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オリジナルの耳栓

スクリーンショット (21)-min (1) コンピュータプログラマーでプロの写真家でもある30代の男性と耳栓の話をしよう。
コンサート会場で写真を撮るのが専門だが、ライブ演奏中、スピーカーの近くに長時間いることが多く、仕事が終わるといつも疲れと耳鳴りがあり、この仕事をどれだけ続けられるか不安を持っていた。来院の理由は耳栓だった。それまではどこでも買えるフォーム状の耳栓を使っていたのだが、音楽がきれいに聞こえなかったり、人の話がよく聞こえないという問題があった。音楽に感動しながら良い写真を撮ることが必要なので、カスタムの耳栓を作りたいということだった。

耳栓の製作には耳型を取る必要がある。綿でできた小さなボールのようなものを鼓膜の手前までつめて、シリコンの液体を注入する。5分ほどで液体が固まり、それを取り出すだけだ。耳型を業者に送ると、完成した耳栓が送られてくる。最近では自分で耳型を取るキットがネットで購入できるが、これはおすすめできない。シリコンの液体が鼓膜に触れた時の痛みは尋常ではなく、また鼓膜にくっついた耳型を引っ張り出すときの痛さも言葉では説明できないほどのものだ。耳型を取るのは、専門家であるオーディオロジストに依頼してもらいたい。

耳栓と一言で言ってもいろいろな種類があり、コンサート用の耳栓もあれば、工場や工事現場などより騒音のひどい場所用、睡眠用、水泳用、バイクやハンティング用など様々。コンサート用には特別なフィルターが付いており、音質を保持したまま音量をかなり下げた状態で音楽を楽しむことができる。また、隣にいる人の声は、ある程度聞こえるように工夫されている。コンサート用の耳栓は、映画やカラオケでも活用できる。

カスタムで作った耳栓は、大人の場合、体重が大幅に変わらない限り、半永久的に使用できる。一方で、ドラッグストアで購入できるような耳栓は、一般に使い捨て(Single Use)と書かれおり、もしも長時間、長期間使用し続けると、外耳炎などを起こす可能性がある。耳をふさぐことで蒸れが生じ、耳にカビが生えてしまうこともあるのだ。

前出の男性の話に戻るが、自分の耳にぴったり合うように作られた耳栓は出し入れも楽で、長時間つけていても違和感なく楽だそうだ。コンサート中、主催者とも話ができ、音源の間近で躍動感のある写真を撮ることができたと言って、力作を何枚か送ってきてくれた。小さな耳栓でも人の生活を助けることができるのだなと、改めて感じた出来事だった。

[耳にいい話]