軌道確保と舌の位置を整えて、美しい笑顔に
アメリカ矯正歯科学会(AAO)では、初めての矯正歯科検診は7歳頃が目安とされています。し かし、それより前の段階からでも、子どもの将来の歯並びの傾向を知るヒントがあります。成 長の段階に合わせて適切なサポートを行うことで、歯並びの乱れの予防にもつながります。そ のポイントを、矯正歯科専門医の安部井ゆみ先生に聞きました。
歯並びは遺伝だけで決まるも のではありません。呼吸の仕方 や舌の位置といった習慣が、顎の 発育に大きく影響します。本来、 安静時に舌は上顎に優しく触 れているのが理想的な位置です。 舌が内側から上顎を支えること で上顎は横に広がり、歯がきれい に並ぶためのスペースが確保さ れます。とくに大切なのが、安静 時の舌のポジションです。何も していないときに舌をどこに置いているかによって、歯並びへの影響は大きく変わります。舌 が低い位置に下がっていたり、歯と歯の間に置かれていたりすると、前歯が開いてしまう「開かいこう咬」 や受け口の原因になることがあります。また、鼻炎やアレルギーなどで鼻呼吸がうまくできず、 口呼吸が習慣化すると、舌は低い位置に下がってしまいます。舌が下がると、頬の筋肉の力に押 されて上顎が狭くなり、歯並びが乱れやすくなります。
子どもがよく口を開けている、いびきをかく、慢性的な鼻づまりがあるといった場合は、歯並 びだけでなく呼吸の状態にも目を向け、必要に応じて耳鼻咽喉科への相談を併せて行うことで、 健やかな成長につながります。
舌は「天然のリテーナー(保定装置)」ともいえる存在です。矯正治療で歯並びを整えた後も、 舌の位置が安定していなければ元に戻りしやすくなります。大切なのは、安静時の舌の正しい 位置を意識して身につけること、そして飲み込むときに歯を押さない動きを覚えることです。 現代は柔らかい食事が増え、舌や顎の筋肉を十分に使う機会が減っています。そのため、必要に 応じて舌のトレーニングを取り入れることも一つの方法です。
成長期に呼吸と舌の位置を整えることが、歯並びの安定と自然な笑顔につながります。
安部井ゆみ■矯正歯科専門医(ABO)。日本人女性で初、歯科矯正学修士号(MSD) を取得。日本で歯科医師として臨床経験を積んだ後、渡米。ボルトン・ブラッシュ成長 研究センターで研究に従事し、複数の学術誌に論文を発表。ケース・ウェスタン・リザー ブ大学院修了。現在、同大学臨床助教授。
Crossroads Family Dental/クロスロード・ファミリー・デンタル
1811 156th Ave. NE. #3, Bellevue, WA 98007 ☎425-614-1098
営業時間:月~土8am〜5pm 定休:日
https://crossroadsfamilydental.net


















