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第9回 高齢の親の介護、一体いつまで続くの?〜日本の親は大丈夫? アメリカからの遠隔介護

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高齢の親の介護、一体いつまで続くの?

現在、家族で高齢の親の介護をしている人なら、本音では「こんな状態がいつまで続くのだろう?」と思っていても当然。毎日がしんどいし、老いていく親の姿を見るのは切ないものです。ただ、介護は永遠ではなく、いつかは終わります。今回は平均の介護期間とその捉え方についてご紹介しましょう。
介護期間は平均すると「約10年」
厚生労働省のデータ(2019年)より、平均寿命から健康寿命を引いたものを平均介護期間と考えると、男性で約10年、女性は約13年です。健康寿命とは介護が必要なく生活できる状態を表します。また、生命保険文化センターの調べ(2021年)によると平均介護期間は61.1カ月(約5年1カ月)となっています。こちらの調査は過去3年間に介護経験がある人に「どのくらいの期間、介護を行ったのか」(現在、介護を行っている人には「介護を始めてからの経過期間」)を聞いたものです。
「頑張ってはいるけれど……」
アメリカからの遠距離介護で疲れ果てたBさん
アメリカ在住のBさんは、日本でひとり暮らす母親の遠距離介護を2年ほど続けています。公的介護保険の訪問介護サービスをフル活用し、食事や入浴の介助、買い物などのサポートを受けていました。ただ、最近は認知症状が出始め、公的介護保険のサービスでは間に合わないようになってきました。
インターネットを駆使して、母親の外出する前日に持ち物を一緒に準備しても、当日になると「あれがない、これがない」と言い始め、また探すという繰り返し。日本との時差があるため、母親の探し物に朝4時まで付き合うことも。Bさんは精神的にも肉体的にも限界を感じていました。
そんなBさんから相談を受け、自治体や民間で行っている介護サービスを紹介したところ、負担はかなり軽減されたと言います。また、将来的な高齢者向け施設への入居を検討することも始めています。
親のことを知り、これからの自分の人生を改めて考えるのが「介護期間」
子どもの成長は「日々できることが増えていく」うれしさ、楽しみがありますよね。一方、老いと共に「日々できないことが増えていく」のが高齢の親です。目の衰えによって段差がわかりにくくなる、電球の交換など高所での作業ができない、など。また、老人性うつによる頭痛やめまい、不安、焦燥感のほか、認知症の症状が出てくることも。
老いていく親の姿を目の当たりにするのは家族としてやるせない、そういう気持ちになるのもよくわかりますが、「親は先を歩いて自分の未来の姿を見せてくれている」と捉えてみてはいかがでしょう。親は今までどのように生きてきたのか、これからどうしたいのか、丁寧に聞き取りをしながら自分のルーツに触れることができ、自分の人生を考える良い機会にもなります。
親と子どもは別の人格を持ち、別の人生があります。行政やプロの力を借りつつ、家族は家族にしかできないことをする。それぞれが悔いを残さないように生きていきたいですね。

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■一般社団法人Hearth(ハース)代表理事。国際介護アナリスト。ベネッセスタイルケアにて高齢者住宅の立ち上げや広告宣伝等に携わった後、41歳で退社し、夫婦で7カ月かけて世界各国の高齢者施設200カ所以上を訪問。これまでに取材した高齢者やその家族は2,000人を超える。「介護を通じて日本と世界を幸せに」をモットーに活動中。 サロンドハース salon_de_hearth