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初心に返りSDGsを考える、の巻 -前編-ゆる〜くSDGsな消費者生活Vol.13

​SDGsとは「持続可能な開発目標」。環境対策や貧困撲滅、ジェンダー平等などなど、大きな目標はたくさんあるけれど、私にもできることって? サステナブルで豊かなおうち時間を目指すべく「地球に、人に、そして自分に優しく」をテーマに、今気になるモノやコトを紹介!

春らんまん。このたび、本コラムは連載丸1年を迎えた。この1年でSDGsへの取り組みはますます至るところで耳に、そして目にするようになっている。せっかくなので今回は1周年記念として特別ゲストを迎え、お話をうかがうことにした。以前、本コラムにも登場した田中めぐみさん。ニューヨークを拠点にアメリカの環境政策・ビジネスに関する調査、コンサルティングを行う田中さんは、まさにサステナブル・ビジネスの先駆者。ここらでひとつ、プロフェッショナルの言葉を聞いて、気持ちを新たによりいっそうSDGs道に邁進(まいしん)しようじゃないか!

改めてサステナブルなファッションって と調べていたら日本の環境省が出している情報シートを見つけた下記参照現在1日に焼却埋め立てされる不要な衣類はなんと平均1300トン大型トラック130台分だそう衣替えシーズンを前に何かと考えさせられる

筆者(以下ひ):代表を務めるFBCサステナブル・ソリューションズで「サステナブル社会の実現に貢献する」という理念を掲げるまでに至ったきっかけは何だったのでしょう?

田中さん(以下た):最初にファッション・ビジネスのコンサルティング会社を立ち上げた2002年当時は、サステナビリティーに関する知識や関心は特にありませんでした。トレンドを前提に動くファッション業界に身を置いて仕事をする中で、次第に無駄の多さに疑問を抱くようになったんです。2005年頃から環境や社会に配慮したファッションや製品を提供するデザイナーと企業が出てきたことから、そうしたファッション・ビジネスの普及に取り組み始めました。ですが、トレンドを作り出すことで消費を促進する業界構造では、本質的にサステナブルにはなり得ないだろうという思いがありました。また、調べれば調べるほどに環境・社会問題の深刻さを実感する日々でした。そこで徐々に仕事の領域を広げ、業界を問わずサステナブルなビジネスや政策のための活動をするようになりました。

ひ:最近では「SDGs」がトレンドと言えるほど話題ですよね。

UNDPなどが主導するライオンズシェア基金wwwthelionssharefundcomというものを最近知ったブランドや自然保護活動家消費者が一体となって世界の自然や生物多様性気候などの危機に取り組むという活動で企業が動物の登場する広告キャンペーンを展開するたび広告媒体費の05が同基金に寄付されるカルティエやグッチも参加している

た:SDGsが採択されたのは2015年ですが、アメリカでは業界関係者の間で少し話題になり、企業が対処すべき事項がまたひとつ増えた、という雰囲気でした。日本では2017、18年頃からでしょうか、政府の政策に加えメディアが取り上げるようになったようで、弊社への問い合わせも増えました。SDGsは専門用語なので、アメリカでは環境関連に携わっている人しか知らないと思います。日本では一般市民が使っていて、面白い現象でした。随分前に、「ロハス」という言葉が流行りましたが、その時と同じような印象を受けました。

ひ:そうなんですか! 本コラムでも以前、日本のSDGsブームの背景として、日本の外務省や経団連の取り組みと国連開発計画(UNDP)のサポートについて紹介しました。

後編に続く

田中めぐみ■ニューヨーク在住21年。FBCサステナブル・ソリューションズ代表。慶應義塾大学を卒業後、経営コンサルティング会社勤務を経て渡米。ニューヨーク州立ファッション工科大学卒業の後、2002年米国で起業。環境・社会問題に関する事業・政策のリサーチ・コンサルタントとして、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを行う。ハーバード大学エグゼクティブエデュケーション サステナビリティリーダーシップ修了。著書に『サスティナブルシティ ニューヨーク』、『グリーンファッション入門』(共に繊研新聞社)などがある。

■環境省「サステナブルファッション」

www.env.go.jp/policy/sustainable_fashion

ファッション産業の特徴や環境負荷の実態から、私たちがすぐに取り組めるアクションまで、ピクトグラムでわかりやすく解説。企業の取り組みの事例も紹介している。一読の価値あり。

■︎UNDP「ミッション1.5」

http://mission1point5.org/game/jp/ja/index.html

UNDPが、ゲーム開発や気候科学、世論調査の専門家と共同で開発した無料オンライン・ゲーム。気候政策の立案者となり、地球温暖化の気温上昇を摂氏1.5度未満に抑えるための意思決定を行うのがミッションだ。ゲームを通して環境問題を学べるので、ぜひ試してみて欲しい。

 

加藤 瞳
東京都出身。早稲田大学第一文学部卒。ニューヨーク市立大学シネマ&メディア・スタディーズ修士。2011年、元バリスタの経歴が縁でシアトルへ。北米報知社編集部員を経て、現在はフリーランスライターとして活動中。シアトルからフェリー圏内に在住。特技は編み物と社交ダンス。服と写真、コーヒー、本が好き。