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幼少の頃から SDGsです〜ゆる〜くSDGsな消費者生活

​SDGsとは「持続可能な開発目標」。環境対策や貧困撲滅、ジェンダー平等などなど、大きな目標はたくさんあるけれど、私にもできることって? サステナブルで豊かなおうち時間を目指すべく「地球に、人に、そして自分に優しく」をテーマに、今気になるモノやコトを紹介!

スターバックスのカップがホリデー仕様に替わり、街がキラキラし始めると、ああ今年もクリスマスの季節になったなぁと実感する。初めてシアトルに来たのも、ちょうどこの時期だったからなおさら感慨深い。何年経ったのか数えるのは怖いから割愛。さて、そろそろ皆々さま、自分の子たち、あっちの姪っこ、こっちの甥っこ、友人の子どもにと、クリスマスのプレゼントはどうしようと頭を悩ませる頃かもしれない。歳を取れば取るほど親戚の子どもが増え、毎年せっせと聞き込みやリサーチに忙しい。クリスマスのプレゼント(=日本で言えばお年玉)を自分があげる側になったんだなぁ、としみじみしてしまう。

ダントーイのバイオプラスチック製トレイン今はアメリカにもオフィシャルサイトができておりアマゾンで購入OK

そうして調べていると、おもちゃの世界にもSDGsがしっかり浸透していることに気付く。昔から、おもちゃは長く使える木製が良いと常々考えていた。置いておくだけで見栄えもするし、やや高価なものが多いので贈られてうれしい。さらに、長ーーーーい目で見て地球に還る優しさも感じる。しかし、最近はそれとはまた別アングルから地球に優しい製品を見かけるようになった。

最初に知ったのは、デンマークのダントーイ。2年前のクリスマスの作戦会議で義姉が紹介してくれた。まず目を引くのはその色使い。淡いピンクにモカブラウン、クリームイエローにオリーブ色など、絶妙な配色が素敵だ。目にもまぶしい原色のあふれるおもちゃ界にあって渋過ぎる! そしてダンプトラックに電車、キッチン・セット、どれもそんな感じだから、まさしくジェンダー・ニュートラル。さすがデンマーク……と感嘆したものである。

パッと見、プラスチックかぁと思いきや、チッチッチ。プラはプラでも、植物由来のバイオプラスチックだ。原油を原材料とした従来のプラスチックとは異なり、無害な農法で育てられたサトウキビやリサイクル素材を使って製造されている。木製だと濡らすのに抵抗がありそうな、ビーチ遊びやお砂場道具にもぴったりのエコ素材。

▲ダントーイのバイオプラスチック製トレイン。
今はアメリカにもオフィシャル・サイトができており、アマゾンで購入OK

アメリカ製ならグリーントイズも定番だ。主原材料はリサイクルした牛乳のプラスチック容器で、安全な着色料を使用している。パッケージも、もちろんリサイクル素材。印刷には大豆インクを用いる徹底ぶりである。同社のおもちゃは、子ども向けミュージアムや教育現場にも取り入れられている。こんなおもちゃに囲まれ、幼少のみぎりから「意識高い系」でいられたら素晴らしいことだと思う。

■Dantoy
https://dantoyusa.com

デンマークにて1964年設立。砂遊び用のシャベルやバケツは40年以上変わらないデザインで、世代を超え愛されている。玩具メーカーで初めて、北欧の環境ラベル、ノルディック・スワン(通称スワンマーク)を取得し、北欧の多くの教育機関が同社の遊具をそろえる。

■The Nordic Swan Ecolabel
www.nordic-swan-ecolabel.org

1989年に導入された世界初の多国間環境ラベル。現在はノルウェー、スウェーデン、フィンランド、デンマーク、アイスランドの北欧5カ国全てが参加する。各国で流通する製品について、原材料の採取から製造、使用後の処分に至るまでの環境負荷を審査し、認証を与えている。

■Green Toys
www.greentoys.com

2007年創業の、カリフォルニア発エコ・ブランド。地球環境に優しいものづくりを目指す同社のおもちゃは、全てアメリカ国内で生産。一般的なプラスチック製品は人体への有害性が懸念されるBPAやフタル酸エステルが使われているが、それらを含まず安全性が高いので子どもにも安心。

■朝日新聞「バイオプラスチックとは? メリット・デメリットをわかりやすく解説」
www.asahi.com/sdgs/article/15012767

朝日新聞の特設サイト「SDGs ACTION!」内のコラム。バイオプラスチックには2種類あり、植物原料の「バイオマスプラスチック」は必ずしも自然に還る生分解性とは限らず、よく耳にする海洋プラスチックゴミの問題解決には「生分解性プラスチック」の普及が鍵とのことだ。

 

東京都出身。早稲田大学第一文学部卒。ニューヨーク市立大学シネマ&メディア・スタディーズ修士。2011年、元バリスタの経歴が縁でシアトルへ。北米報知社編集部員を経て、現在はフリーランスライターとして活動中。シアトルからフェリー圏内に在住。特技は編み物と社交ダンス。服と写真、コーヒー、本が好き。