SDGsとは「持続可能な開発目標」。環境対策や貧困撲滅、ジェンダー平等などなど、大きな目標はたくさんあるけれど、私にもできることって? サステナブルで豊かなおうち時間を目指すべく「地球に、人に、そして自分に優しく」をテーマに、今気になるモノやコトを紹介!
アメリカで暮らし始めてから、日本の良さを日々再発見している。やはり日本製が良い!と思うもののひとつに靴下がある。夫婦ともども靴下好きを自認するが、靴下に関してはデザイン、履き心地共に日本のものが断然優れていると感じる。そして価格と品質のバランスも。適当な服を着ても、靴下がちゃんとしていればそれなりにおしゃれに見える(気がする)し、夫はとにかく「気持ちが良い」ことにこだわっている。
というわけで、日本に帰省するたびに靴下をまとめ買いしている。愛用ブランドはおなじみの靴下屋。以前何かの番組で、タビオ(靴下屋の社名)の社長は靴下を自分の口で直接かむことで品質を確かめていると言っていた。「なんで?」とは思ったが、そのくらいこだわっているということだろう。うらやましいのは夫の靴下で、なぜかメンズのラインだけ無料でワンポイント刺しゅうのサービスがある。シーズン限定のデザインもあり、いつもズルいなあと感じている。
前回の帰省(コロナのせいでもう3年前。夫の靴下もすっかり穴だらけ)の際、東京・国立駅内の書店で、フレンチブルというブランドの靴下にひと目ぼれしてしまった。最近の日本の書店は洒落た生活雑貨をたくさん並べていて、物欲を刺激し非常にキケンである。凝った編み込みのデザインに好みのふんわり感。フレンチブルドッグのゆるいロゴも妙にかわいい。しかし高い(確か2,000円くらい)。ウールで洗濯も面倒くさそうだ。すでにまとめ買いもしたばかり……。友人とカフェに行って散々しゃべり、駅に戻って店を2周してもやっぱり欲しかったので、思い切って2足購入した。大正解だった。とても×10くらい履き心地が良い。とにかく気に入り、冬に履くのを楽しみにしている。多少高くても良いものを長く大切に履けば、安価な靴下を使い捨てにするよりずっとエコなはず。
そんな私のフレンチブルもだいぶ擦り切れて、「補修しなきゃなあ、アメリカじゃ売ってないよなあ」なんて思っていたところ、ニューヨークの杏というオンライン・ショップ(www.anzunewyork.com)でヤハエというブランドが目に留まった。日本の靴下生産の中心地、奈良県で100年続く会社のブランドで、オーガニックコットンを使用し、化学染色ではない自然由来の糸による色表現を追求しているそう。ビーガン製品もあるらしい。新年セールで早速ポチってしまった。アメリカで日本の古き良きものを新たに見つけるとは。あぁ、届くのが待ち遠しい。
■タビオ
1968年創業の靴下専業企業。靴下屋ほか、紳士靴下専門のタビオメンなどさまざまなブランドを展開する。近年ではエコソックスの開発、奈良の耕作放棄地を活用した綿の有機栽培など、SDGsへの取り組みも活発に行う。アメリカでもオンライン販売あり(https://tabiousa.com)。
■French Bull
「日々の暮らしにそっと寄り添うような心地良さ」がテーマの、日本国内生産にこだわった服飾雑貨ブランド。社員7名が職人たちとタッグを組み、楽しみながらものづくりに励んでいる。系列ブランドにはメンズ靴下のJake(ジェイク)やレディース・インナーウエアのCion(シオン)がある。
■yahae
1820年に木綿業から始まり、1921年より靴下製造を続ける老舗企業のヤマヤが、2020年にスタートさせた新たな靴下ブランド。「100年先を見据えたものづくり」をキーワードに、理想の履き心地と人と地球環境に優しいアプローチを掲げて生産する。EMSでの海外発送も行っている。