ドクター(J.D.)取得。 カンザス・ワシントン両州において弁護士資格を持つ。K&I Lawyers設立以前は、 ロサンジェルスおよびシアトルにある移民法を中心とする法律事務所での勤務を通じて、多様な移民法関連のケースの経験を積む。 カンザス州およびワシントン州弁護士協会会員、米国移民法弁護士協会会員。 6100 219th St., SW, Suite 480, Mountlake Terrace, WA 98043 ☎ 206-430-5108 FAX 206-430-5118