Home 観光・エンタメ シニアがなんだ!カナダで再出発 カナダ発祥の地でロブスター...

カナダ発祥の地でロブスター三昧

カナダに移住して2年。この国をもっと見て周りたいと思っていたら友人のジェームズが、5月末は東海岸でロブスター祭をやっていると言う。即決断して、2人でカナダの発祥地ともいえる大西洋岸に1週間の旅行に出かけることにした。道中ずっと20℃ 前後の好天気に恵まれた。
最初の到着地ノバ・スコシア州ハリファックス市では、桜が満開だったり、バンクーバーと4時間も時差があるのにも驚いた。フォート・ジョージを擁する要塞丘を見上げるダウンタウン中心部には、古いビルの表面を保存しつつ内部を改装したり、その上にモダンなビルを建て増す建築工事がいくつもある。
ここから、メモを頼りに行き当たりばったりのドライブ旅行が始まった。
翌日は早速、朝からロブスター入りのベネディクト。海辺を散歩した後、レンタカーで出かけたところはペギーズ・コーブ。かつて移民が住み着いた漁村がほとんどそのまま保存されていて、沿海州(The Maritimes)とあだ名される地域独特の風景となっている。海岸一帯が白い石で覆われ、まぶしい。
記念撮影を済ませると昼。うまい具合にロブスターを食べさせるレストランが一軒あったので、各自1.25ポンド一尾を丸ごと注文。「ロブさん悪いな」と罪の意識を感じながら前掛けをし、テーブルマットに書かれた要領に沿って殻を割り、手が汚れるのも構わずぱくつく。ダンジネスクラブにも似た独特の食感に、罪の意識はどこへやら、至福の味わい。チャウダーとポテトが付いて25カナダドル。旅行中4、5回食べたどのロブスターよりも安くてうまかった。

ロブスターと筆者-min

翌日、先住民も交えた英仏間争いの歴史をのぞかせるファンディー湾の東南端にあるグランプレを訪ねた。ここは17世紀後半から海沿いに肥沃な土地を開墾して住み着いていたフランス系移民が18世紀半ばに英軍に追放されたところだ。次に、17kmもの長さの有料橋(往復45カナダドル)を渡り、プリンス・エドワード・アイランド州を訪ねた。島最大のシャーロットタウン市は、1864年英領北アメリカの代表が集まってカナダの連邦結成について話し合い、1867年7月1日に自治領カナダが生まれる引き金となった歴史的な街。この日は建国記念日「カナダ・デー」になっている。高級車や大邸宅はあまりなく、一見質素な住民の生活ぶりが新鮮であった。この島には「赤毛のアン」で有名な「グリーンゲーブルズ」が保存され、日本・韓国人観光客も大勢訪ねて来る。
最後に訪れたニュー・ブランズウイック州のモンクトンはメイン通り数ブロックにわたってホテルや商店が並ぶのみの小さな街。干満潮差世界一のホープウエル・ロックスはユネスコ生物圏保護区になっている。
帰りの飛行機チェックインまで時間があったので、近くのシェディアックを訪ね、最後のロブスターを買ってピクニック。歴史探訪や建築物も印象的であったが、食い意地の張った我々にはロブスターが旅行のハイライトとなった。

[カナダで再出発]

滋賀県生まれの団塊世代。京都産業大学卒業後日本を脱出。ヨーロッパで半年間過ごした後シアトルに。在シアトル日本国総領事館に現地職員として39年間勤務。政治経済や広報文化などの分野で活躍。ワシントン大学で英語文学士号、シアトル大学でESL教師の資格を取得。2013年10月定年退職。趣味はピックルボールと社交ダンス。