日本とは異なり、「自分の身は自分で守ろう」スタイルが主流のアメリカで、災害に備えてどう対策をしていけば良いのでしょうか。在シアトル日本国総領事館に話を聞きました。
ワシントン州で起こり得る災害に備えを
ワシントン州はアメリカ国内でも地震が多い西海岸にあり、地震に伴う津波や火山噴火、山火事といったあらゆる大規模自然災害が予想される地域です。そのような災害が発生した場合、道路が崩壊、封鎖により通行できなくなることも予想されます。
ワシントン州では政府機関による救援活動が開始されるまで、各自で最低14日分の生活を維持できるだけの備えをするよう推奨しています。以下、総領事館が推奨するウェブサイトなどを参考に、できるだけ準備しておきましょう。
1. 日頃の準備
・災害への備えのステップ https://mil.wa.gov/asset/5f171cc0a935f
1年の始まりに時間をかけて考えておくべき項目を紹介。
・準備のアドバイス
https://mil.wa.gov/plan
準備の初期段階からのアドバイスを掲載。計画を立て、連絡先を確認し、最低限持ち運ぶべき書類(パスポートなど)の選定を。アラート通報サービスへの登録も推奨している。以下は、特に家族とよく相談したい点。
・どのように家族と再会するのか(電話が使える場合、使えない場合)
・家の外での家族との待ち合わせ場所
・自宅から離れた待ち合わせ場所はどこにするか(徒歩で移動可能な距離か)
・自宅、職場、またはその他の場所への代替ルート(徒歩でも移動可能か)
・勤務先、学校、デイケアなどでの緊急時の計画
・遠隔地(州外など)の連絡先
・電気がない場合に備えた準備
・水道がない場合に備えた準備
・携帯電話が使えない場合に備え、重要な電話番号を、書き留めているか
2.遠隔地の連絡先
離れた地域に住んでいる友人または親戚を選び、緊急時の連絡先となってもらうよう頼んでおくことは大切です。災害時に、サービスの停止や回線の混雑により電話をかけることができなくても、遠隔地ならテキストメッセージを送れる場合があります。
電話をかける代わりに、自分がいる場所や、大丈夫か助けが必要かどうかなどをテキストメッセージで連絡し、家族同士の連絡を中継してもらいましょう。
3. 重要書類の保護
・書類のチェックリスト www.ready.gov/sites/default/files/2020-03/ready_emergency-financial-first-aid-toolkit.pdf
FEMA(米国連邦緊急事態管理庁)が作成した、緊急時に備える書類のチェックリストが利用可能。災害の直後、身元の証明、財産所有権の証明、保険金請求のために文書のコピーが必要になる場合がありますので、日頃から重要書類はコピーを作成し、安全な場所に保管しておくようにしましょう。クラウド・ベースのオンライン・プラットフォームを使用してドキュメントを保存する場合は、サイバー・セキュリティーに十分な注意を払ってください。
4.情報を収集する
●アラート通知サービス
https://mil.wa.gov/alerts
緊急事態が発生した際、正確な情報を早く知るため、政府機関によるアラート通知サービスに登録して、ぜひ活用しましょう。ワシントン州では今年5月より大規模地震に備え「ザ・シェイクアラート®地震速報(EEW)システム」も運用開始される予定です。
●メディアからの情報
アラート通知から情報が得られない場合、地元メディアからの最新情報も役に立ちます。警戒警報機能付きの「NOAA(海洋大気庁)」ウェザーラジオ専用受信機があれば、正確な気象情報を入手できます。
・KIROラジオ(AM710KHz、FM97.3KHz)
・KOMOラジオ(AM1000KHz、FM97.7KHz)
災害が発生したら
●さまざまな応急処置
www.nsc.org/pages/safety-training-pages/first-aid-video-library
パニックに陥ると、他人との接触や落下物などにより二次被害に遭うことがあります。気持ちを落ち着けて、必要な行動を取りましょう。万が一けがをしても、911通報がつながらない、救急隊が現場に来ることができないといったケースが予想されます。救急セットを準備し、応急手当の方法を習得しておくことが望ましいでしょう。非営利団体「NSC(The National Safety Council)」の上記動画が参考になります。
●総領事館での対応 www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pdf/dekiru-koto.pdf
総領事館では、緊急事態が発生した場合、インターネットや領事メールなどを使った情報提供、在留邦人の安否確認、被災者支援など、それぞれの事案に応じた対応を可能な限り早い段階で行います。「大使館・総領事館のできること」としてウェブサイトでその内容を掲載しています。緊急事態発生時の安否確認・支援活動は、提出された在留届を基に行われます。
※外国に住所または居所を定めて3カ月以上滞在する日本人は、在留届を提出することが法律で義務付けられています。www.seattle.us.emb-japan.go.jp/itpr_ja/zairyu.html
そのほかの役立つYouTube動画やウェブサイト
大規模災害への備えや治安・安全情報などについて掲載。在留届提出の案内も。
地震への備えに関する動画
■ワシントン州緊急事態管理局 Washington Emergency Management Division
防災グッズの種類からペットの避難まで、あらゆるマニュアルを掲載
■ワシントン州自然資源局 Washington State Department of Natural Resources
ワシントン州西海岸で大規模地震が発生した場合の津波到達予想に関する動画
■米国連邦緊急事態管理庁 FEMA