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細く長く来年に向けて〜ゆる〜くSDG’sな消費者生活

SDGsとは「持続可能な開発目標」。環境対策や貧困撲滅、ジェンダー平等などなど、大きな目標はたくさんあるけれど、私にもできることって? サステナブルで豊かなおうち時間を目指すべく「地球に、人に、そして自分に優しく」をテーマに、今気になるモノやコトを紹介!

この秋、ヨガを再開した。10年ほど前までは週5でレッスンに通うほど「一生懸命」だったが、パンデミック前の2019年を最後にぱたっと体を動かすのをやめてしまった。そもそも一生懸命だったのがいけなかったように思う。私は何かに取り組むとき、「細く長く続ける」ということができない。AB型の特性(?)か、子どもの頃からやることは0か100かだった。ヨガだって、本当は心の安定のためのものでもあるはずなのに、始めたからには真剣に体を鍛錬しなければ! となぜだか思い込み、レッスン中も常に頭をフル回転させ、今日はレッスンに行けなかったと言っては落ち込み、通うのが難しくなった途端、一切何もしなくなってしまった。

見た瞬間「これにするしかない!」とポチったデッドベアの限定マット。夫に「ファンだったの?」と聞かれ、初めてグレイトフル・デッドが単なるクマさんではなく、ヒッピー文化の象徴ともいえるサイケデリック・バンドだと知った。使うからにはやはり音楽も聴くべきか

そんな自分を改めようと、少しずつでも以前の感覚を取り戻すべく久しぶりにヨガスタジオを訪ねてみることにした。とはいえ、愛用していたマットはボロボロに劣化し、3年前の引っ越し時に処分してしまっていた。何事も形から入りたい私はまず新しいマットのリサーチから始めた。調べてみると、ヨガグッズ業界にも「エシカル」や「サステナブル」といった言葉が当たり前に浸透していることに時の流れを感じる。今や、10年はひと昔どころか大昔だ。私のお気に入りブランド、ジェイドヨガのマットは天然ゴムで作られていて、最終的には自然に還るという。そして一本購入するごとに一本の木が植林される。大定番のマンドゥカでは、どのアイテムにもリサイクル素材や天然素材といった素材から作られているとしっかり表記され環境への配慮が徹底されている。ヨガウェアで気になったのはインヤンという京都のブランド。いかにもなスポーティーなヨガスタイルとは一線を画す、よりナチュラルなデザインでほんのり和の雰囲気も漂っている。製品の90パーセント以上が自然素材、70パーセント以上が草木染めだとか。良いなあ、着てみたいなあ。高価だけど。

ボタニカルカラーのタイダイ柄とリラクシーなジャンプスーツ。普段使いしても素敵に見えるデザインは、ヨガを日常の一部として取り込める感じがする

そもそもヨガの哲学というのが、「非暴力」や「足るを知る」といった広い意味で自分も周りも心地よい生き方を理想として説いているというのだから、SDGsとは相性が良いはずだ。そんなわけで再開した矢先、カビたかぼちゃのヘタをペティナイフでとろうとして、うっかり左手のひらを負傷しERで縫合。しばらくは絶対に手でふんばれそうにない。それでもめげずに、新年からは今度こそ「細く長く」続けていきたい。

JadeYoga
https://jadeyoga.com
強いグリップ力を持つ天然ゴムのヨガマットに特化したブランド。環境に優しい製品を作るのみならず、さまざまな社会活動団体と提携し、同社製品を購入することでそれらの団体をサポートすることができる仕組みになっている。ヨガタオル一枚で発展途上国の成人が一人30日間必要とする新鮮な水を提供する「バイ・ア・タオル・プロバイド・フレッシュ・ウォーター・プロジェクト」のほか、熱帯雨林保護、植樹、自閉症児・家族の支援など多岐にわたる。また、日本限定カラー、萌葱グリーンのマットは売り上げの一部が能登半島復興支援に充てられる。

manduka
www.manduka.com
1997年、ヨガインストラクターであり建築家のピーター・ステリオス氏によって、「ヨガマットの良し悪しで世界はがらりと変わる」という信念のもと創立。ヨガアイテム全般を取り扱う人気ブランドで、ヨガをやっていたら一度は特徴的なカエルのロゴをみたことがあるはず。ヨガと地球は結びついているという考えのもと、可能な限り環境破壊をしないモノ作りを第一に考え素材を選定。ヨガマットから、タオル、小物、アパレルすべてに至るまで、生産時の環境廃棄物を最小限に抑えるように努めている。また、世界中での大量消費を減らすことを使命とし、「一生モノのヨガマット」をコンセプトに掲げている。

yinyang
https://yin-yang.jp
自然のリズムにそって生きるためのライフスタイルを提案するヨガウェアブランド。2009年よりオーガニックコットンをはじめとする天然繊維を使用した製品づくり、 製造者の健康や自然環境に配慮した、伝統的な方法での草木染めの製品に注力。2020年からは、「エシカル・ステップス」として、「アース・フレンドリー」(シングルユースプラスチック*の使用を 90パーセント削減し、コンポスタブルな素材を使用)、「ハンド・トゥ・ハンド」(製造者との密なコミュニケーョンを通して製造過程の透明性を守る)、「サステナブル」( 持続可能な未来に向けた地域経済の発展に貢献)の3つの理念を掲げ、ファッション産業の環境負荷低減に向けた取り組みを行っている。*1度だけ短時間使った後に廃棄されるプラスチックのこと

 

加藤 瞳
東京都出身。早稲田大学第一文学部卒。ニューヨーク市立大学シネマ&メディア・スタディーズ修士。2011年、元バリスタの経歴が縁でシアトルへ。北米報知社編集部員を経て、現在はフリーランスライターとして活動中。シアトルからフェリー圏内に在住。特技は編み物と社交ダンス。服と写真、コーヒー、本が好き。