SDGsとは「持続可能な開発目標」。環境対策や貧困撲滅、ジェンダー平等などなど、大きな目標はたくさんあるけれど、私にもできることって? サステナブルで豊かなおうち時間を目指すべく「地球に、人に、そして自分に優しく」をテーマに、今気になるモノやコトを紹介!
昨年末に引っ越しをした。家賃上昇はシアトル大都市圏に一応属するわが街も例外ではなく、長年の気楽なアパート生活についに終止符を打つ決心をしたのだ。そして人生で初めて、小さいながらも庭のある「家」に住むこととなった。
越してすぐ、まずは試しにとチューリップの球根を植えた。この春、その芽がカナディアングースの襲撃にもめげずににょきにょきと伸び始めたのを合図に、せっかくなのでガーデニングに挑戦してみようと思い立った。そして、いつか絶対植えようと決めていたラベンダーの苗を買いに、近所の園芸店を訪ねたのだった。
芝生以外は基本的に土丸出しのわが家の敷地。店のおばさん(おそらく昔はヒッピーだったに違いない雰囲気)のアドバイスを聞きながら、ラベンダー2種のほかにクリーピングタイムや、ローマンカモミール、ついでにイチゴの苗も買い込んだ。早速庭をほじくり、なんだか粘土みたいな硬い土だなぁ、大丈夫かなぁと思いつつ植え付けたのが3月のこと。
ところでその園芸店だが、「花を植えて地球に優しく」的な看板が置いてあった。ガーデニングがどう地球に優しいのかと気になり調べると、確かに庭造りを通じ環境保護に貢献することができるらしい。たとえば、緑が少ない街中では庭が虫や鳥などにとって貴重な生息の場となり、地域の生物多様性を支えている。実際、ハーブを植えたとたん、庭に蜂や蝶、鳥がやって来るようになった。野生の生物の嗅覚には驚かされる。また、ヒートアイランド現象の緩和や、街全体の雨水排水の手助けにもなるのだとか。もちろん、ガーデニング作業自体にもサステナブルな方法がある。なるべくプラスチックを含まない道具を使用する、肥料には野菜クズなどをコンポストし生ゴミも減らす、などなど。これはやらない手はないじゃないか。
しばらくして、なんとなくローズマリーの元気がないことが気になった。するとやはり、あの粘土質の土壌が水はけを悪くしているのが原因のようだ。いろいろと調べ、土壌改良を試みることにした。ひたすら庭の土を掘り起こし、土壌改良剤のパーライトと、腐葉土代わりのコンポストソイルを混ぜ込む日々。サステナブルなだけでなくエクササイズにもなってしまった。
余談だが、庭の至る所から建設作業時の資材ゴミが出土し、アメリカの土建事情に閉口するなんておまけもあった。結局、この春は苗の植え付けよりも穴掘りに終始してしまったので、来春に向け秋の球根植え付けを心待ちにしている今日この頃である。
■Brothers Green Hoses
膨大な品ぞろえで、日本由来の植物も数多く見られる園芸店。質問すればすぐに学名まで出てきてしまうほど知識豊富なスタッフ陣も頼もしい。シアトルからはフェリーと車で、タコマからは車で30分程度。
■︎Carpinito Brothers Farm
コンポストのほか、バークチップや堆肥、培養土などをオーガニックも含め幅広くそろえ、地域によって配送も行っている。ファームではクリスマスツリーの販売やハロウィンのパンプキン・パッチなど、シーズンごとのお楽しみも。
■Houzz「庭から考えるサステナビリティ」
www.houzz.jp/ideabooks/140404717/list
「地球に優しいガーデニング?」と調べ始めてたどり着いたのが、インテリアや住宅建築に関する情報サイト、Houzzのこの記事。プロの造園家によるコラムに、庭造りの環境への効果がとてもわかりやすくまとめられている。
■︎ガーデンストーリー「ビオガーデンとは?生き物と住み、心が癒やされる暮らし方」
https://gardenstory.jp/gardening/103
多様な自然・生物が生息できる空間を指す、ビオトープという言葉を知った。都市計画における屋上緑化など、国や自治体がさまざまな形でビオトープの導入を進めている。家庭でのガーデニングにも取り入れられ、ビオガーデン(ビオトープ+ガーデン)とも言うそう。試してみようかしら。