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第4回 親の主治医は誰?意外と知らない親のこと〜日本の親は大丈夫?アメリカからの遠隔介護

アメリカ在住者に向けて日本の介護・お役立ち情報をお届け!

親の主治医は誰?意外と知らない親のこと

もし、介護が必要になったらどんな暮らしを望むのか、親の希望を聞いたことはありますか? 親本人も、好きなもの、趣味、大切にしていることなど、若い頃から培ってきたこだわりを持っているはずです。さまざまな選択肢がそろう介護サービスですが、親に代わって家族が判断しなければならないことはたくさん。まだ元気なうちから親の希望や好みを知り、介護が必要となったときのために備えておくのは大切なことです。
要介護申請で重要な「主治医」の存在
いざ介護が必要になったとき、介護保険の申請の際に提出するのが「主治医意見書」です。薬や傷病に関わる項目に加えて、食事や歩行の状態など、本人の生活にその病気がどのような支障をきたしているのかということが書かれており、要介護認定での判断基準になります。
親にとって、日頃から患者の既往歴(病歴)や健康状態をよく理解していて、特定の疾患だけでなく、健康上のアドバイスや生活の困りごとなどの相談もできる身近な医師はいますか? 普段の親の生活状況をきちんと知っている「かかりつけ医」に、「主治医」になってもらえるよう、前もってお願いしておきましょう。
介護が始まったら「ケアマネジャー」に相談!
アメリカから電話でやり取りしたAさんの場合
アメリカ在住のAさんは、父親が日本でひとり暮らしをしています。電話で毎日、様子を確認していましたが、父親が散歩中に転んで、足を痛めてしまったことがありました。大事には至らなかったものの、リハビリ中は杖が必要に。すでに介護保険の申請をして要支援1の認定を受けていたため、Aさんはアメリカから担当のケアマネジャーに電話をしました。すると、すぐに杖のレンタルを手配してもらえたとのこと。翌日から杖を使った歩行訓練ができるようになりました。
「ケアマネジャー」とは、本人や家族に代わり、介護サービスの利用計画である「ケアプラン」を作成する専門家のこと。介護サービスにかかる費用の計算や在宅で受けられるサービスの調整などを、本人や家族の代わりに行います。ケアマネジャーは、どのような介護サービスを利用するのが最適なのかを、本人・家族と一緒に考え、常に伴走する存在。電話相談にも対応し、この先どのようなことが起こるのかを教えてもらえるので、とても頼りになります。
何か起こったときには、親の担当ケアマネジャーに連絡しましょう。名前や連絡先がわからなくても、介護サービスを利用する親が住んでいるエリアの地域包括支援センターに問い合わせが可能。担当ケアマネジャーと地域包括支援センターは、必ず覚えておきたい相談先です。
親のこと、これからのこと、今から家族で話し合いを
もしも明日、親の介護が必要になったとしたら……。意外と親子であっても知らないことが多いものです。親の介護にまつわることを正しく判断するためにも、ちょっとした親の変化に早めに気付けるようになるためにも、把握しておきたい項目は多数。あなたはどれくらい、親のことを知っていますか?

[知っておこう! 親の普段の暮らしぶり]

・ 毎日、何時に起きて、何時に寝ているか
・ 習い事や趣味、買い物など、いつも出かけているスポット
・ 苦手なことや嫌いなこと
・ 好きな色や音楽
・ 預金通帳や保険証の保管場所
親であっても自分とは違う別の人格を持ち、別の人生を歩んでいます。家族も本人も納得できる「介護のあり方」を選ぶために、今から話し合っておきましょう。

オンライン講座でもっと詳しく!

■ 野村不動産ソリューションズとのコラボ企画
今のうちに知りたい!親の介護×不動産セミナー
第11回 「介護にかかるお金」
5月17日(水)7pm~7:40pm
料金:無料 ※定員500名
問い合わせ:☎03-5324-3553(日本)
詳細: www.nomu.com/seminar

■ 毎月第4木曜日サロンドハース・ウェビナー 第27回
「日本の相続税対策、どんな方法があるの?」
4月27日(木)6pm~7:30pm
料金:$10 ※経費を除き子ども&シニア支援団体に寄付される
問い合わせ:hearth777@gmail.com
詳細:https://peatix.com/event/3548717/view

■一般社団法人Hearth(ハース)代表理事。国際介護アナリスト。ベネッセスタイルケアにて高齢者住宅の立ち上げや広告宣伝等に携わった後、41歳で退社し、夫婦で7カ月かけて世界各国の高齢者施設200カ所以上を訪問。これまでに取材した高齢者やその家族は2,000人を超える。「介護を通じて日本と世界を幸せに」をモットーに活動中。 サロンドハース salon_de_hearth