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秋冬にかけて太りやすくなる理由〜美ボディーをつくるトレーニング

シアトル地域レドモンドを拠点に活躍するプライベート・トレーナーの島田耕太さんが、自宅でできるトレーニング法を解説します。

美ボディーをつくるトレーニング

秋冬にかけて太りやすくなる理由

サンクスギビング、クリスマス、新年とイベント目白押しで食べる機会の多いこの時期は、体重が気になりますよね。炭水化物系のイモ、カボチャなどがおいしい季節でもあります。食べ過ぎ、飲み過ぎには注意したいところですが、ダイエットを気にし過ぎるのも問題。今回は、ホリデー・シーズン中、どうしたら健康に気を付けながら、家族や友だちとの食事を楽しめるかを紹介します。

まず、炭水化物について。人間の体は炭水化物をグルコース(ブドウ糖)に分解し、筋肉、肝臓、そして脂肪に蓄えていきます。食べた炭水化物の80%以上は筋肉と肝臓に回り、すぐにエネルギーとして使える糖分の一種、グリコーゲンとして蓄えられ、残りは後に使うエネルギー源として体脂肪になります。筋肉と肝臓に蓄えられる量は限られますので、筋肉量の低い人はすぐに体脂肪への蓄積にシフトされてしまいます。「年を取ったら代謝が落ちる」という話を聞きますが、問題は年齢ではなく、筋肉量の低下や、インスリンの分泌量と頻度です。

炭水化物を過剰摂取または間食などで頻繁に摂取すると、インスリンが長期にわたって多く分泌されます。筋肉量が低下している場合、炭水化物の蓄積量も低下し、細胞がインスリンの受け入れを拒否し始め、血中のインスリン量が増えます。この状態を「インスリン抵抗性」と言います。インスリンが血中にある以上、体は常に脂肪蓄えモードになり、肥満や糖尿病などへとつながります。

秋冬にかけて太りやすくなるのは、運動量の低下と、炭水化物の摂取量が筋肉と肝臓の許容範囲を超えるためです。運動をしない期間が続けば、筋肉量も低下します。秋冬太りを避けられるよう、筋肉を刺激する運動を行い、炭水化物を摂取するタイミングをコントロールしましょう。

炭水化物を取り入れる理想的なタイミングは、運動後です。理由は、筋トレなどの運動を30分以上行うと筋肉に蓄積されていたグリコーゲンを使うため、筋肉疲労を回復させるのに炭水化物の摂取が有効となるからです。食事を伴うパーティーには運動をしてから参加することで、食べた物がまずは筋肉疲労回復のために使われ、脂肪への蓄積を減らすことができます。もちろん、食べた分体重は増えるのですが、この場合は数日で落とせます。パーティーの翌日に運動すると、再び筋肉に蓄えたグリコーゲンを使い、代謝のリセットになります。

次に運動です。ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動でも筋肉のグリコーゲンを使えるのですが、効率が悪いので筋トレのエクササイズを活用します。今回のエクササイズは筋肉を刺激するものを用意しました。指定時間内に回数をこなすことで、有酸素運動の効果も期待できます。体調と体力に合わせた範囲で行ってみてください。

今月のトレーニング

STEP 1
スクワット
60秒を3セット

写真クレジットKota Shimada

スクワットは下半身エクササイズの中でより多くの筋肉を刺激できます。まずは、肩幅より若干広めに膝、つま先を外に向けるように足を開きます。次に上体は直立のまま、かかとの上に座るイメージで腰を落とします。最後に、そのまま真っすぐ立ち上がります。バランスに不安のある場合は、テーブルやカウンターにつかまりましょう。

STEP 2
腕立て伏せ(膝つき)
60秒を3セット

写真クレジットKota Shimada

上半身エクササイズの中でより多くの筋肉を刺激できるのが、腕立て伏せです。回数が多いので、最初から膝をついて行います。両手の位置は肩幅よりも若干広めに。幅が狭くなると手首への負担が大きくなります。腕の力で上体を落としていきますが、上体が完全に床についても問題ありません。上体を落としたら、腕の力で上体を押し上げます。床では難しい場合、テーブル、カウンター、壁などを活用することで負荷を軽減できます。

STEP 3
プランク
60秒を3セット

写真クレジットKota Shimada

プランクは体幹のみならず、エクササイズの最後に行うことでそれまで使ってきた筋肉をさらに活用できます。姿勢は腕立て伏せと似ています。腕を伸ばした状態で行うものと、肘を曲げた状態で行うものと2種類ありますので、やりやすいほうを選んでください。写真の姿勢で60秒間キープします。休みながらで良いので、できるだけ60秒間頑張りましょう。呼吸を止めないことがポイント。膝をついて、またはテーブルやカウンターを活用して行ってもOKです。

※健康上の不安がある場合は、必ず医師に相談のうえ行うようにしてください。

※同記事は、インディアナ州立大学でエクササイズ・サイエンス修士を取得し、フィットネスおよび栄養コーチングの指導を行う島田耕太さんが、資料や経験を元に執筆したものです。

Mastering Body Institute

9123 151st Ave. NE., Redmond, WA 98052 ☎571-235-8580 lifecultivation@gmail.com www.masteringbodyinstitute.com


文献

  1. Kahn BB. Lilly lecture 1995. Glucose transport: pivotal step in insulin action. Diabetes 1996;45:1644-54.
  1. Kahn SE, Hull RL, Utzschneider KM. Mechanisms linking obesity to insulin resistance and type 2 diabetes. Nature 2006;444:840-6.
シアトル地域レドモンドを拠点とするプライベート・トレーナー。インディアナ州立大学でエクササイズ・サイエンス修士を取得し、1998年より個人、グループ、企業に向けてフィットネスおよび栄養コーチングの指導を行う。