Home アメリカ生活 みやこのあなたのお役割に拍手 こんな経営者が面白い(1)...

こんな経営者が面白い(1)

今回のテーマ

世の中捨てたもんじゃない!

ボランティアって、知らず知らず自然体でするものなのかもしれない。他人のために自分が今できることを懸命にただ実行していく姿勢に、人は感動を覚える。新しい生活様式が求められる中、あなたの「お役割」は何ですか?

シアトルの皆さま、こんにちは。この「ステイホーム」生活で、いい加減うんざり派or慣れてみると面白い派、さまざまだと思います。日本は緊急事態宣言が解除されたものの、「やったー!」と喜ぶにはほど遠い状況。解除されると、途端に多くの人が外に出るコトを余儀なくされますので、私のようにリモートで仕事ができる人間くらいはせめて世間さまに迷惑をかけないようコロナ太り……いえ、おこもり継続中です(笑)。新型コロナ禍を通して人間性が見えると言う人もいます。今回は心温まる話題として、ちょっと面白い社長をご紹介しましょう。人には本当に役割があるのだなと思わせてくれます。

この社長は神宮のお膝元、三重県でダウンジャケットや羽布団の中身となる羽毛を精製、販売する河田フェザー株式会社を経営しています。今年2月早々、新型コロナの影響に危機感を持ち、工場の来客訪問を全面禁止に。それを皮切りに、大切な核である現場に何かあったら多くのメーカーや消費者に迷惑をかけると対策を次々に講じています。海外から大量のマスクを輸入し、社員にマスクを配布。さらに社員だけでは意味がないと家族分も配給したうえに、会社のある町の自治体にもマスクを寄付。何かと早い行動ぶりに舌を巻きます。そして今度はどこの自治体よりも早く、社員、パート、アルバイトのスタッフ全員に給料とは別に支援金を渡したそうです。「コロナに負けるな!支援金」というネーミングかどうかは知りませんが(私が勝手に名付けました)、ちょっと感動しません? そこまでする人を少なくとも私の周りでは聞いたことがない。マスクだって、社員に配布はあるかもしれないけれど、対策するなら家族分まで!と考える視点が面白いと思うのです。

河田社長本人に、社員へ支援金を渡した理由を突撃で聞いてみました。「コロナに関して何かしら備えようと思うと、いつもよりお金がかかるから」とのこと。マスクにしても、スタッフだけでは意味がない、会社だけ守っても町に出たら意味がない、という考え方。ボランティアだとか立派な社会貢献だとかは全く意識せず、ただの思い付きだったかのように話すところもまた素敵だなと。「ボランティアしています!」と掲げる人も多い中(何もしないよりはいいけれど)、いいコトをしているのに狙っていない、そんな姿勢にますます好感が持てます。

実際に話してみると、まるで学者や研究者のように感じられました。それもそのはず、河田社長は医学部に通って博士号も取得し、医学的見解も持ち合わせる「羽のコトなら世界でいちばん詳しい!」と自負するエキスパート。「羽が大好きだから羽屋やってんだ」と言います。三重県に工場を置いたのは、洗浄する水にこだわったから。より粒子の細かい、大量の水が必要なのだそうです。自社製の洗浄機は世界一の精度とも言われ、同社の羽毛を指名買いするメーカーも多いそう。とにかく「羽オタク」とでも言いましょうか、そんな河田社長のキャラクターは、私が提唱する13パターンの人間学「お役割」的にも納得です。河田社長のお役割は、1番の「スターター」こと先陣を切る人。なるほどでございました。

あなたのお悩みを相談してみませんか?
恋愛、仕事、家庭など、人生のお悩みを「伊勢のおばちゃん」にスッキリ解決してもらいましょう。掲載は匿名です。お悩みの内容と在住エリアを書いて、ソイソース編集部info@soysource.netまでお送りください。お便りお待ちしています!

通称みやこ。1967年生まれ。三重県出身、九鬼水軍の子孫。『13の性格』著者。オリジナルの人間学「13導」を用いて、「みんな違ってみんないい」をモットーに資質、才能を伝える。現在は名古屋にオフィスを構え、自称「御用聞き」としてお悩み解決に国内外を飛び回り、若いスポーツ選手や経営者をもチャンスへと導く。最近では、良き日本文化を海外へ広める社会貢献としての活動も行う。自身のお役割は8番の「交流」。リモートによる社員研修や個人セッションをインスタグラム(@miwa_micco)で受け付ける。