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2022年は生活習慣改善がテーマ〜美ボディーをつくるトレーニング

シアトル地域レドモンドを拠点に活躍するプライベート・トレーナーの島田耕太さんが、自宅でできるトレーニング法を解説します。

美ボディーをつくるトレーニング

2022年は生活習慣改善がテーマ

年が明け、昨年の見直しと新年の抱負を考える時期ですね。健康面では、いまだに新型コロナの影響があり、心配は尽きません。手洗いやマスク着用などの感染対策とワクチン接種も大切ですが、体の健康管理もそれ以上に大事になってきます。

WHO(世界保健機関)の調査では、2021年6月の時点で肥満率が1975年の3倍、18歳以上の肥満率は2016年から2021年までで16%増との報告も出ています。アメリカは肥満大国というイメージがあり、肥満率の上昇傾向から見ても間違いではないのですが、世界的にはトップ10にも入らないことをご存知でしょうか。これは、アメリカ国民が痩せ始めたのではなく、世界各国の肥満率が年々上がってきているからです。この傾向は、肥満率を下げるために60年以上も信じられていた、摂取カロリーを減らして消費カロリーを増やすというアドバイスが効果的ではないことを証明しています。

改善しなくてはいけないのは、カロリーのバランスではなく生活習慣です。日本では肥満を含むメタボリック症候群を生活習慣病とも呼んでいますが、これはとても適切な表現です。生活習慣は主に食事、運動、睡眠から成り立っています。肥満を問題としていた多くのクライアントは、1日に間食を含め6食から多くて11食も食べていたと報告していて、1日3食に戻しただけで減量に成功しています。摂取カロリーよりも間食回数の見直しが重要だとわかるでしょう。

運動に関しては有酸素運動を週150分、筋トレを週2回というガイドラインをCDC(米疫病対策センター)が定めています。また、CDCはアメリカの人口の35%が睡眠不足(7時間未満)と報告しています。食事は1日3食にし、間食は極力避ける。運動は週に3、4時間。睡眠は1日7時間。これらを守れば、生活習慣病の大半、特に肥満は改善できます。

2022年に生活習慣をどう改善すれば良いか、目安ができましたね。こうして健康体を作っていけば、免疫力が高くなり、感染症予防にも役立ちます。変異を重ねる新型コロナの感染者が増え続ける中では、効力を示しているとはいえ、ワクチンのみに頼るのは問題です。自己免疫力を向上させ、ワクチン効果をより高めましょう。

前述の通り、CDCは150分の有酸素運動を推奨しており、ウォーキング、ジョギング、サイクリング、ハイキングなどを1日30〜60分くらい行うのが理想とされます。体力に合わせて、できることから始めていきましょう。そして、週2回の筋トレは、右に紹介する3つのエクササイズからスタート。下半身の筋力とバランス、上半身の肩の可動と筋力、そして腰周りの体幹を鍛えるエクササイズを用意しました。重要なのは、ゆっくり行うこと。けがを防止し、強化したい筋肉をより効果的に刺激できます。別のエクササイズを行う場合も、ゆっくり行ってみてください。

今月のトレーニング

STEP 1
ランジ
10回を4セット

写真クレジットKota Shimada

太もも、内股、お尻のエクササイズ。脚を前後に開きます。前足のかかとを床から離さずに体全体を前に移動させます。この際に注意点がいくつかあります。ひとつ目は、後ろ足をできるだけ真っすぐにして、かかとを床につけないこと。ふたつ目は上体が前かがみにならず常に腰の上にあるようにすること。3つ目は、前足の膝がつま先を越すことを目安に。膝がつま先を越える際にかかとが浮かないように注意してください。難しい場合は台を使い、慣れてきたら床で行いましょう。また、バランスに自信のない方は壁や手すりを活用してもOKです。

STEP 2
スイマー・プレス
10回を4セット

写真クレジットKota Shimada

胸を張り、手の平を自分に向けた状態で顎の前へ。その状態から肩甲骨を引き締めて肘を外に開き、さらに腕を頭の上に伸ばします。肘までしっかり伸ばしましょう。そこから同じ軌道で手を最初の位置に戻します。ゆっくり行うと肩関節への負担が軽減され、同時に筋肉に対しての刺激が増します。肩が痛くて腕が上がらない場合は、痛みのない範囲で。ダンベル、水の入ったボトル、缶詰などを活用して負荷をかけることも可能です。

STEP 3
スーパーマン
10回を4セット

写真クレジットKota Shimada

肩甲骨とお尻の筋肉を使うエクササイズです。腕と脚を伸ばしてうつぶせになります。この状態から肘と膝は伸ばしたまま両腕両脚を浮かせます。シンプルなエクササイズですが、姿勢を正すときに使う筋肉を刺激できます。腰に若干の負荷がかかるため、ゆっくり行いましょう。10回は目安ですので、できる回数から始めてください。

※健康上の不安がある場合は、必ず医師に相談のうえ行うようにしてください。

※同記事は、インディアナ州立大学でエクササイズ・サイエンス修士を取得し、フィットネスおよび栄養コーチングの指導を行う島田耕太さんが、資料や経験を元に執筆したものです。

Mastering Body Institute

9123 151st Ave. NE., Redmond, WA 98052 ☎571-235-8580 lifecultivation@gmail.com www.masteringbodyinstitute.com


文献

  1. World Health Organization. (n.d.). Obesity and overweight. World Health Organization. Retrieved December 9, 2021, from https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/obesity-and-overweight.
  2. Centers for Disease Control and Prevention. (2019, June 13). Trends in meeting physical activity guidelines among urban and rural dwelling adults – United States, 2008–2017. Centers for Disease Control and Prevention. Retrieved December 10, 2021, from https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/68/wr/mm6823a1.htm.
  3. Centers for Disease Control and Prevention. (2017, May 2). CDC – data and statistics – sleep and sleep disorders. Centers for Disease Control and Prevention. Retrieved December 10, 2021, from https://www.cdc.gov/sleep/data_statistics.html.
シアトル地域レドモンドを拠点とするプライベート・トレーナー。インディアナ州立大学でエクササイズ・サイエンス修士を取得し、1998年より個人、グループ、企業に向けてフィットネスおよび栄養コーチングの指導を行う。