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こんな経営者が面白い(23)〜みやこのあなたのお役割に拍手

オリジナルの人間学「13導」に基づき、あなたのお役割、さまざまなお悩みへの解決法、うんちくなどなど、お役割鑑定士のみやこさんが語っていきます!

今回のテーマ〜 神宮を支える新しいリーダー

初出勤に金髪で現れた青年が、志を持ち、極めた世界で力を発揮する。超有名漫画家の目にも留まった、ある神宮大工さんの物語です。

えええええ? もう年の暮れ? このコラムを書きながら気が付きました。今年こそ早めに大掃除をして、暮れはゆっくりするぞ! 毎年のことながら実現しないと思いますが(笑)。今年もご愛読ありがとうございました。次回は年明け恒例の開運鑑定をお届けしたいと思いますので、楽しみにしていてくださいね。

3度目の正直で神宮大工の天職を得た山内 圭さん

というわけで、2022年 の 最 後 を飾るリーダーはこの 方! じ ゃ じ ゃじゃん♪ 年末年始と言えば神宮参拝ですが、その神宮で働いているのは神職の方だけではありません。お社を造る神宮大工さんがいます。お社に釘が使われていないのは、皆さんもご存じかと思います。日本ならではの独特な建築方法と言えますね。その神宮大工のひとりが、山内 圭さんです。正式名称は「神宮技術工員」だそう。

父の紹介で山内さんと知り合ってから、もう20年近く経ちます。昔は「結婚したい人がいる」と相談を受けたことも。「とりあえず、彼女のお父上に土下座してみたら?」なんて、ふざけたコトを言っていたものでしたが、こんなに立派な神宮大工になるとは!

というのも、当時の彼はそう言いたくなるような青年だったのです(笑)。愛知で大工人生をスタートさせた山内さんは、「このままじゃダメだ」と、自ら神宮に電話を入れ、神宮大工になりたいと願い出ます。もちろん、コネも何もない彼は2度断られ、3度目でいわゆる監督との対面がかない、無事働けるコトに。しかし、待望の初出勤のはずなのに、なんと頭が金髪! 前述の「そう言いたくなる……」につながるわけです。

けれど、監督は怒らなかった。そして、「一生に一度はお伊勢さん」と昔から言われているコトを伝え、「東北など遠方からせっかく時間をかけて来る人が、おまえを見たらどう思う」と、それだけ。結局は髪を黒く染めるコトになりますが、実は『SLAM DUNK(スラムダンク)』の漫画家、井上雄彦さんがこのストーリーを面白いと感じ、自身の小説に登場させたことがあったそうです。

神宮とは伊勢神宮を指し、皇大神宮(内宮)と豊受大神宮(外宮)、別宮、摂社、末社と、お社は125あります。その正殿は20年ごとに建て替えられ、摂社、末社も40年ごとの建て替えと20年ごとの修繕を繰り返しています。それら全てを支えているのが、神宮大工です。参宮前に柄杓ひしゃくで水をくみ、手を清める手水てみず も、今はコロナ対策で工夫が凝らされて水が木筒から流れていますが、そのような整備も担っています。

正殿を2012年の遷宮せんぐう で建て替えた際、山内さんは青装束をまとい、祭事をこなしました。その姿を見た山内さんの妻(お父上に土下座はしなかったと思いますが、その後めでたく結婚!)、梓さんが「尊敬しました」と話すのを聞き、なんだか胸が熱くなりました。

古い体質の残る業界ですが、ワタシの提唱する人間学「13導」で4番「クリエイター」の山内さんは、ここでそのお役割を果たしています。たとえば、遷宮で使用する御木曳おきひき 車は、商工会などと共有されていますが、山内さんはそうした外部とのコミュニケーションを活発化させるべく、懇親会などを企画。これまでになかった新しい関係を築くためのアイデアを生み出しています。そんな山内さんの青装束が次に見られるのは2025年。皆さんも伊勢参宮の折にはぜひご覧ください。その価値は十分ありますよ。

社会に貢献する使命を持って生まれた山内さん。古き良きものは残し、必要なら変化もさせる、クリエイターらしいお役割に拍手! 皆さん、良いお年を。

通称みやこ。1967年生まれ。三重県出身、九鬼水軍の子孫。『13の性格』著者。オリジナルの人間学「13導」を用いて、「みんな違ってみんないい」をモットーに資質、才能を伝える。現在は名古屋にオフィスを構え、自称「御用聞き」としてお悩み解決に国内外を飛び回り、若いスポーツ選手や経営者をもチャンスへと導く。最近では、良き日本文化を海外へ広める社会貢献としての活動も行う。自身のお役割は8番の「交流」。リモートによる社員研修や個人セッションをインスタグラム(@miwa_micco)で受け付ける。