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私は家庭菜園に憧れている〜ゆる〜くSDGsな消費者生活

​SDGsとは「持続可能な開発目標」。環境対策や貧困撲滅、ジェンダー平等などなど、大きな目標はたくさんあるけれど、私にもできることって? サステナブルで豊かなおうち時間を目指すべく「地球に、人に、そして自分に優しく」をテーマに、今気になるモノやコトを紹介!

「趣味は園芸です」と宣言するには初心者過ぎる私だが、今年は人生で2回目の栽培となるミニトマトが鈴なりに実ってくれて、ニヤニヤが止まらない。

昨夏も本コラムでちらりと触れたのだが、ガーデニングに挑戦している。宅地造成され、まだ日の浅いわが家の土壌は、とにかくひどい粘土質。昨年はひたすら耕し、コンポストを混ぜ込むという作業に明け暮れていた。そして2年目の今年、大きく育ち花開いてくれた多年草の株も、大きくならなかった(でも頑張っている)株も、みんな無事に生き延びてくれてありがとう、とかわいさもひとしおである。

今年は肥料をサボらなかったおかげで8月上旬現在ミニトマト2株合わせて80以上もの実が付いているよりサステナブルにコンポストも始めたいなんてやってみたいことは次々と

ガーデニングと言えばやはり憧れるのは、家庭菜園。アメリカでは手に入りづらい日本のナスやキュウリ、オクラなんかの夏野菜が自給自足できたら、なんてサステナブルかしら! 特に赤い実の食べ物はいくらあっても困らないと常々思っている。昨年初めて買った苗はイチゴ。今年はうっかり植え付け時期を逃してしまったが、昨年の株は健在だ。ミニトマトはスーパー・スイート100にサン・シュガーと、いかにも甘くなりそうな名前の2品種を植えた。

ちなみに、よく視聴する園芸初心者向けYouTubeチャンネルの「園芸超人カーメン君」が、トマトは斜めに植え付けてトレリスに巻き付けるように育てるとたくさん収穫できると言っていた。今年はチャレンジしてみたが、さっぱりうまくいかなかった。斜めに伸びた後、上に向かってフラフラしながら育っただけだったので、来年は普通に植えようと思う。

サンシュガーという名前のミニトマトずいぶん待っても赤くならないと思っていたらなんと黄色い実の品種だった笑写真左は庭仕事に必須のサンハット大好きなキジマ タカユキのもので植物染めのテキスタイルは環境に優しいらしい形から入るのも大事という買い物の言い訳
ワシントン州衛生局はアサルコ社の銅製錬所があったタコマ近郊の土壌の安全性を確保するタコマスメルタープルームプログラムを行い土壌汚染マップを作成している無料で自宅土壌のサンプリングが可能な場合もあるので気になる人は要チェック©︎Washington Department of Ecology

さて、憧れの夏野菜だが、実はいまだ手を付けられずにいる。というのも、レイズドベッドを購入してからにしようと決めたから。なにしろ庭の土質があまりにひどかったため(建材ゴミが多数出土!)、土壌の安全性が心配になってしまったのだ。調べてみると、やはり宅地造成用に運び込まれた土の汚染はないこともないみたい。せっかく地面がそこに見えているのに……と悔しい気もするが、レイズドベッドなら土が温まるのが早いのも利点だとか。こうなると、買い物好きの血が騒ぐ。どんなものを購入すべき? 安全性は? と、リサーチ、リサーチ、リサーチ。

どうやら、ベゴ・ガーデンのスチール製レイズドベッドが良いらしい。色もアイボリーやオリーブグリーンなんてあって、洒落ている。来年こそはと心に決め、ブラック・フライデーでセールになったりしないかな、と期待を膨らませている。園芸を通じ、未来に思いを馳せる。良い趣味だなあ。
https://ecology.wa.gov/spills-cleanup/contamination-cleanup/cleanup-sites/tacoma-smelter

■Vego Garden®
https://vegogarden.com

多種多様なサイズ、形のスチール製レイズドベッドを販売。USDA(米農務省)認定の塗料を用いた素材は、耐用年数20年以上(!)だそう。リサイクル可能な素材、堆肥化可能なパッケージ、有害な化学薬品は不使用といったさまざまな方向性から、サステナビリティに取り組んでいる。鋭利な部品を使わない、子どもやペットに優しいデザイン。高さのあるコレクションは、お年寄りや体の不自由な方に配慮したもの。

■Down To Earth Fertilizers
https://downtoearthfertilizer.com

オレゴン州ユージーン発の天然肥料ブランド。環境のことを考えれば、化学肥料はできるだけ使いたくない。ここでは、有機肥料、土壌改良材、堆肥、培養土などを取りそろえており、筆者はベジタブル・ガーデン4−4−4(数字は窒素、リン酸、カリウムの肥料成分の割合)を愛用している。いつも利用する園芸店で勧められて使い始めたが、コンポストにできるというパッケージもキュートで気に入っている。

■マナトピ「おうちにあるもので家庭菜園にトライ!
自然に優しい”サステナブル”なガーデニング」
https://manatopi.u-can.co.jp/life/210413_2843.html

よりサステナブルに家庭菜園に取り組むには? サステナブルな生活を求めてロサンゼルスから鹿児島県に移住し、畑作を行うアームシャー理恵さんが、ガーデニングに関する疑問に答える。コンポストはもちろんのこと、卵や牛乳のパックといった身近な物を発芽用のプランターに再利用するなど、簡単に続けられる方法を指南。園芸もやり方次第で、もっと環境に優しくできる。

■Carmen-kun Garden Channel
www.youtube.com/@Kahmen-Gardening

愛知県の園芸店に20年以上勤める「園芸超人カーメン君」のガーデニング専門チャンネル。園芸初心者にもわかりやすく、親しみが湧く。目からウロコの園芸テクニックや日本中の素敵な個人庭を動画で紹介。「レイズドベッドを始めたら、どれだけの土が必要に……?」とおびえているが、ポッティング・ソイルの再生方法など、役に立つ情報がいっぱいだ。

東京都出身。早稲田大学第一文学部卒。ニューヨーク市立大学シネマ&メディア・スタディーズ修士。2011年、元バリスタの経歴が縁でシアトルへ。北米報知社編集部員を経て、現在はフリーランスライターとして活動中。シアトルからフェリー圏内に在住。特技は編み物と社交ダンス。服と写真、コーヒー、本が好き。