米国移民法を専門とする琴河・五十畑法律事務所 (K&I Lawyers) の五十畑諭弁護士が、アメリカに滞在するで知っておくべき移民法について解説します。
本コラムで提供される情報は一般的かつ教育的なものであり、個別の解決策や法的アドバイスではありません。また、情報は掲載時点のものです。具体的な状況については、米国移民法の弁護士にご相談ください。
結婚によるグリーンカード取得とアジャストメント申請のよくある質問
本記事では、結婚を通じたアジャストメント(Adjustment of Status、AOS)申請を検討している方々から寄せられる質問に、わかりやすくお答えします。
結婚ベースのアジャストメント申請とは何ですか?
米国市民またはグリーンカード(永住権)保持者との結婚を通して、外国人配偶者がアメリカ国内に滞在したまま永住者としての資格を申請する手続きです。現在の滞在資格から、グリーンカード保持者へとステータスを変更します。
アジャストメント申請中に就労はできますか?
アジャストメント申請と同時、もしくはその後に就労許可を申請し、就労許可証(Employment Authorization Document、EAD)を取得すれば、審査中でもアメリカ国内で合法的に働くことができます。現在、就労許可証の審査には 60日から90日程度かかっています。就労許可証が発行され、手元に届くまでは就労を開始することはできません。
アジャストメント申請中にアメリカを出国することはできますか?
アジャストメント申請中にアメリカ国外へ出る場合、必ず、出国前に一時渡航許可証(Advance Parole)を申請し、取得しておく必要があります。しかし、渡航許可の審査期間は就労許可証より長くなることがあり、場合によってはアジャストメント申請が先に認可される可能性もあります。一時渡航許可証を取得しないまま出国すると、アジャストメント申請を放棄したものとみなされ、申請が却下されますのでご注意ください。
面接は必ずありますか?
通常、移民局は結婚の真実性を確認するために夫婦そろって面接を行います。コロナ禍以降、面接が免除されるケースもありましたが、現在は面接が行われています。
結婚が本物であることを証明するにはどのような証拠が必要ですか?
移民局は結婚の真実性を確かめるため、さまざまな証拠を求めます。代表的なものとして、 共同名義の銀行口座やクレジットカード、賃貸契約書、住宅ローン明細書、共同の納税証明書、子どもがいる場合は子どもの出生証明書、一緒に加入している保険証書、結婚式や家族で撮った写真 、旅行日程表、その他の共同責任を示す書類 、友人や家族による関係証明の宣誓供述書などがあります。また、二人の名前が並んで記載された郵便物や、共通の公共サービスの請求書なども有効です。
共同名義の銀行口座を作っていないと不利になりますか?
一緒に住んでいることや共同名義の財務関係書類は、夫婦の実態を示す有力な証拠となります。しかし、移民局は結婚生活全体を総合的に判断するため、共同名義の銀行口座がないことだけで審査に不利になるとは限りません。銀行口座を共同で開設していない場合は、夫婦としての日常や共同生活が客観的にわかる資料を、ほかの形で幅広く集めるとよいでしょう。
それぞれ別々の州で働いていて、一緒に住んでいないのですが、問題でしょうか?
同居は真実の結婚を示す強力な証明となるため、別居している場合は明確な理由説明と裏付け資料の提出が必要です。仕事、学校、軍務、家族の事情など、正当な別居理由を伝え、連絡履歴や訪問時の旅行領収書、共同名義の金融口座、共同の納税証明書、友人や家族による宣誓供述書、夫婦での写真など、離れて暮らしていても婚姻関係が実質的に続いていることを示す証拠を提出すると良いでしょう。
グリーンカードが承認される前に結婚が解消された場合はどうなりますか?
グリーンカードが承認される前に結婚が解消された場合、原則として結婚ベースの申請資格を失い、グリーンカードの取得は非常に困難になります。 ただし、スポンサーである配偶者が亡くなった場合や、配偶者から家庭内暴力(DV)などの虐待を受けていた場合には、例外が認められることがあります。
条件付きグリーンカードとは何ですか?
グリーンカードが承認された時点で、結婚期間が2年未満の場合、条件付きグリーンカードが発行され、その有効期間は2年間です。有効期限が切れる90日前から条件解除申請(Form I-751)を行う必要があります。条件解除が認められると、10年有効のグリーンカードが取得できます。













