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あなたの知らない世界

みんなの広場

「あなたの知らない世界」

多民族国家・アメリカにいる醍醐味は、今まで知らなかった世界と、日本にいた頃より身近に出合えることだ。アメリカで生活し始め、英語に自信のなかった私はESLに通うことにした。シアトルにあるコミュニティー・カレッジや専門学校が、移民・難民向けに低価格でESLを提供していると聞いたためだ。各国出身のクラスメートから聞いた、「へえ~」な話を共有したい(人物名は全て仮名)。

■ポピーシードは美女を作る?ーー チェコ

チェコ出身のルルは、「スーパーでポピーシードが見当たらないのよ」と言う。普通にベーキングのコーナーで見つかると答えると、「そうなんだけど、大きな袋入りがないの」と困った様子。マフィンでも大量に焼くのかと思えば、チェコ人にとってポピーシードは、たとえるなら日本の米。パンやパンケーキ、伝統料理のポテト・ダンプリング作りに欠かすことのできない食材なのだ。東欧美女が多いことでも知られる同国だが、その秘密はポピーシードにあるのかもしれない。

■ウォッカはビールーー ウズベキスタン

自国で医者だったソグドはウズベキスタン出身。同じアジア地域にあるとはいえ、私にとってなじみのない国である。中東や欧州に近いウズベキスタンは、古代の交易路であるシルクロードの交差点。ターコイズカラーが美しい歴史的建造物も多く、エキゾチックという言葉がぴったりの国だ。70歳代の彼は旧ソビエト連邦だった頃を経験し、ウォッカを飲むことが仕事後の楽しみだったとか。彼の肝臓が心配ではあるが、ウズベキスタンでは非常に一般的な飲み物だそう。イスラム教国だが、お酒に関しては寛容みたいだ。

■最強の痩せ遺伝子を持つ国ーー エリトリア

「私は万年ダイエッター」とぼやいていたら、アフリカ大陸にあるエリトリア出身のアスマルは「僕はダイエットの必要はないよ」とうらやましいことを言う。エリトリアは、BMI平均値で見ると、世界で最も痩せている人が多い国。干ばつによる食糧難、男女問わず無期限の兵役や政府事業の労役があるなど、つらい裏事情もあるが、彼を含めエリトリア人はもともと太りにくい体質なのだそう。

ほかのクラスメートとも、各国の健康保険事情や英語教育などいろんな話をした。また、アメリカで仕事を見つけ、自立して生きていこうと意欲的で前向きな生徒が多く、私も多くの刺激を受けた。適度にコンフォート・ゾーンを出る経験は、脳や五感を刺激し、アンチエイジングにつながるとも言われる。ありきたりだが、世界は本当に広い。慣れ親しんだ場所から飛び出すことにはとても勇気が要るが、自分の視野を広げ、人生の豊かな経験になる。これからも新しい挑戦を恐れず、自分の壁を越える勇気を持つ私でありたいと思う。

(日本テレビ/シアトル)

 

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