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テキーラ列車に乗って大人のアドベンチャーへ グアダラハラ・テキーラ(メキシコ)

テキーラ列車に乗って大人のアドベンチャーへ
グアダラハラ・テキーラ(メキシコ)

テレビ朝日の長寿番組「世界の車窓から」に登場し、一瞬で筆者のハートを奪ったテキーラ列車。その体験は期待以上でした。お酒好き×旅好きのキーワードが当てはまる人は迷わずGO!

(取材・文:磯野 愛)

まるまる1日、テキーラ三昧!

テキーラと言えば、その場の勢いでショットグラスを空けたとか、憂さ晴らしや景気づけに無理やり飲んでみたとか、いわゆる「若気の至り」という人生の1ページに登場する、そんな存在のような気がしていた。しかし、テキーラ・エクスプレスの旅を通して、テキーラのおいしさはもちろん、その奥深さを丸1日かけて知ることができた。

座席は3クラスありいちばん安い約110USドルエクスプレスワゴンに乗車向かいの席のカップルが喧嘩中だったことを除けば十二分に快適

フランスのシャンパーニュ地方で造られたものしかシャンパンと呼べないのと同じように、テキーラもメキシコ国内の決められた地域で製造されたものしかテキーラと呼ぶことはできない。ホセ・クエルボ社が毎週土曜日に運行するテキーラ・エクスプレスは、メキシコ第2の都市であるグアダラハラからテキーラ村へ向かう観光列車。車窓に広がる雄大な景色を、テキーラを片手に楽しみながら、約70キロの距離をおよそ1時間半かけて走行する。

テキーラ村でテキーラ製造工場を見学!

朝8時、駅に集合。出発時間までメキシコ伝統の舞踊と音楽が披露され、待合所は神秘的な雰囲気に包まれる。すでに興奮MAXだが、ここからが本番。英語組とスペイン語組に分かれて列車に乗り込むと、ワカモレやチップス、エスキーテ(とうもろこしにバターやチーズなどを混ぜたもの)といったメキシコらしい軽食と一緒にテキーラが振る舞われる。テキーラ・マエストロによるレクチャーに耳を傾けている間も、列車はテキーラの原料となる多肉植物の一種、アガベ畑の中を、ゆっくりと駆け抜けていく。

アガベ畑では葉の断裁を体験

テキーラ村に到着後は、いよいよテキーラ工場見学へ。アガべは、葉の先端までは大人の背丈を超える高さがあるが、テキーラに使われるのは根本(茎)の部分だけ。テキーラの香りが漂い、作業音が響く工場内では、このアガべを蒸す大きな窯や熟成用の樽などを見て回る。その後は自由時間。周囲のレストランでランチにするも良し、数多ある土産屋でショッピングするも良し。復路はバスとなり、往路で通り過ぎたアガベ畑にも停車。車内ではゲームで盛り上がり、筆者はビンゴで勝利してテキーラの土産までもらった! グアダラハラに戻ったのは夜8時頃であった。

極上のエンターテインメント旅

何より素晴らしいのは、随所にエンターテインメントの要素が施されていて、1日を通して時間を持て余すことがないこと。ツアーの全行程がとても洗練されている。

列車の発車を待つ時間でさえも余すところなく楽しませてくれる

ドリンクが飲み放題というのもうれしい。列車に乗った瞬間から帰りのバスを降りるまで、昼食のレストラン以外では、いくら飲んでも料金は変わらず。テキーラはストレートで飲むだけでなく、ストロベリーマルガリータなど各種カクテルでも味わえる。ソフトドリンクも用意され、子連れでの参加もOKだ。往路をバス、復路を列車に変更することもできる。

 


┃シアトルからの行き方

グアダラハラまではメキシコのボラリス航空が直行便を運航。米系の航空会社でもロサンゼルスやメキシコシティなどから、1回の乗り継ぎで到着できる。ホセ・クエルボ社の列車が出発するグアダラハラ駅は市街地からすぐのところにある。

2020年6月まで北米報知社でセールス・マネジャーを務める。北海道札幌市出身。2017年に夫の赴任に伴ってシアトルに渡るまでは、日本で広告代理店に勤務し、メディア担当、アカウント・エグゼクティブとして従事。ワシントン大学でMBA取得後、現在はシアトル発のスタートアップ、Native English Instituteのマーケティング担当として日本市場参入準備に携わる。趣味はテニスで、大会(とその後の打ち上げ)の再開を心待ちにしている。