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第3回 高齢の親のこと、どこに相談すればいいの?〜日本の親は大丈夫? アメリカからの遠隔介護

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高齢の親のこと、どこに相談すればいいの?

アメリカと日本で遠く離れて暮らしている高齢の親を心配する方は多いことでしょう。特にひとり暮らしの場合、「最近は物忘れが目立つようになってきた」、「重い荷物を持つのがつらい」と聞くたび、悩ましく思うかもしれませんね。私の元にも、そんなときは誰に相談すれば良いのかという声が多く寄せられます。今回は、そうした高齢者の生活における困りごとを相談できる機関をご紹介します。
地域包括支援センターが窓口に
遠方に住んでいる家族は、親に何かあった時にすぐ駆け付けることができません。誰もが高齢の親にまつわる悩みを抱えています。そこで覚えておきたいのが、「地域包括支援センター」の存在です。
地域包括支援センターとは、各市区町村などの自治体が設置している、高齢者のための各種相談ができる機関です。多くの場合、各中学校区に1カ所あり、日本全国に4,000カ所以上設置されています。
地域包括支援センターでは、主任ケアマネジャー、保健師、看護師、社会福祉士などの専門職により、介護・医療・保健・福祉などの面からのサポートを受けられます。その地域に住む高齢者の暮らしを見守る「総合相談窓口」の役割を担います。介護や介護予防、保健福祉のサービス、さらに日常生活支援などにも対応し、介護保険の申請窓口としても機能しています。
一時帰国中、地域包括支援センターを親と一緒に訪問したCさんの場合
アメリカ在住のCさんは、日本で暮らす80代の母親のことをいつも気にかけていました。最近は身体の衰えが顕著で、「肩が痛くてエアコンのフィルターの掃除ができない」などと、少しずつ生活に支障が出てきていることを訴えるようになったと言います。
そんなCさんに地域包括支援センターを紹介したところ、一時帰国の際に母親を連れて、近くの地域包括支援センターへ挨拶に行ってきたそう。まずは、高齢の親がその地域でひとり暮らしであることを知ってもらおうと考えたのです。
何かあったときに親のサポートをお願いしたい旨を伝えると、緊急時の対応や行政の生活支援サービスを教えてもらえたとのこと。Cさんは早速、買い物代行などの生活支援、緊急時見守りのサービスを利用することにしました。各種サービスを使うことで、Cさんの母親は以前よりも快適に生活できるようになったようです。
地域包括支援センターのサービス内容や利用条件、費用は?
地域包括支援センターへの相談は全て無料です。ただし、紹介されたサービスを利用する場合は費用がかかる場合もあります。また、地域包括支援センターを利用できるのは、対象地域に住んでいる65歳以上の高齢者、またはその支援者です。地域包括支援センターでは、高齢者の暮らしを支えるための次のような相談ができます。
【相談事例】

・ひとり暮らしの親と連絡が取れないので実家を見に行って欲しい
・介護保険申請の方法を知りたい
・高所にある電球が交換できない
・庭の草刈りを誰かにやってもらいたい
・趣味のサークル活動に参加したい
・家の近くで介護予防運動を始めたい
・ひとり暮らしの親に認知症の症状が出てきた
・高齢者向け施設はどのように探せばいいのか など
地域包括支援センターは、高齢者のさまざまな相談に幅広く総合的に対応しています。個々に応じて必要なサービスや各種制度を紹介してもらえるので、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。遠く離れて暮らしている親の様子に不安を感じた時には、実家の近くの地域包括支援センターに相談してみましょう。何かが起こる前に、早めに対応できると良いですね。

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問い合わせ:☎03-5324-3553(日本)
詳細: www.nomu.com/seminar/2023/detail230316_2.html

■ 毎月第4木曜日サロンドハース・ウェビナー
第26回 「地域包括支援センターの役割」
3月23日(木)6pm~7:30pm
料金:$10 ※経費を除き子ども&シニア支援団体に寄付される
問い合わせ:hearth777@gmail.com
詳細:https://peatix.com/event/3517944/view

■一般社団法人Hearth(ハース)代表理事。国際介護アナリスト。ベネッセスタイルケアにて高齢者住宅の立ち上げや広告宣伝等に携わった後、41歳で退社し、夫婦で7カ月かけて世界各国の高齢者施設200カ所以上を訪問。これまでに取材した高齢者やその家族は2,000人を超える。「介護を通じて日本と世界を幸せに」をモットーに活動中。 サロンドハース salon_de_hearth